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【第11話】決勝戦③
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そして、決勝戦が始まった。
参加者は3名。
私と冒険者1名と小柄なフードを被った1名。
クルミは、これは楽勝かなと思った。
冒険者のおじさんは、ドレドラスというらしい。
「殺す気はないが、多少痛い目にあってもらうかもしれない!それが嫌ならリタイアしたがいいぞ!」
クルミはそれは私のセリフだと思った。でも悪い人ではないみたいだ。
クルミを見下したりしている感じもなく本当に心配している様子だった。
もう1人の小柄な暗殺者風な対戦者は何も語らない。
「おじさんこそ、諦めたがいいんじゃない?」
まずはこのドレドラスを先に倒そうと進みはじめた。
アリスは、何で挑発するの!
と心で思った。実はドレドラスを先に攻撃して気絶させて、リタイアするつもりだったのだ。
これが最後の手段だったのだがそれはドレドラスの挑発であっさりと終わってしまった。
クルミがお散歩するかのようにドレドラスに向かって歩きはじめた。
鍛えている参加者なら、一撃を耐えれるかもしれないがアリスはドレドラスの実力を知っている。
並み程度ではあると思う。
予選は棄権者多数、最後まで逃げ回り、連戦で疲労した相手に何とか勝利したのだ。
クルミの手を抜かれた一撃でも死ぬ可能性がある。
またここで、ドレドラスが予想外の行動にでる。
「手加減はする、悪く思うなよ!」
クルミに走り出してしまったのだ。
ヤバい、反射的にアリスも走り出した。これからどうしようかと考えていたので反応が遅れてしまったのだった。
相手と交錯する直前ギリギリか、もう考えている余裕がなかった。
「まにあって」
クルミが剣を振るう感覚がした。
ギリギリでドレドラスの前にでた。防御などかんがえる余裕もなかった。
一瞬剣先が消えた気がした。
ここで、アリスの意識は途絶えた。
何とかこれを見てリタイアしてと
願いながら。
クルミは向かってくる、ドレドラスに向けて剣を構えた。軽く気絶させようと考えていた。
その力を抜いた感じでも、アリスは殺されると脅えるくらいだったのだが、クルミにそのつもりはなかった。
ドレドラスをとらえたと思っていたところ、横から暗殺者風の参加者が迫ってきているのが分かった。
隙をついて攻撃かとも思ったが、なんか違う気がした。ドレドラスを守るように2人の間に入ったのだった。防御もすることなくただ身を挺しているかのように。
クルミは剣先を変えて、峰打ちで暗殺者風を気絶させた。
「まったくなんなのよ。この動きまさかね.....」
そのまさかだった。正体は何とな想像がついた。
ドレドラスも剣を振るうが、クルミが、何と片手で白羽取りを行ったのだ。
「ウソ! グォ」
こちらはそのまま、白羽取りした手で顔面を殴り付けた。
鼻血を出しながら、うずくまる。ドレドラス。痛そうだ。
まぁやはりたいしたことないようなので無視をして、暗殺者風の参加者に近寄る。
ドレドラスが鼻を押さえながら声をかけてくる。
「そのものは、不意打ちと汚い手であったが、気絶している。止めを刺す必要はないだろう!!」
怒っているようだ。
「えっ 関係ないの?」
クルミは、お互いが知り合いだと思っていた。協力して倒す作戦なのかとも考えたが、それにしては暗殺者風の参加者は不思議な行動だった。
まるで、ドレドラスを守るように動いたのだった。
何となくクルミは、分かってきた。この子はドレドラスの身内で優勝させようかと思って参加させたんだと。
「まぁこの正体を見たら気づくと思うよ。」
「何を!」
クルミは、フードを脱がした。
「アリス!!」
クルミは、何となく分かってしまった。2人の関係を、でも親子?
兄弟?そこは分からないが2人が大事な関係なのは理解した。
ドレドラスが「どけ!!」
クルミなど気にもせず、武器も放り投げて駆け寄ってきた。
クルミもやれやれとその場を離れた。
「大丈夫ですよ。気絶しているだけだから」
ほっとするドレドラス。
「なぜ、こんなことを」
「おせっかいかも知れないけど、あなたのためだと思いますよ。」
「どういうことだ?」
「彼女は、試合開始前も私を襲撃してきたからね」
「えっ」
「あなたを優勝させたい、守りたいとかの理由じゃないのかな?
実力差は理解してたと思うのに、すごい勇気だね。」
「.......」無言になってしまった。
会場もざわついていたが、クルミの優勝だと感じだ。クルミの親衛隊の人達が、クルミコールを始めた。
その時「ドゴーーン」
と会場の一部から爆発音がした。
その場には、目付きの悪い半分裸の男が立っていた。
「そいつは、参加者じゃない。俺が本当の決勝進出者だ!」
わめきちらしている。
しかも魔法で作った、爆弾のようなものをなげてきた。
これは、魔法を唱えると爆発するタイプのもので、辺りに撒き散らしている。
観客にもばらまかれて、それがジークの近くにもばらまかれた。
「これは不味です!」
クルミは、起動の魔法を唱えられる前に倒そうと急いだ。
ドレドラスの武器を拾い投げつけた。
「ウッ」
命中して倒れる。
しかし爆弾の起動が消えない。
赤色に変化してもう爆発間近だ。
爆発も全部同時ではないようだ。
点滅が激しいものから切り捨てていく。
まずは、ジークのもとに急ぐ。
爆発する前に魔法で凍らせた。
メリットも凍らせるのを手伝ってくれているが時間が足りない。
クルミは、これは別に起動を唱えている協力者がいると判断した。
そんな時「キャー」観客が爆弾を闘技場に投げ入れた。
それをきっかけで、他の観客も投げ入れる。
闘技場にはまだドレドラスとアリスがいた。ドレドラスがアリスの服の中で、赤く輝くものを見つけた。
とっさに闘技場へ同じく投げた。
被害を減らすために、なるべく中央に。
それでも爆弾に近いところに2人がいることにかわりなかった。
「まにあえ!!」
クルミが急いで魔法の準備をしている。
その時闘技場を中心に大爆発がおきたのだった。
参加者は3名。
私と冒険者1名と小柄なフードを被った1名。
クルミは、これは楽勝かなと思った。
冒険者のおじさんは、ドレドラスというらしい。
「殺す気はないが、多少痛い目にあってもらうかもしれない!それが嫌ならリタイアしたがいいぞ!」
クルミはそれは私のセリフだと思った。でも悪い人ではないみたいだ。
クルミを見下したりしている感じもなく本当に心配している様子だった。
もう1人の小柄な暗殺者風な対戦者は何も語らない。
「おじさんこそ、諦めたがいいんじゃない?」
まずはこのドレドラスを先に倒そうと進みはじめた。
アリスは、何で挑発するの!
と心で思った。実はドレドラスを先に攻撃して気絶させて、リタイアするつもりだったのだ。
これが最後の手段だったのだがそれはドレドラスの挑発であっさりと終わってしまった。
クルミがお散歩するかのようにドレドラスに向かって歩きはじめた。
鍛えている参加者なら、一撃を耐えれるかもしれないがアリスはドレドラスの実力を知っている。
並み程度ではあると思う。
予選は棄権者多数、最後まで逃げ回り、連戦で疲労した相手に何とか勝利したのだ。
クルミの手を抜かれた一撃でも死ぬ可能性がある。
またここで、ドレドラスが予想外の行動にでる。
「手加減はする、悪く思うなよ!」
クルミに走り出してしまったのだ。
ヤバい、反射的にアリスも走り出した。これからどうしようかと考えていたので反応が遅れてしまったのだった。
相手と交錯する直前ギリギリか、もう考えている余裕がなかった。
「まにあって」
クルミが剣を振るう感覚がした。
ギリギリでドレドラスの前にでた。防御などかんがえる余裕もなかった。
一瞬剣先が消えた気がした。
ここで、アリスの意識は途絶えた。
何とかこれを見てリタイアしてと
願いながら。
クルミは向かってくる、ドレドラスに向けて剣を構えた。軽く気絶させようと考えていた。
その力を抜いた感じでも、アリスは殺されると脅えるくらいだったのだが、クルミにそのつもりはなかった。
ドレドラスをとらえたと思っていたところ、横から暗殺者風の参加者が迫ってきているのが分かった。
隙をついて攻撃かとも思ったが、なんか違う気がした。ドレドラスを守るように2人の間に入ったのだった。防御もすることなくただ身を挺しているかのように。
クルミは剣先を変えて、峰打ちで暗殺者風を気絶させた。
「まったくなんなのよ。この動きまさかね.....」
そのまさかだった。正体は何とな想像がついた。
ドレドラスも剣を振るうが、クルミが、何と片手で白羽取りを行ったのだ。
「ウソ! グォ」
こちらはそのまま、白羽取りした手で顔面を殴り付けた。
鼻血を出しながら、うずくまる。ドレドラス。痛そうだ。
まぁやはりたいしたことないようなので無視をして、暗殺者風の参加者に近寄る。
ドレドラスが鼻を押さえながら声をかけてくる。
「そのものは、不意打ちと汚い手であったが、気絶している。止めを刺す必要はないだろう!!」
怒っているようだ。
「えっ 関係ないの?」
クルミは、お互いが知り合いだと思っていた。協力して倒す作戦なのかとも考えたが、それにしては暗殺者風の参加者は不思議な行動だった。
まるで、ドレドラスを守るように動いたのだった。
何となくクルミは、分かってきた。この子はドレドラスの身内で優勝させようかと思って参加させたんだと。
「まぁこの正体を見たら気づくと思うよ。」
「何を!」
クルミは、フードを脱がした。
「アリス!!」
クルミは、何となく分かってしまった。2人の関係を、でも親子?
兄弟?そこは分からないが2人が大事な関係なのは理解した。
ドレドラスが「どけ!!」
クルミなど気にもせず、武器も放り投げて駆け寄ってきた。
クルミもやれやれとその場を離れた。
「大丈夫ですよ。気絶しているだけだから」
ほっとするドレドラス。
「なぜ、こんなことを」
「おせっかいかも知れないけど、あなたのためだと思いますよ。」
「どういうことだ?」
「彼女は、試合開始前も私を襲撃してきたからね」
「えっ」
「あなたを優勝させたい、守りたいとかの理由じゃないのかな?
実力差は理解してたと思うのに、すごい勇気だね。」
「.......」無言になってしまった。
会場もざわついていたが、クルミの優勝だと感じだ。クルミの親衛隊の人達が、クルミコールを始めた。
その時「ドゴーーン」
と会場の一部から爆発音がした。
その場には、目付きの悪い半分裸の男が立っていた。
「そいつは、参加者じゃない。俺が本当の決勝進出者だ!」
わめきちらしている。
しかも魔法で作った、爆弾のようなものをなげてきた。
これは、魔法を唱えると爆発するタイプのもので、辺りに撒き散らしている。
観客にもばらまかれて、それがジークの近くにもばらまかれた。
「これは不味です!」
クルミは、起動の魔法を唱えられる前に倒そうと急いだ。
ドレドラスの武器を拾い投げつけた。
「ウッ」
命中して倒れる。
しかし爆弾の起動が消えない。
赤色に変化してもう爆発間近だ。
爆発も全部同時ではないようだ。
点滅が激しいものから切り捨てていく。
まずは、ジークのもとに急ぐ。
爆発する前に魔法で凍らせた。
メリットも凍らせるのを手伝ってくれているが時間が足りない。
クルミは、これは別に起動を唱えている協力者がいると判断した。
そんな時「キャー」観客が爆弾を闘技場に投げ入れた。
それをきっかけで、他の観客も投げ入れる。
闘技場にはまだドレドラスとアリスがいた。ドレドラスがアリスの服の中で、赤く輝くものを見つけた。
とっさに闘技場へ同じく投げた。
被害を減らすために、なるべく中央に。
それでも爆弾に近いところに2人がいることにかわりなかった。
「まにあえ!!」
クルミが急いで魔法の準備をしている。
その時闘技場を中心に大爆発がおきたのだった。
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