115 / 131
光の湖畔編
第112話 馬の蹄の下には見つからない(クレール視点)
しおりを挟む
「話は変わるが、エタン。まさかコニーが馬に乗れるなんて思わなかったな……」
蛍様から当時、日本では馬に乗って移動することはない、と教えてもらっていた。
フランセ州は、六代目おヌル様所縁の地だ。
ガスパール様はフランス人で、酪農家だった。
牛の出産時、胎盤のヌルヌルでこっちに来たと記されている。
この世界この地方の、酪農の発展と乳製品の充実っぷりは、ひとえにガスパール様のおかげだ。
そして馬についても素晴らしい知識をお持ちで、リンゼル島の移動手段を担う馬の生産育成にも、大いに貢献してくださった。
フランセ州では酪農に並び、馬の牧場が盛んなので、僕は今の地球ではどうなのか気になって、蛍様に質問したからよく覚えている。
日本では馬に乗る、乗れる人といえば。
賭け目的の競馬の騎手。
スポーツとして趣味で乗る人。
観光地で娯楽として乗る。
そういうのを支えるために従事する人。
それぐらいだ、と教えてくれた。
馬は飼育にお金がかかるから、お金持ちの趣味なイメージだ、とも聞いた。
「高等部の部活動って言ってたな。しかも田舎じゃなくて都会の……」
「向こうは街中で馬に乗る免許も要らねえから、確か車の教習所しかないんだろ?」
「ああ、おそらくスポーツとしての趣味だろうな」
さっきの考察どおり、わりと裕福な工場主のお嬢さんなんだろう。
「エタン。僕はこれから、羽馬牧場の親方に、伝説の暗号を送ってみようと思う。
三百年越しの、初めての実用だ」
「なんだそりゃ?! 俺も聞いたことがねえぞ」
「当たり前だろ? 森の番人と王様、現場の東西南北支局長、博士号を持つアルコンスィエル。そんで、羽馬牧場の親方にのみ伝わる暗号だからね」
「いいのかよ、俺なんかに言っちまって」
「んーどうなんだろうな? まあ別にいいと思う。だってオマエ毎日見てるからな、それ。
僕の二階と支局長室に羽馬の絵が飾ってるだろ。そこに書いてあるフランス語のことだから」
【Cela ne se trouve pas sous les sabots d'un cheval. 】
【seulement sous l'arc-en-ciel】
「馬の足元のフランス語は、『それは馬の蹄の下には見つからない』って書かれている。
『そう簡単には見つからない』って意味のフランスのことわざだ。
そして虹のほうには
『虹の下だけ』って書いてある。
『そう簡単に見つからない』つまり、百年に一度のおヌル様をさしていて。
おヌルさまは蹄の下じゃなくて、虹の下で見つかることを組み合わせて。
これは、「おヌルさまが見つかった。おヌル様は馬に乗ることを希望している。協力せよ」って、羽馬牧場への要請暗号なんだ」
エタンが、マジか……あれがそんな意味のある絵だったとは、とかぶつぶつ呟いた。
これはガスパール様が、自分以降やってくるおヌル様仲間に贈る心遣いだ。
だがそれも、羽馬に乗れるほどの乗馬技術をもっている人物でなくては意味がない。
結局、続く三代のおヌル様方には、馬に乗れる乗りたがる人物が現れなかった。
「さらに、な。森の番人、アルコンスィエルを名乗れる人間だけが書くことを許される暗号が存在する。
『虹の下』の前に入れるフランス語の単語だ。
『Voler』
これをseulementっていう『~だけ』っていう意味の単語と入れ替えると。
Voler sous l'arc-en-ciel
『飛べ』虹の下、となる。
つまり、虹の下、おヌル様のもとへ今すぐに飛んでこい。
普通の暗号よりもっと強い意味で、いわば強制召喚、絶対命令だ」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
Cela ne se trouve pas sous les sabots d'un cheval.
Voler sous l'arc-en-ciel!
極秘事項・羽馬湖虹渡り門・明日火曜・13時
初等部用の装備(150センチ程度)一式持ってこられたし。
二名が護衛で就く為、可能であればさらにもう二頭「有償借用」希望。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
そう、おヌル様へは献上だが、僕らの分はお金を払って借りるだけだと明確にしてやるのが親切だろう。
「すまん。クレール……明日、俺はダメかもしれん」
真剣な面持ちでエタンが、ぼそり口を開く。
「今まで隠していたが、俺……実はな。あまりにも高過ぎる場所は……かなり苦手なんだ」
は? 正に初耳だ。
羽馬渓谷の育成拠点へ、僕と一緒に行って馬に乗ったことだって、一度や二度じゃない。
「そういや羽馬に乗っても、一緒に空を飛行してるエタンの姿を覚えてないような……」
「……ガキの頃、お前と乗る前に受けた落馬に備える訓練でよ。落下安全服着て、高いとこから飛び降りて受身取るやつ。
もうあれで、ちびり死ぬかと思ったぜ。
午後からのパラシュート訓練まで、俺行きつかなかったの覚えてるか?」
「確か昼食後、腹が痛いって……」
「ああ。仮病じゃなく、ガチモンで痛くなった。おそらく精神的なもんだろう」
「お前運動に関しちゃ苦手なもんなど無いように思ってたが……知らなかった。
そうか、分かった。それも向こうで考えよう」
「ああ。大人になった今は、二階の滑り棒程度ならなんともねえし。ちっとはマシになってっかもしれねえからな……」
不意に子供の頃の、夏休みの記憶と結びついく。
互いの田舎に滞在して毎日駆け回って遊ぶ中、崖から海に飛び込む遊びも、小さな滝壺に滑り落ちる競争も。
「鼻に水が入って痛くなるから嫌いだ」ってエタン避けてたな。
なるほど、そういうことだったのか。
フランス語を記した例の手紙を封筒にしまい、至急並びに極秘を表す赤い蝋を垂らし、僕の印を押す。
今どき蝋封などそうそう見かけないから、受け取った親方はかなり驚くだろうな。
まあ、とうに引退した前親方。
過去に森の番人を務めたこともあるギャロ爺さんが、まだかくしゃくとして向こうについてるんだ。
よもや暗号の意味を忘れてはいないだろう。
そして、おそらく。
『Voler』の単語を見たあの爺さんが、興奮してすっ飛んで来ること間違いなし。
魔道具郵便箱から羽馬渓谷へ手紙を送る。
その直後、箱の回路が赤く光り、郵便物が何か届いた。
箱を開けるとエレオノーラからの、規定ギリギリの分厚い封筒だった。
それを開けるエタンを居間に残し、洗面所にて寝支度を整えて戻ると。
もう牧場からの返事が届いていた。
******(クレール視点・終)
【羽馬渓谷編】
【第113話 コニー朝だよ(第三者視点のちコニー視点)】
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣
新しい章に入ります。
その前に、人物紹介や用語集を公開します。
. . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜ . . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜
「カドカワBOOKSファンタジー長編コンテスト」の中間選考に残ることができました。
アルファポリス先行公開にて。
ひとえにここまでお付き合いくださった、読者様のおかげです。書き続ける励みになっております。
本当にありがとうございます。
蛍様から当時、日本では馬に乗って移動することはない、と教えてもらっていた。
フランセ州は、六代目おヌル様所縁の地だ。
ガスパール様はフランス人で、酪農家だった。
牛の出産時、胎盤のヌルヌルでこっちに来たと記されている。
この世界この地方の、酪農の発展と乳製品の充実っぷりは、ひとえにガスパール様のおかげだ。
そして馬についても素晴らしい知識をお持ちで、リンゼル島の移動手段を担う馬の生産育成にも、大いに貢献してくださった。
フランセ州では酪農に並び、馬の牧場が盛んなので、僕は今の地球ではどうなのか気になって、蛍様に質問したからよく覚えている。
日本では馬に乗る、乗れる人といえば。
賭け目的の競馬の騎手。
スポーツとして趣味で乗る人。
観光地で娯楽として乗る。
そういうのを支えるために従事する人。
それぐらいだ、と教えてくれた。
馬は飼育にお金がかかるから、お金持ちの趣味なイメージだ、とも聞いた。
「高等部の部活動って言ってたな。しかも田舎じゃなくて都会の……」
「向こうは街中で馬に乗る免許も要らねえから、確か車の教習所しかないんだろ?」
「ああ、おそらくスポーツとしての趣味だろうな」
さっきの考察どおり、わりと裕福な工場主のお嬢さんなんだろう。
「エタン。僕はこれから、羽馬牧場の親方に、伝説の暗号を送ってみようと思う。
三百年越しの、初めての実用だ」
「なんだそりゃ?! 俺も聞いたことがねえぞ」
「当たり前だろ? 森の番人と王様、現場の東西南北支局長、博士号を持つアルコンスィエル。そんで、羽馬牧場の親方にのみ伝わる暗号だからね」
「いいのかよ、俺なんかに言っちまって」
「んーどうなんだろうな? まあ別にいいと思う。だってオマエ毎日見てるからな、それ。
僕の二階と支局長室に羽馬の絵が飾ってるだろ。そこに書いてあるフランス語のことだから」
【Cela ne se trouve pas sous les sabots d'un cheval. 】
【seulement sous l'arc-en-ciel】
「馬の足元のフランス語は、『それは馬の蹄の下には見つからない』って書かれている。
『そう簡単には見つからない』って意味のフランスのことわざだ。
そして虹のほうには
『虹の下だけ』って書いてある。
『そう簡単に見つからない』つまり、百年に一度のおヌル様をさしていて。
おヌルさまは蹄の下じゃなくて、虹の下で見つかることを組み合わせて。
これは、「おヌルさまが見つかった。おヌル様は馬に乗ることを希望している。協力せよ」って、羽馬牧場への要請暗号なんだ」
エタンが、マジか……あれがそんな意味のある絵だったとは、とかぶつぶつ呟いた。
これはガスパール様が、自分以降やってくるおヌル様仲間に贈る心遣いだ。
だがそれも、羽馬に乗れるほどの乗馬技術をもっている人物でなくては意味がない。
結局、続く三代のおヌル様方には、馬に乗れる乗りたがる人物が現れなかった。
「さらに、な。森の番人、アルコンスィエルを名乗れる人間だけが書くことを許される暗号が存在する。
『虹の下』の前に入れるフランス語の単語だ。
『Voler』
これをseulementっていう『~だけ』っていう意味の単語と入れ替えると。
Voler sous l'arc-en-ciel
『飛べ』虹の下、となる。
つまり、虹の下、おヌル様のもとへ今すぐに飛んでこい。
普通の暗号よりもっと強い意味で、いわば強制召喚、絶対命令だ」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
Cela ne se trouve pas sous les sabots d'un cheval.
Voler sous l'arc-en-ciel!
極秘事項・羽馬湖虹渡り門・明日火曜・13時
初等部用の装備(150センチ程度)一式持ってこられたし。
二名が護衛で就く為、可能であればさらにもう二頭「有償借用」希望。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
そう、おヌル様へは献上だが、僕らの分はお金を払って借りるだけだと明確にしてやるのが親切だろう。
「すまん。クレール……明日、俺はダメかもしれん」
真剣な面持ちでエタンが、ぼそり口を開く。
「今まで隠していたが、俺……実はな。あまりにも高過ぎる場所は……かなり苦手なんだ」
は? 正に初耳だ。
羽馬渓谷の育成拠点へ、僕と一緒に行って馬に乗ったことだって、一度や二度じゃない。
「そういや羽馬に乗っても、一緒に空を飛行してるエタンの姿を覚えてないような……」
「……ガキの頃、お前と乗る前に受けた落馬に備える訓練でよ。落下安全服着て、高いとこから飛び降りて受身取るやつ。
もうあれで、ちびり死ぬかと思ったぜ。
午後からのパラシュート訓練まで、俺行きつかなかったの覚えてるか?」
「確か昼食後、腹が痛いって……」
「ああ。仮病じゃなく、ガチモンで痛くなった。おそらく精神的なもんだろう」
「お前運動に関しちゃ苦手なもんなど無いように思ってたが……知らなかった。
そうか、分かった。それも向こうで考えよう」
「ああ。大人になった今は、二階の滑り棒程度ならなんともねえし。ちっとはマシになってっかもしれねえからな……」
不意に子供の頃の、夏休みの記憶と結びついく。
互いの田舎に滞在して毎日駆け回って遊ぶ中、崖から海に飛び込む遊びも、小さな滝壺に滑り落ちる競争も。
「鼻に水が入って痛くなるから嫌いだ」ってエタン避けてたな。
なるほど、そういうことだったのか。
フランス語を記した例の手紙を封筒にしまい、至急並びに極秘を表す赤い蝋を垂らし、僕の印を押す。
今どき蝋封などそうそう見かけないから、受け取った親方はかなり驚くだろうな。
まあ、とうに引退した前親方。
過去に森の番人を務めたこともあるギャロ爺さんが、まだかくしゃくとして向こうについてるんだ。
よもや暗号の意味を忘れてはいないだろう。
そして、おそらく。
『Voler』の単語を見たあの爺さんが、興奮してすっ飛んで来ること間違いなし。
魔道具郵便箱から羽馬渓谷へ手紙を送る。
その直後、箱の回路が赤く光り、郵便物が何か届いた。
箱を開けるとエレオノーラからの、規定ギリギリの分厚い封筒だった。
それを開けるエタンを居間に残し、洗面所にて寝支度を整えて戻ると。
もう牧場からの返事が届いていた。
******(クレール視点・終)
【羽馬渓谷編】
【第113話 コニー朝だよ(第三者視点のちコニー視点)】
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣
新しい章に入ります。
その前に、人物紹介や用語集を公開します。
. . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜ . . 𖥧 𖥧 𖧧 ˒˒. . 𖡼.𖤣𖥧 ⠜
「カドカワBOOKSファンタジー長編コンテスト」の中間選考に残ることができました。
アルファポリス先行公開にて。
ひとえにここまでお付き合いくださった、読者様のおかげです。書き続ける励みになっております。
本当にありがとうございます。
17
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる