たとえばこんな、御伽噺。

弥湖 夕來

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想い出のイラクサ姫

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「ごめんなさい、あなたにはまだ乗れないのよ」
 馬場の片隅でセフィラはため息混じりに栗毛の駿馬の首を撫でる。
「お医者様の許可が下りたらまた乗せてくれる? 」
 馬はセフィラの言葉がわかるかのように顔を寄せた。
「君が馬を好きなのはわかるけどね、まだあまり長時間外にいるのは控えたほうがいい」
 声とともにアーサーが駆け寄ってくる。
 少しとがめるようなアーサーの声をセフィラは聞かなかったことにして、その場を離れようとした。
 心配してくれているのはわかる。
 現に先日のダンスだってまだ一曲踊りきれなかった。
 だけど、あまりに心配してもらい過ぎて、心苦しい。
 それが息苦しさになる。
「平気。もう少しここにいさせて」
「駄目だよ。
 おいで、部屋に戻ろう」
 そっとセフィラの腰に手を回しアーサーは言う。
 促されて馬場を離れようと足を踏み出した時、一頭の馬がものすごい勢いで駆け込んできた。
 どこからかかなり長距離を全速力で走ってきたと見え、馬も乗り手もひと目でわかるほどに疲弊している。
「殿下! 」
 馬場の傍らに立つアーサーの姿を見つけると、馬の乗り手は転がるように馬を下り駆け寄ってくる。
「火急の用件が…… 」
 乱れた息の下であえぎながら男は言う。
「どうした? 」
 ついさっきまで穏やかな笑みを浮かべていたアーサーの表情が急に引き締まった。
「実は…… 」
 言いながら男の視線がセフィラに向き、言葉が止まる。
「悪い、先に戻ってくれるか? 」
 背中を押されセフィラは歩き出す。
「ラシード公国との国境付近に、隣国の兵が集結しています」
 風に流されて耳に届いた言葉にセフィラの足が止まった。
「叔父、さ、ま? 」
 足が震え、力が抜ける。
 こんな時だからしっかり立っていなければいけないのに、そう頭ではわかっているのに力が入らない。
「セフィラ! 」
 アーサーの言葉が耳に届く前にセフィラは膝を付いていた。
 
 
「……要は、悪事がばれて開き直ったって事だろう? 」
 ライオネルの言葉に、室内に灯された蝋燭の炎が揺れた。
「お家騒動なんてどこにでもあるし、俺達だってセフィラ嬢の家族とこの国に危害が及ばなきゃ黙っていたんだけどな。
 なに考えているんだよ、あのおっさん」
 その炎の作る僅かな影のせいではっきり見えないが、ライオネルが渋い顔をしたようだ。
「おっさんって…… 」
 居合わせたシルフィードが苦笑いした。
「いや、以前レオは大公に二・三度会っているからな。
 多少はその人となりを知っている」
 アーサーはポツリとこぼす。
「ほんっとに、ただの狸親父だよ。
 大公って柄じゃない」
 ライオネルの言葉の後ろでドアがノックされた。
「殿下、火急のお呼びとか…… 」
 室内には城の警護や軍を束ねる主だった人物が次第に集まってくる。
 程なくして狭い書庫の中は人で一杯になった。
「皆、夜分遅くに済まないね。
 おおよその話は使いに言付けた通りだ。
 まず、言っておこう。
 今回の件は陛下に私が一任されたのでそのつもりで…… 」
 アーサーはその中心に立つと口を開いた。
 
「……というわけで、わが国としては国境を越えられるのだけはなんとしても避けたいわけだが」
「では、やはり軍を出すしかないでしょうな」
 古参の男が無意識のように生やした髭に手をもって行きながら言う。
「爺もそう思うか? 」
「最終的には話をつけることになりますでしょうが、まずは国境を抑えませんと…… 」
「そういうことなら、ストゥ将軍が適任でしょう…… 」
 誰かが言う。
「ちょっと待て、将軍がいないが。どうした? 」
 もう一つの言葉が続く。
 その言葉にアーサーは眉を潜めた。
「ストゥ将軍なら先日からノブフィオーレ公爵と一緒に別の国境に行っていますよ。
 報告はいっていたと思いますが」
 シルフィードが言う。
「何日前の話だ? 」
 確かそんな話を聞いた記憶はあるが、すでに戻ってきていいほどの日数が経っている気がする。
「長引いているみたいだよ」
「なんだってこんな時に一度に事が起こるんだ…… 」
 アーサーは額に手をやり唸るようにつぶやいた。
「仕方ない、俺が行ってくる。
 爺、ついてきてくれ」
 ライオネルが立ち上がった。
「待て、レオ。
 それはそもそも私が原因のようなものだ。私が行くのが妥当だろう? 」
「いいから、兄さんはついていてやれよ」
「それに、まだ決着がついていない今の段階だと、目を離すのは危険だと思う」
 ライオネルは何かを示唆するかのように、じっと一点を見つめる。
「姫君を今国に帰すのは危険だと思います。
 見張ってでもいなければ、自分で何とかしようと絶対帰るんじゃないでしょうか? 
 兄さんだってそれはわかっているのではありませんか? 」
 それに付けてシルフィードも言う。
 
 ……そうだった。
 セフィラはそういう娘だ。
 
 アーサーは息を吐く。
「では、ライオネル頼めるか? 」
「仰せのままに、王太子殿下」
 普段は使ったことのない堅苦しい挨拶の言葉を残すと、ライオネルは部屋の中に居た数人の男を伴って出て行った。
 
 
 窓の外で甲高い鳥の一声が響き渡る。
 
 その声を耳にアーサーは目を落としていた書類から顔を上げる。
 かすかに馬の嘶きが聞こえたような気がした。
 立ち上がるとそっと窓の近くに歩み寄り外の様子を探る。
 程なく、誰かがこちらに走ってくる慌ただしい足音が室内に響いた。
「殿下! 伝令でございます」
 ノックもそこそこに息を切らして入ってくるのはいつもの従者だ。
 視線を走らせると手にしている書状にはライオネルがいつも使う封蝋が施してある。
 アーサーは差し出された書状を逸る気持ちを抑えて開き目を通す。
 そしてふと笑みをこぼした。
「行くぞ、支度を…… 」
 従者に言いつけて室内を出る。
 ドアを潜るとセフィラが立っていた。
「わたしも行くわ。
 連れて行ってくれるでしょ? 」
「いや、駄目だ」
「でも、わたしの国と私自身の問題だもの、わたしに立ち会う権利はあるわよね」
 今にも泣き出しそうな瞳でアーサーを見つめている。
「……言っただろう。
 公国では、君達家族には何の落ち度もなくても、これまで流された噂によって君達をよく思っていない人間の数がかなりに上ると。
 それに現大公派の人間はやはり君たちが表に出ることを良くは思わない。
 今あの国に君が足を踏み入れるのは危険だと」
 アーサーは、つと近寄るとその小さな肩を抱きしめた。
「大丈夫だ、もうすぐ終わる。
 何も心配しないで待っておいで」
 艶を帯び始めた栗色の髪を撫でると囁いた。
 
 
 ……待っていろといわれても。
 供に護衛、複数の人間を伴って馬に乗り、城を出てゆくアーサーの後ろ姿を見送った後、セフィラは部屋に戻る。
 大急ぎで乗馬用ドレスを着込み、その上に旅行用のフードのついたマントを着込むと厩に急いだ。
「お嬢さん? その格好は? 」
 顔見知りになっている厩番が目を丸くした。
「お願い、馬に鞍をつけてもらえる? 」
「そりゃかまいませんけど? 
 どうしました? 殿下が何かお忘れ物でも? 」
「ええ、まぁ、そんなところ」
 セフィラは曖昧に答える。 
 厩番はセフィラがいつも乗る華麗な馬を引き出してくると、慣れた手つきで鞍を載せ準備を整えてくれた。
 
 ごめんなさい。もし何かあったときには、あなたにお咎めがないように殿下方にはきちんと説明するから。
 
 心の中で謝ると馬を駆る。
 行き先はわかっている、時間的にアーサーたち一行が国境を越える前には追いつけるはずだ。
 城下町を取り囲む城門を抜け、真っ直ぐに続く大きな街道を急がせた。
 しばらく駆けると旗を先頭に立てた一団が道の先に見えてくる。
 程なくセフィラの乗る馬は、一団の直ぐ近くまで来る。
 誰かが近づいてくるセフィラに気がついたのか、一行の馬は揃って歩みを止めた。
 
「セフィラ! 危険だから待っていろとあれほど言ったのに…… 
 君はもっと聞き分けがあると思ったんだけどな」
 アーサーが呆れた顔をする。
「わたしも言ったわ。
 これはわたしの家族の問題だって」
「……帰れと言っても、帰りそうにないな」
 真っ直ぐにアーサーの顔を見据えたセフィラの瞳を前に、アーサーはあからさまにため息をついた。
「ただし、私の傍を絶対に離れるんじゃないよ」
 ……本当は約束できることではなかったが、セフィラはアーサーのその言葉にとりあえず頷く。
「では、急ごう」
 アーサーの号令でセフィラを加えた一行は公国へ通じる街道を国境へと馬を進めた。
 
 
 
 十年ぶりに足を踏み入れたラシード公国の城は、何も変わってはいなかった。
 絨毯も壁の装飾も、要所要所に飾られた異国の壷や彫像も、何もかもあの頃のままだ。
 ただひとつ、中央階段の正面に飾られた先々代大公の肖像画が、叔父のものに差し替わっている以外は。
 セフィラは吹き抜けになったサルーンで足を止め、息をつく。
 ギャラリーへ足を踏み入れれば、その奥の扉から父がいつものように優しい笑顔を浮かべて姿を現すのではないかとさえ思えてくる。

「どうした? 」
 突然足を止めてしまったセフィラをアーサーが振り返る。

「いえ、なんでも…… 」
 セフィラは足を急がせアーサーに歩み寄った。

 一行の到着するのを待っていたのだろう。
 何処からか現れたこの国の貴族らしい男たちが集まり、一行を取り巻いた。
 中にはセフィラの知っている顔もある。
「姫君、お久しゅうございます」
 目が合うと、男は神妙な顔つきでセフィラに軽く頭を下げた。
 父である前大公を看取った医師や、その後の葬儀を取り仕切った神官の顔もある。
 セフィラはそれらの男に言葉なく軽く頷いて返した。

「殿下、こちらでございます」
 いつも渡り廊下の護衛に当たっていた見知った男が、城の片隅の一室へとアーサーを案内する。
「お言いつけの通り、戦勝国のこちらの権利として大公は軟禁してあります」
 男は歩きながら簡単に説明する。
 集まってきた人々もその後に続く。
「様子は? 」
 案内してきた男とは別の、しかし揃いの軍服を着た部屋の入り口に立つ男にアーサーは声を掛けた。
「昨日まではこれでもかというほど罵詈雑言を叫んでいましたが、今日はおとなしいものです」
「そうか…… 」
 言ってドアを開ける。
 
 開け放たれたドアの向こう、華麗な部屋は異常なほどに散らかっていた。
 そしてその中央に置かれたソファに、セフィラの記憶上かつてない程着飾り太った、その上憔悴しきった叔父の姿があった。
「余、余は何もしていないぞ! 」
 集まった人々を前に大公はおびえた瞳でこちらを見据えて繰り返す。
「後継者のない兄が死んだから、余が正当な後継者として大公位を継いだだけだ。
 何処に問題がある? 」
「その前大公と後継者の死因についてなんだがね」
 ゆっくりとアーサーが口を開く。
「ここに、このような報告書が来ているんだが…… 」
 アーサーは持ってきた書状を男の前に示す。
「そんなのはただのでっち上げではないのか? 
 何処にその証拠がある」
 男は鼻を鳴らした。
「公の悪事を見てきた人間も沢山用意したんだが」
 振り返って引き連れてきた男たちを振り返り視線で示す。
「そ、そんな筈は…… 」
 大公の顔色が明らかに変わる。
「確かに、公はうまくやったようだな。
 一人ひとりに事情を聞いても公の犯行には辿り着けなかったよ。
 だが…… 」
 アーサーは鋭い視線で男を睨み付けた。
「正直苦労したよ。
 公があらぬ罪を着せてあちこちの国外へ追放した証人を集めるのにはな」
 セフィラは息を呑む。
 そういえば、神官も医師も父の左腕であった男爵もセフィラ一家が国境に追われた直後次々と国外へ移住したと聞いていた。
「そして、この女だ…… 」
 いつの間に連れてきていたのか、メイドのエスターが後手に縛られ引き出される。
「あたしは、何にも知らないよ! 」
 大公の顔を前に明らかにおびえた顔を隠そうともせずに、女は何を問われる前に叫ぶ。
 それこそ、この男が前大公の死因にかかわっているといっているようなものだ。
「あたしは、何も知らない。
 こんな男は見たこともないし、薬も渡しちゃいない! 」
 その場にいた全員の視線が男に向く。
 
「……確かに、エリック大公の臨終を看取ったのは私です」
 医師がゆっくりと口を開く。
「はい、病なのか毒物なのか全く原因がつかめず、どんな治療も無駄でした。
 そのうちにエリック大公の身体は妙なまだらの痣で覆われ…… 」
 医師は言いながら時折、気遣わしげな視線をセフィラに送る。
「平気よ、続けて」
 セフィラは頷いた。
「息を引き取った時には全身が見るも無残な状態でした。
 不思議なことに、私が看取った末の公子も同じ症状で…… 
 それは埋葬の時に神官様も見ているはずなのですが」
 医師の言葉に年老いた神官が頷く。
「親子でしたからてっきり遺伝的な何かの病かと、その時には思ったのです」
「わしもです」
 医師の言葉を受け、齢を取った記憶にない老人が前に進み出るという。
「わしが看取ったエリック大公の最初と二番目のお子様も、全く同じ症状でした」
「それは、もしかしてこの痣ですか? 」
 セフィラは右袖を捲り上げると、医師の前に肘から腕に広がった赤黒い痣を示す。
「確かに、これと同じものですが…… 」
 医師は眉根を寄せた。
「これで確実だな。
 この痣はセフィラが先日、その女に毒を盛られた時に浮かび上がったもの。
 私とわが国の医師が証明できる」
 アーサーが言う。
「く…… 」
 大公は奥歯をかみ締め、アーサーをにらみつけた。
 
 
 
 中庭に出るとセフィラは息をつく。
 事後処理があるからというアーサーを残し、数人の護衛に付き添われて公国を出て数日。
 未だ現大公派の人間も少なくない国にこのままいるのは危険だと言い含められ、仕方なく避難した。
 何の報告もない。
 城の空気がいつもと何も変わっていないことで、事態が悪い方向に傾いていないことを察しセフィラはかろうじて平静を保っていた。
「何も心配しないで待っておいで」
 最後に囁かれたアーサーの声だけが今も耳に残る。
「すぐ終わるって言ったのに…… 」
 吹き渡る風にセフィラは呟いた。
 待っていろなんて、無理難題押し付けて。
 顔を見たら、恨み言の一つも言ってしまいそうだ。

 早くあの笑顔を見せて欲しい。
 もう一度名前を呼んで欲しい。

 他愛もないことを強く思ってしまう。
 
 そんなことを思いながらぼんやりと植え込みの中を歩いていると、咲き誇る薔薇の芳香を伴った一陣の風が吹きセフィラのドレスの裾を巻き上げる。
 思わずそれを抑えようと前屈みにドレスのスカートに手を伸ばすと、突然背後から誰かに抱きしめられた。
「あ…… 」
 肩から胸に廻る腕のぬくもりにセフィラは目を見開いた。
「良かった」
 耳元で甘く響く声。
「あまり長いこと待たせてしまって、逃げられたんじゃないかと思ってた」
 抱きしめられたまま顔だけ動かし男の顔を見上げると、あの時と同じようにこれ以上ないほどの優しい笑顔を向けられる。
「約束どおり終わったよ。
 ゼルフ大公には大公位を退いてもらった。
 君の姉さんの婚約破棄も白紙に戻った。
 今後のラシード公国は大公位継承者のその婚約者の手にゆだねられる。
 母君も宮廷に帰れるよ」
 かいつまんでだが男はセフィラの耳元でセフィラの欲しい言葉をくれる。
「お帰りなさい。
 そしてありがとう…… 」
 セフィラの言葉を遮るように男の顔が寄せられ唇が重なる。
 次第に深くなる口付けに、セフィラは知らずに応えていった。

FIN



ありがとうございました。

◆◇◆ 言い訳というか…… ◆◇◆

 このお話は、完全雰囲気重視のため、故意に「名前、生活習慣、建築物等」の、「国、時代」ごちゃまぜで書いています。 
 要は華やかにみえればいいということで。
 予定としては7話になるので、そうでもしないとネタ切れに…… 
 チェスは統一ルールのできる前、と言う時代の下る設定になりました、ご理解をお願いいたします。
 
 二話目読了ありがとうございました。

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