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【第34話】救国の聖女①
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富士の国まであと少しのところで、国から逃げ出してきた野党に扮した難民に遭遇。
ジークがラルセット公国での難民を受け入れるとのことで、クルミは妃、メリットは救国の聖女だと勘違いされていた。
「クルミさん、ちょうと近くの人達を迎えに行ってきますね。」
メリットが案内人と一緒に出かけていった。
避難所の人達は、不安そうだった。こちらの守りを不安してのことだったのだけれどもクルミ達は心配していなかった。
「へぇ まだ王子様の妃では、なかったんですね!」
「婚約者扱いみたいな感じかな」
クルミはさすがに妃は不味いと思ったので訂正した。
クルミは質問責めにあっていた。
しかし、お互い女性なので、アドバイスもしてもらい、ついつい話が弾んでしまったのだった。
アリスは同じ年齢の子供達と遊んでいた。
クルミは、自分も身分は高くないので普通に接してもらうようにお願いをした。それがまた好感をもたれたようだった。
「ここからだと、ラルセット公国は1週間はかかります。」
どのくらいかかるのかと聞いたら、責任者のような老婆が答えた。
名前をタマといった。
タマ婆さんってみんなに呼ばれていた。
「富士の国って今どうなってるの?」
「国内が二つに分かれて争っております。おろかなことなのですが、開国派と鎖国派で分かれているのです。開国派は、シャイブ大臣、鎖国派は与一将軍と言います。」
この避難してきた人達は、どちらにも属していないものしかいないとのこと。しかし、旦那や子供などの男達は、どちらかに徴兵されているのだと言う。本人達は嫌嫌なので困っているそうだ。
どの国もこうした問題があるのかと思った。昔は大将軍1人が納める国だった。今は、大将軍は亡くなり子孫は行方不明のようだ。
実は、クルミは遥か昔の大将軍と縁があるのだった。
ジークとの提示連絡の時間になった。
「そういえば、カーグシン竜王様から連絡がありまして、お伝えしたいことがあります。」
竜神王国の支援よりもラルセット公国の支援に賛同する避難民が多いことが問題になりそうだとのこと。
言い出したのは、何とドレドラスだと。ミン宰相、レオパルド王に直訴した。
「ラルセット公国の支援に負けているようでは、竜神王国の権威が泣きますぞ!」
「このようなことで勝ち負けなど考えるほどのことですか?」
大臣の1人が発言をする。
「まぁそうでしょう。しかし富士の国が、ラルセット公国と同盟を結んだらどうなるでしょうかな?」
その発言に、周りがざわつく。
その2国に挟まれるのは竜神王国だった。これは軍事的には見逃せない事態でもある。
「分かった!それで、支援部隊としてドレドラス部隊長が行きたいと行くことだな?」
レオパルド王が問いかけた。
「はっ! 困っている人を見捨てることなどできません!!」
周りからは、おーーと感嘆の声があがる。
レオパルドは、見抜いていた。
全てはアリスの為なんだろうと。
「そなたに任せる。」ミン宰相も見抜いていた。
ドレドラスの近くで周りに聞こえないようにささやいた。
「アリスの件もな。」
「.......」ドレドラスは固まってしまったのだった。
そういうことで、竜神王国からも支援部隊が来ているとのこと。
ドレドラスの過保護も困ったものだと思った。アリスの為に国を動かしたのだった。
これについては、怒るに怒れなかった。しかし何でアリスをそこまで大事にするかは謎だった。
ジークがラルセット公国での難民を受け入れるとのことで、クルミは妃、メリットは救国の聖女だと勘違いされていた。
「クルミさん、ちょうと近くの人達を迎えに行ってきますね。」
メリットが案内人と一緒に出かけていった。
避難所の人達は、不安そうだった。こちらの守りを不安してのことだったのだけれどもクルミ達は心配していなかった。
「へぇ まだ王子様の妃では、なかったんですね!」
「婚約者扱いみたいな感じかな」
クルミはさすがに妃は不味いと思ったので訂正した。
クルミは質問責めにあっていた。
しかし、お互い女性なので、アドバイスもしてもらい、ついつい話が弾んでしまったのだった。
アリスは同じ年齢の子供達と遊んでいた。
クルミは、自分も身分は高くないので普通に接してもらうようにお願いをした。それがまた好感をもたれたようだった。
「ここからだと、ラルセット公国は1週間はかかります。」
どのくらいかかるのかと聞いたら、責任者のような老婆が答えた。
名前をタマといった。
タマ婆さんってみんなに呼ばれていた。
「富士の国って今どうなってるの?」
「国内が二つに分かれて争っております。おろかなことなのですが、開国派と鎖国派で分かれているのです。開国派は、シャイブ大臣、鎖国派は与一将軍と言います。」
この避難してきた人達は、どちらにも属していないものしかいないとのこと。しかし、旦那や子供などの男達は、どちらかに徴兵されているのだと言う。本人達は嫌嫌なので困っているそうだ。
どの国もこうした問題があるのかと思った。昔は大将軍1人が納める国だった。今は、大将軍は亡くなり子孫は行方不明のようだ。
実は、クルミは遥か昔の大将軍と縁があるのだった。
ジークとの提示連絡の時間になった。
「そういえば、カーグシン竜王様から連絡がありまして、お伝えしたいことがあります。」
竜神王国の支援よりもラルセット公国の支援に賛同する避難民が多いことが問題になりそうだとのこと。
言い出したのは、何とドレドラスだと。ミン宰相、レオパルド王に直訴した。
「ラルセット公国の支援に負けているようでは、竜神王国の権威が泣きますぞ!」
「このようなことで勝ち負けなど考えるほどのことですか?」
大臣の1人が発言をする。
「まぁそうでしょう。しかし富士の国が、ラルセット公国と同盟を結んだらどうなるでしょうかな?」
その発言に、周りがざわつく。
その2国に挟まれるのは竜神王国だった。これは軍事的には見逃せない事態でもある。
「分かった!それで、支援部隊としてドレドラス部隊長が行きたいと行くことだな?」
レオパルド王が問いかけた。
「はっ! 困っている人を見捨てることなどできません!!」
周りからは、おーーと感嘆の声があがる。
レオパルドは、見抜いていた。
全てはアリスの為なんだろうと。
「そなたに任せる。」ミン宰相も見抜いていた。
ドレドラスの近くで周りに聞こえないようにささやいた。
「アリスの件もな。」
「.......」ドレドラスは固まってしまったのだった。
そういうことで、竜神王国からも支援部隊が来ているとのこと。
ドレドラスの過保護も困ったものだと思った。アリスの為に国を動かしたのだった。
これについては、怒るに怒れなかった。しかし何でアリスをそこまで大事にするかは謎だった。
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