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光の湖畔編

第102話 新魔石にチャレンジ

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「わあ~、エタンたちが光の湖で作ってるのがこれなのかぁ」
 真珠のような白蝶貝の螺鈿のような。
 とろんとした、乳白色ベース。
 白いけど、いろんな色味と光沢を持った、美しい棒魔石を手に取って眺める。

「ふう~ん。砕いた魔石のカケラをカプセルに一粒入れて、湖に一年沈めておくと、色とりどりのカケラでもみーんなこの色に育つなんて不思議ねえ」

「ああ。人間が手のひらから生み出す魔石。
ここから魔素を取り出せても、再度その石へ魔素を満たすことはできない。
だが、光の湖が育んでくれた魔石なら。
繰り返し魔素の出し入れが可能だ。
その性質を利用して、使い勝手がいいよう同じ形のこの棒状を規格とし、大きさを統一されてる。
人智を超えた、非常にありがたい神秘の賜物ってわけだ。棒魔石は」

 使いきると透明になって、人間が身につけると身体に溜まった魔素を吸着してくれる。
 本当に便利でありがたい、神秘のエコ・エネルギー、まさに充電式乾電池

 あ、そうだ!
 今夜の魔石生みでやってみたいこと閃いちゃった。
 魔素を出し入れできる棒魔石を、もしかしてダイレクトに作れないかしら?

 湖に沈める空っぽのカプセルが、クレールんにあったら、ちょっと借りて試してみたい。


 最初に私が作ることができたのが、マーブル模様の七色ビー玉魔石でしょう。
 そんで既存の透明棒魔石への吸着は、縦縞ストライプな虹模様。

 これから今日チャレンジしてみたいのは、カプセル入り規格サイズ。
 模様はとりあえず三通り試してみたい。

 まずは私の髪の毛そっくりなやつ。
 同じ乳白色の|括(くく》りでも、光の湖産より、もっと派手というか、キラキラ艶っとカラフルなホワイトオパールみたいなタイプ。

 次は光の湖そっくりな、透け感のあるウォーターオパールみたいなタイプも作ってみたい。
 でももしかしてこれは、第一狙いのホワイトオパールのやつをもとにして。
 クレールにもらった時計みたいに、魔石から魔素を抜いて透明感を出す方法で、アプローチしてみるのもありかも。

 ラストは、七色カラーの応用編。
 カクテルのプースカフェみたいな横縞虹模様。
 お洒落じゃない例えなら、だるま落とし的配色ね。

 どうかなあ、できるかな。
 
 で、試した結果。
 オパール系二種はうんともすんとも言わず、無理だったんだけど。

 今。
 プースカフェバージョン、手から湧いてるとこおおおお~!!

 両手に一個づつカプセル握って、成功したらまた空の握って……の空想予定を覆し。
 ぱっと見、同じサイズの棒魔石が。
 もらもら後から後から生まれてきてます!!

 カゴにタオル敷いてスタンバイしててよかった~。

 クレールを ふりさけ見れば エタンセル
お手手の山に いでし 石かも~

 クレールもエタンもお口あんぐりね。
 あれ? 視線が……
 魔石より私に驚いてる?
 
 もしかして。
 長い髪を手に取って見ると、やっぱり髪色が黒茶に戻ってる。

「じゃあ、瞳の色も戻ってるかな?」
 二人に確認したらそうだった。
 まあね、多分そうと思ったし。

 そんで、レシピを思い浮かべてもナッシング。
 うん、これも想定内。

 棒魔石のサイズ確認を二人にお願いしてる間に。
 昨日と同じビー玉魔石が今から生めるかどうか……

 もらもらもらもらころころころ
 
 よっしゃ!さらに追加で昨日とおんなじぐらい作れたぞ。

 うーむ、なるほど。




「これまたすごいな……マジか」
「ああ、壮観だね、一日でこの量とは」

 棒状魔石は片手五本づつ計十本。
 ちゃんとカプセルの中のと、次々湧いて出来たものは、全部全く同じ大きさだった。
 続いて作ったビー玉魔石は昨日と同じ33個。

「多分ね、あの瞳と髪色の時は魔素が究極に満タン状態で、いろいろ出来ちゃうんだと思うの。
今はね、もうルセットが頭に思い浮かばないよ。
でも、手を浸せばまたあの状況になれるって結構確信してるから、悲観はしていない。
そうだ。クレール専用のバリアちょい貸して」

 あ、これは元の色に戻ってもまだ作動する。

「コニー。状況をゆっくり一緒に整理しようか。ノートに書き出すかい?」
 
「うん! クレールありがとう!」


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

☆  湖に手を浸す (謎の生物の関与でも出来る?)

キラキラの群青色の瞳、キラキラのオパール髪に変身・持続

【魔素・特別満タン状態?】

『棒状の魔石が作れる(十本)』

『ルセットが思い出せる』

痛み無し。
今のところ健康異常無し(過剰魔素症状無し)

魔石生みすると→元に戻る(黒茶の瞳と髪)


☆  いつもの見た目

【魔素・通常時】
『ビー玉のような七色魔石が33個作れる』

【ビー玉魔石排出後】
魔素の体内量に関係なく、多分いつも下記が可能

『食べ物を口に含み集中→記憶の味に書き換えて再現できる』

・舌がキラキラになる。(ほっとくとそのまま)
・一瞬だけキラキラの群青色の瞳になるが勝手にすぐ戻る。
・そのキラ舌のまま、手に持った物の味変えれる
・違うものを口にしたら、キラ舌戻る。リセット。

『どの魔道具も共通に対応し使える』


【宿題】
①キラ舌、いろいろ、いっぱい試してみる。

②生み出した棒型のプースカフェ魔石の性能を調べる。
 棒魔石同様に繰り返し使えのるか、単なる棒型の魔石か。
(ただの魔石なら、特殊な回路以外では魔力が抜けない、使えない構造)
 
(仮)③棒魔石と同じように使えた場所
  通常の光の湖産と、長持ち度の違いはあるか。

④光の湖のぷるぷる生物の謎に迫る。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼





【次回予告 第103話 魔◯少女】



  




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