70 / 125
光の湖畔編
第69話 帽子選び
しおりを挟む
箱の中身を覗くと。
どれもこれも趣味がマチマチで、とんでもなく個性的だった……
「コニー! 先に聞いて! 言わせて!
これ姉からの基本ウケ狙いお土産たちだから。僕の趣味じゃないから」
はは、クレール必死。
うんうんと私はうなづく。
「1つぐらいは良いもんあんじゃね、と思ってたが。久々見てもロクなのやっぱねえな」
エタンが床から、1つづつ机に並べ始めた。
1番の場所取りはメキシコのソンブレロみたいなやつ。
エタンに被せる。
笑ってやろうと思ったのになんだか似合う。
しかもカッコいい?!
漫画の魔女の被るような濃い紫ビロードの三角帽子。
ぶかぶかだけど私が被る
どデカいトリコロールのふんわりリボンのついた象牙色の帽子。
あ! 子供の頃アニメで見た少女王子様が被ってたやつみたい。
クレールに被せる。
さすがあだ名が王子様、よく似合ってる。
「なんか楽しいね~!! これ被って散歩する気にはなんないけど。エタン、次出して~」
ロシアの帽子2種。
耳付きと耳無し。
この季節これは暑いだろう。
あれ? でもこの黒い耳なしふわふわはまるで……。
クレールの帽子を取り替えて被せる。
腰まである明るい髪色が、あんなに長くはないけど、いい感じにあの宇宙を旅する美女めいてて。
「クレールは美人さん系だから、黒い装いもシック(フランス語で。上品)で素敵! あんず色の長い髪にもとても似合ってる。冬被りなよ」
次は、ちょっと光沢のあるお高そうな生地で銀鼠の中折れ帽。
「エタンはこっち。おお! こういうダンディなのも似合うね! まさにイタリアの伊達男だ。カッコいい」
モテ男たちだから、外見のことなど褒められ慣れててどうってことないだろう、と思ってたけど。
照れた感じで嬉しそうにしていた。
お! カンカン帽発見。
これ好き。
ピンクのサテンリボンに黒い水玉もよう、可愛い。
あ!! よく見たら肉球&隠れ黒猫。
「クレール、これ。私に貸してくれたやつとお揃いだね!」
「ああ、ほんとだね」
「黒猫は私も大好きなんだ! 『クロエ』って名前の黒猫を小さな頃から飼っていたから。
黒猫は私にとって物凄い特別!!」
サテンリボンだと思ってたのは、よくみたら、あのピタッとしたスパッツの光沢ある生地だった。
お揃いの帽子を持っているぐらい、お気に入りのブランドなんだね、クレール……。
でも私がパンツ代わりに素肌に履いたやつは、クレールに身につけて欲しくない。
1回履いちゃったから、もうあれは私のおパンツよ、返したくないわ。
そう思うと、さっきネットに入れないでお洗濯にエタンに渡したのが急に恥ずかしくなる。
「クレールも気に入ってると思うけど、下着として1回使っちゃったし、あの服、私が貰っちゃってもいいかな? ごめんね……クレール。大好きな猫ちゃんと苺を横取りして」
「なっ?! あれも姉上のオモシロお土産だから!! 捨てられずに箪笥の肥やしにしてただけだって!
コニー、嫌でなかったらそのまま着てやって。
本来は水着の下に着る男性ものだっていう姉の話だけど、信じらんないよ。
コニーに着てもらって服も本望だよ」
あ、そうなの?
「そ、それに、下着として着用したものを、返してなんて、そ、そんなこと……」
真っ赤になって、言い募った末、下を向いて小声になっていくクレール。
「そ、そっか! それならありがたく。このままちょうだいするね!」
なーんだ、クレールの趣味ではなかったんだ。
じゃあきっと、パンツは普通のを履いているんだね。
はて? この世界のメンズ下着の普通ってなんだろうか?
『普通って一体なんだろう?』こんな哲学風な問いかけ。
この世界で一番初めに男性パンツに使うなんて。
アホ過ぎる、無し無し。
魔女の三角帽子とカンカン帽を私は取り替えて被った。
「どう? 似合ってるかな?」
パシャリ。
すかさずクレールに写真を撮られた。
「ほら。見て。似合ってる。可愛いよコニー」
「あ、ありがとう……クレール。
でも写真はエネルギーを食うって。貴重なんじゃないの?」
「まあね。でも多めにアクセサリーつければ大丈夫な筈だから。散歩も行くし」
「昨日コニーの料理を写真取りもせずに、ガツガツ食っちまったのがマジで悔やまれるぜ!」
「全くだ。食べ物の写真を撮るなんて発想ないから、全く盲点だった。ほんと悔しいよ」
2人の会話に急についていけなくなった……
「待って、待って。写真の魔力の話からアクセサリーって何? なんの関係があるのが?」
どれもこれも趣味がマチマチで、とんでもなく個性的だった……
「コニー! 先に聞いて! 言わせて!
これ姉からの基本ウケ狙いお土産たちだから。僕の趣味じゃないから」
はは、クレール必死。
うんうんと私はうなづく。
「1つぐらいは良いもんあんじゃね、と思ってたが。久々見てもロクなのやっぱねえな」
エタンが床から、1つづつ机に並べ始めた。
1番の場所取りはメキシコのソンブレロみたいなやつ。
エタンに被せる。
笑ってやろうと思ったのになんだか似合う。
しかもカッコいい?!
漫画の魔女の被るような濃い紫ビロードの三角帽子。
ぶかぶかだけど私が被る
どデカいトリコロールのふんわりリボンのついた象牙色の帽子。
あ! 子供の頃アニメで見た少女王子様が被ってたやつみたい。
クレールに被せる。
さすがあだ名が王子様、よく似合ってる。
「なんか楽しいね~!! これ被って散歩する気にはなんないけど。エタン、次出して~」
ロシアの帽子2種。
耳付きと耳無し。
この季節これは暑いだろう。
あれ? でもこの黒い耳なしふわふわはまるで……。
クレールの帽子を取り替えて被せる。
腰まである明るい髪色が、あんなに長くはないけど、いい感じにあの宇宙を旅する美女めいてて。
「クレールは美人さん系だから、黒い装いもシック(フランス語で。上品)で素敵! あんず色の長い髪にもとても似合ってる。冬被りなよ」
次は、ちょっと光沢のあるお高そうな生地で銀鼠の中折れ帽。
「エタンはこっち。おお! こういうダンディなのも似合うね! まさにイタリアの伊達男だ。カッコいい」
モテ男たちだから、外見のことなど褒められ慣れててどうってことないだろう、と思ってたけど。
照れた感じで嬉しそうにしていた。
お! カンカン帽発見。
これ好き。
ピンクのサテンリボンに黒い水玉もよう、可愛い。
あ!! よく見たら肉球&隠れ黒猫。
「クレール、これ。私に貸してくれたやつとお揃いだね!」
「ああ、ほんとだね」
「黒猫は私も大好きなんだ! 『クロエ』って名前の黒猫を小さな頃から飼っていたから。
黒猫は私にとって物凄い特別!!」
サテンリボンだと思ってたのは、よくみたら、あのピタッとしたスパッツの光沢ある生地だった。
お揃いの帽子を持っているぐらい、お気に入りのブランドなんだね、クレール……。
でも私がパンツ代わりに素肌に履いたやつは、クレールに身につけて欲しくない。
1回履いちゃったから、もうあれは私のおパンツよ、返したくないわ。
そう思うと、さっきネットに入れないでお洗濯にエタンに渡したのが急に恥ずかしくなる。
「クレールも気に入ってると思うけど、下着として1回使っちゃったし、あの服、私が貰っちゃってもいいかな? ごめんね……クレール。大好きな猫ちゃんと苺を横取りして」
「なっ?! あれも姉上のオモシロお土産だから!! 捨てられずに箪笥の肥やしにしてただけだって!
コニー、嫌でなかったらそのまま着てやって。
本来は水着の下に着る男性ものだっていう姉の話だけど、信じらんないよ。
コニーに着てもらって服も本望だよ」
あ、そうなの?
「そ、それに、下着として着用したものを、返してなんて、そ、そんなこと……」
真っ赤になって、言い募った末、下を向いて小声になっていくクレール。
「そ、そっか! それならありがたく。このままちょうだいするね!」
なーんだ、クレールの趣味ではなかったんだ。
じゃあきっと、パンツは普通のを履いているんだね。
はて? この世界のメンズ下着の普通ってなんだろうか?
『普通って一体なんだろう?』こんな哲学風な問いかけ。
この世界で一番初めに男性パンツに使うなんて。
アホ過ぎる、無し無し。
魔女の三角帽子とカンカン帽を私は取り替えて被った。
「どう? 似合ってるかな?」
パシャリ。
すかさずクレールに写真を撮られた。
「ほら。見て。似合ってる。可愛いよコニー」
「あ、ありがとう……クレール。
でも写真はエネルギーを食うって。貴重なんじゃないの?」
「まあね。でも多めにアクセサリーつければ大丈夫な筈だから。散歩も行くし」
「昨日コニーの料理を写真取りもせずに、ガツガツ食っちまったのがマジで悔やまれるぜ!」
「全くだ。食べ物の写真を撮るなんて発想ないから、全く盲点だった。ほんと悔しいよ」
2人の会話に急についていけなくなった……
「待って、待って。写真の魔力の話からアクセサリーって何? なんの関係があるのが?」
1
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
Sランク冒険者の受付嬢
おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。
だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。
そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。
「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」
その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。
これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。
※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。
※前のやつの改訂版です
※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる