73 / 83
新しい召喚者と国宝級魔術持ち
-9-
しおりを挟む
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
「さあ、着いたわよ」
自宅の書斎のドアを開けて、ジルさんは抱いていたわたしを降ろす。
この臭い久し振りだ。
ここのところジルさん忙しくてずっと王宮の執務室泊まりだったから。
「疲れたでしょう?
お風呂入っちゃいましょうね」
え? お風呂。
思わずわたしはあとずさる。
ジルさん時間がないときとか、自分が面倒な時って自分と一緒にお風呂に入れようとするんだよね。
正直、目のやり場に困る。
ようやく鳥さんを追い払うことができ、前戦が落ち着いて、やっと帰宅できたんだもん。
ジルさんだってきっと疲れているはず。
自分だって汗を流したいに決まっているし疲れてもいるはず。
となると、絶対一緒にって言い出しかねない。
「ダメよ。
ほら血だらけじゃないの。
綺麗にしなくちゃベッドにも入れないでしょう」
言われて改めて自分の躯を見ると、毛皮のあちこちに血液が付着して凝固している。
流血している怪我人のところをあちこち行き来していたせいで、知らないうちに血がついちゃったんだね。
特に傷に当てた右の前足が酷い。
患者さんが変わる度に、ギィさんが丁寧に拭いてくれたけど、水が貴重だったりして充分に使えなかったから、どうしても毛皮の奥の方に残っている。
仕方なく、自分の足でバスルームに向かう。
バスタブにお湯を張ってもらって、お湯の中に飛び込んだ。
ふわぁ……
極楽だぁ。
上がったあと全身の毛が濡れて躯に張り付くのは気持ち悪いけど、お湯の中にいるうちは気持ちいいんだよね。
「ふふ…… 気持ちいい? 」
ジルさんが笑顔を浮かべて、石鹸を手にとる。
良かった、今日は一緒に入るって言わないみたい。
なんて思っていると、いきなり背中に石鹸を刷り込まれた。
躯の浸かったお湯がたちまち赤く染まる。
ほんと、ジルさんが寝かせられないって言うだけあって、結構汚れていたんだな。
石鹸を流してもらって、お湯から上がるとお部屋の中に、ごはんが届いていた。
しかも前にごほうびで貰ったことのある白身魚をテリーヌにした美味しいやつ。
「頑張ってくれたからご褒美よ。
ゆっくり食べていてね。
あたしもお風呂いただいてくるわ」
そう言ってジルさんはバスルームに向かう。
贅沢は言えないけど、前戦の食事は硬いパンとスープだけで猫の口に合うものじゃなかったから、これは嬉しい。
「いっただきまーす! 」
ご機嫌でお皿の上のムースにかぶりついた。
って、しょっぱ!
何これ?
塩の塊食べているみたい。
前に王宮でいただいたテリーヌはもっと薄味で美味しかったのに、何なのよぉ、この塩加減。
猫に塩分は大敵だって知らないの?
せっかく用意してもらったご馳走だったけど、食べるのを諦めてベッドに入る。
ドライヤーなんてないから、よく拭いてもらったけど、やっぱりまだ毛が湿っていて気持ち悪い。
早く乾かないかな、こう…… さくっと、ふわふわに……
綺麗にさっぱり乾いたところを想像してみる。
ダメだよね。
自然乾燥じゃ、完全に乾くまでには暫く掛かるか。
それまで、我慢……
あ、でも何となく乾いたような気もしないでも……
ベッドの中で寝返りを打つと、なんだか毛の間に残る湿気が消えたような気がした。
「マリー、お待たせっ!
どうだった? テリーヌは、美味しかったかしら? 」
暫くすると、ジルさんが髪から雫を垂らしながら戻って来た。
「あら? なぁに?
殆ど食べてないじゃないの。
やっぱり王宮のシェフが作ったものじゃないと気に入らなかった? 」
せっかく用意してもらったのは嬉しいけど、さすがにこんなにしょっぱくちゃ猫の口には無理。
ジルさんがわたしの鼻先にテリーヌを持ってきてくれたけど、無理なものは無理っ。
顔を横に向けて鼻を反らす。
「どうしたの?
よっぽど気に入らないみたいだけど、やっぱりロッタの作ったテリーヌじゃ、ダメ? 」
「ほら、こんなにおいし…… 」
ジルさんがテリーヌの隅っこを摘んで自分で食べて見せる。
「うっわ、何これ?
ロッタったら、塩と砂糖を間違えたのかしら?
だめね、本当に、もぅ。
ごめんなさいね、マリー。
今ミルクを持ってくるから、ちょっと待っててね」
ジルさんはテリーヌのお皿を持って書斎を出て行った。
はぁ、メイドちゃん作でしたか。
故意か偶然間違ったのかはわからないけど、相変わらず嫌われているなぁ。
ベッドを出て、伸びをして全身を振る。
躯を包む毛がふわって広がった。
いつもより、ずっと早く乾いている。
なんだか知らないけど、ま、いっか。
ベッドに戻る前にジルさんがミルクを持ってきてくれた。
「ほっんとうに、ごめんなさいね、マリー。
もう、家のメイドはどうしてこんなにお料理が下手なのかしら? 」
ジルさん、それ前にも思ったけど、あのメイドちゃん一人で炊事洗濯お掃除は無理があるって。
せめて料理人位は雇ってあげればいいのに……
ま、ジルさん忙しくなると殆ど王宮の執務室に行ったきりになっちゃうから、大勢の使用人が要らないのはわかるんだけど。
「くしゃん! 」
なんて思っていると、ジルさんが盛大にくしゃみをした。
いっけない!
それでなくてもジルさん疲れているのに、濡れた髪のままでうろうろして、風邪をひかせちゃう。
早く髪を乾かさないと!
えっと。
周囲を見渡して、タオルを見つけると近寄って咥えてジルさんに渡す。
もぅ、ドライヤーなくても手っ取り早く乾かす方法なんかないかな?
なんて思っていると、どこからともなくふわっと風が起こる。
「あら、マリー、ありがとう。
でももう乾いたみたいよ」
自分の髪を触って手ぐしを通し、ジルさんが言う。
確かに、さっきまで水滴が滴り落ちていたのに、ドライヤーで仕上げたみたいに綺麗にふわっふわに乾いていた。
どうなっているんだろう?
ま、いっか。
「さ、じゃぁもう、休みましょうか?
まだ事後処理が残っているから、明日も休んではいられないし、ね」
ジルさんはわたしを抱きかかえて寝室に移動した。
降ろされたクッションの上から、ランプの火を落してベッドに入るジルさんを見つめる。
よっぽど疲れているんだろうな。
すぐに寝息を立て始めたジルさんの寝息を聞きながら思う。
こうなったら、一日でも早くこの重責から開放してあげたいな。
昨日の晩から、ずっと考えていたことを、もう一度ゆっくり思い返した。
どうせ、命が潰えるのを待つのなら……
すこしでもジルさんの力になれるほうがいい。
こんなこと、相談するとジルさんきっと反対するよね。
だから……
ベッドを降りると窓辺に向かう。
ガラス戸の前に立つと後ろ足で立ち、ノブに両手をかけ力を入れた。
カタン、軽い衝撃と音がして、窓が開く。
「なぉ…… (ごめんなさい、ジルさん。
ありがとうございました)」
軽く鳴いて、頭を下げると、窓から戸外へ走り出した。
「さあ、着いたわよ」
自宅の書斎のドアを開けて、ジルさんは抱いていたわたしを降ろす。
この臭い久し振りだ。
ここのところジルさん忙しくてずっと王宮の執務室泊まりだったから。
「疲れたでしょう?
お風呂入っちゃいましょうね」
え? お風呂。
思わずわたしはあとずさる。
ジルさん時間がないときとか、自分が面倒な時って自分と一緒にお風呂に入れようとするんだよね。
正直、目のやり場に困る。
ようやく鳥さんを追い払うことができ、前戦が落ち着いて、やっと帰宅できたんだもん。
ジルさんだってきっと疲れているはず。
自分だって汗を流したいに決まっているし疲れてもいるはず。
となると、絶対一緒にって言い出しかねない。
「ダメよ。
ほら血だらけじゃないの。
綺麗にしなくちゃベッドにも入れないでしょう」
言われて改めて自分の躯を見ると、毛皮のあちこちに血液が付着して凝固している。
流血している怪我人のところをあちこち行き来していたせいで、知らないうちに血がついちゃったんだね。
特に傷に当てた右の前足が酷い。
患者さんが変わる度に、ギィさんが丁寧に拭いてくれたけど、水が貴重だったりして充分に使えなかったから、どうしても毛皮の奥の方に残っている。
仕方なく、自分の足でバスルームに向かう。
バスタブにお湯を張ってもらって、お湯の中に飛び込んだ。
ふわぁ……
極楽だぁ。
上がったあと全身の毛が濡れて躯に張り付くのは気持ち悪いけど、お湯の中にいるうちは気持ちいいんだよね。
「ふふ…… 気持ちいい? 」
ジルさんが笑顔を浮かべて、石鹸を手にとる。
良かった、今日は一緒に入るって言わないみたい。
なんて思っていると、いきなり背中に石鹸を刷り込まれた。
躯の浸かったお湯がたちまち赤く染まる。
ほんと、ジルさんが寝かせられないって言うだけあって、結構汚れていたんだな。
石鹸を流してもらって、お湯から上がるとお部屋の中に、ごはんが届いていた。
しかも前にごほうびで貰ったことのある白身魚をテリーヌにした美味しいやつ。
「頑張ってくれたからご褒美よ。
ゆっくり食べていてね。
あたしもお風呂いただいてくるわ」
そう言ってジルさんはバスルームに向かう。
贅沢は言えないけど、前戦の食事は硬いパンとスープだけで猫の口に合うものじゃなかったから、これは嬉しい。
「いっただきまーす! 」
ご機嫌でお皿の上のムースにかぶりついた。
って、しょっぱ!
何これ?
塩の塊食べているみたい。
前に王宮でいただいたテリーヌはもっと薄味で美味しかったのに、何なのよぉ、この塩加減。
猫に塩分は大敵だって知らないの?
せっかく用意してもらったご馳走だったけど、食べるのを諦めてベッドに入る。
ドライヤーなんてないから、よく拭いてもらったけど、やっぱりまだ毛が湿っていて気持ち悪い。
早く乾かないかな、こう…… さくっと、ふわふわに……
綺麗にさっぱり乾いたところを想像してみる。
ダメだよね。
自然乾燥じゃ、完全に乾くまでには暫く掛かるか。
それまで、我慢……
あ、でも何となく乾いたような気もしないでも……
ベッドの中で寝返りを打つと、なんだか毛の間に残る湿気が消えたような気がした。
「マリー、お待たせっ!
どうだった? テリーヌは、美味しかったかしら? 」
暫くすると、ジルさんが髪から雫を垂らしながら戻って来た。
「あら? なぁに?
殆ど食べてないじゃないの。
やっぱり王宮のシェフが作ったものじゃないと気に入らなかった? 」
せっかく用意してもらったのは嬉しいけど、さすがにこんなにしょっぱくちゃ猫の口には無理。
ジルさんがわたしの鼻先にテリーヌを持ってきてくれたけど、無理なものは無理っ。
顔を横に向けて鼻を反らす。
「どうしたの?
よっぽど気に入らないみたいだけど、やっぱりロッタの作ったテリーヌじゃ、ダメ? 」
「ほら、こんなにおいし…… 」
ジルさんがテリーヌの隅っこを摘んで自分で食べて見せる。
「うっわ、何これ?
ロッタったら、塩と砂糖を間違えたのかしら?
だめね、本当に、もぅ。
ごめんなさいね、マリー。
今ミルクを持ってくるから、ちょっと待っててね」
ジルさんはテリーヌのお皿を持って書斎を出て行った。
はぁ、メイドちゃん作でしたか。
故意か偶然間違ったのかはわからないけど、相変わらず嫌われているなぁ。
ベッドを出て、伸びをして全身を振る。
躯を包む毛がふわって広がった。
いつもより、ずっと早く乾いている。
なんだか知らないけど、ま、いっか。
ベッドに戻る前にジルさんがミルクを持ってきてくれた。
「ほっんとうに、ごめんなさいね、マリー。
もう、家のメイドはどうしてこんなにお料理が下手なのかしら? 」
ジルさん、それ前にも思ったけど、あのメイドちゃん一人で炊事洗濯お掃除は無理があるって。
せめて料理人位は雇ってあげればいいのに……
ま、ジルさん忙しくなると殆ど王宮の執務室に行ったきりになっちゃうから、大勢の使用人が要らないのはわかるんだけど。
「くしゃん! 」
なんて思っていると、ジルさんが盛大にくしゃみをした。
いっけない!
それでなくてもジルさん疲れているのに、濡れた髪のままでうろうろして、風邪をひかせちゃう。
早く髪を乾かさないと!
えっと。
周囲を見渡して、タオルを見つけると近寄って咥えてジルさんに渡す。
もぅ、ドライヤーなくても手っ取り早く乾かす方法なんかないかな?
なんて思っていると、どこからともなくふわっと風が起こる。
「あら、マリー、ありがとう。
でももう乾いたみたいよ」
自分の髪を触って手ぐしを通し、ジルさんが言う。
確かに、さっきまで水滴が滴り落ちていたのに、ドライヤーで仕上げたみたいに綺麗にふわっふわに乾いていた。
どうなっているんだろう?
ま、いっか。
「さ、じゃぁもう、休みましょうか?
まだ事後処理が残っているから、明日も休んではいられないし、ね」
ジルさんはわたしを抱きかかえて寝室に移動した。
降ろされたクッションの上から、ランプの火を落してベッドに入るジルさんを見つめる。
よっぽど疲れているんだろうな。
すぐに寝息を立て始めたジルさんの寝息を聞きながら思う。
こうなったら、一日でも早くこの重責から開放してあげたいな。
昨日の晩から、ずっと考えていたことを、もう一度ゆっくり思い返した。
どうせ、命が潰えるのを待つのなら……
すこしでもジルさんの力になれるほうがいい。
こんなこと、相談するとジルさんきっと反対するよね。
だから……
ベッドを降りると窓辺に向かう。
ガラス戸の前に立つと後ろ足で立ち、ノブに両手をかけ力を入れた。
カタン、軽い衝撃と音がして、窓が開く。
「なぉ…… (ごめんなさい、ジルさん。
ありがとうございました)」
軽く鳴いて、頭を下げると、窓から戸外へ走り出した。
10
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる