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【第七章】本性
【第十六話】緊急会議⑤
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「三谷君……。君から正確な話を聞かせてもらえないかな?君は先ほど、『男女の仲ではありませんが』と言わなかったかね?」
「い、いやこれはですね……」
「あと、私に覚えはないのだが、いつから婚約なんてしてたのかな?」
「そ、それは言葉の綾というか冗談というか……」
「まぁ、認めるが」
「認めちゃダメでしょ」
恭司はユウカに話をさせてしまったことを後悔しながら、何とかアベルトに説明する。
アベルトは不承不承といった感じだが、とりあえず仲がいいということは伝わったらしい。
しかし、
「……確かに君の機転のおかげで、君の正体がバレることは避けられたのだろう。それは認めよう。そのためにユウカの協力が必要であり、婚約者というフェイクで誤魔化せたという点も分かった」
「…………」
「だが、所詮それはフェイクだ。いずれバレるし、事は収拾しない。どうするつもりかね?」
恭司はそこで少し黙ってしまった。
考えならある。
すぐにでも実行に移そうと思っている。
だが、
それをユウカの前で言うには憚られた。
恭司は、人の心情を"言葉でしか理解出来なかった”のだ。
「それについては、一度2人の時に話せればと思います。今後の方針も含め、一度打ち合わせのお時間を頂戴したく思います」
「ダメだ。言っただろう?君たちの関係が向上したことについては歓迎すべきことだが、やはり指示にはユウカを間に挟ませてもらう」
「…………何故です?アナタの仰っていた内容からすれば、これで解決したはずではなかったのですか?」
「まだ色々と懸念材料が残っているということさ。申し訳ないね。何度話されても、この結論は変わらないよ」
「………………」
アベルトの意思は思った以上に固かった。
コレはアベルトの単なる想いではなく、何かしら具体的な『理由』があるということが、これでハッキリと分かった。
アベルトは、恭司に何か決定的なことを隠している。
これでは、何をどう言った所で解決させることは出来ないだろう。
恭司は折れることにした。
「……分かりました。出すぎたことを言ってしまい、申し訳ございませんでした」
「構わないさ。ユウカと仲良くなっているのは本当のようだからね」
「………………」
「それで、どうするんだい?」
アベルトに詰められ、恭司は歯をくいしばる。
しかし、
もう言うしかない。
「ククル・ウィスターを、抹殺します」
「………………」
「………………」
恭司は意を決して答えたが、2人の様子はあまり変わらなかった。
分かっていたことに確信を持っただけだ。
当然驚くようなことはない。
アベルトについては予想通りだったが、ユウカまでも同じ反応をしていたことに、恭司は純粋に驚いていた。
「……引かないんですか?」
恭司は率直に尋ねる。
素で疑問だった。
「まぁ、正直言って予想通りだった……。というより、君から出てこなかったらむしろ私から提案するつもりだったくらいだ」
アベルトはそうだろうと思う。
アベルトは現代に生きる者ながら、恭司に近い価値観を持っている。
そう判断することはとても容易に予想できた。
だが、
ユウカは……
「私も予想通りって所かな。恭司ならそうだと思ってたよ」
「……何故だ?俺はユウカの前ではそんな風に思われることを言ってなかったと思うが……」
「言ってなくても隠し方が下手すぎるよ。てか、さっきの戦いの中でも、十分予想ついたし……」
「え……?」
「……何でもない」
「い、いやこれはですね……」
「あと、私に覚えはないのだが、いつから婚約なんてしてたのかな?」
「そ、それは言葉の綾というか冗談というか……」
「まぁ、認めるが」
「認めちゃダメでしょ」
恭司はユウカに話をさせてしまったことを後悔しながら、何とかアベルトに説明する。
アベルトは不承不承といった感じだが、とりあえず仲がいいということは伝わったらしい。
しかし、
「……確かに君の機転のおかげで、君の正体がバレることは避けられたのだろう。それは認めよう。そのためにユウカの協力が必要であり、婚約者というフェイクで誤魔化せたという点も分かった」
「…………」
「だが、所詮それはフェイクだ。いずれバレるし、事は収拾しない。どうするつもりかね?」
恭司はそこで少し黙ってしまった。
考えならある。
すぐにでも実行に移そうと思っている。
だが、
それをユウカの前で言うには憚られた。
恭司は、人の心情を"言葉でしか理解出来なかった”のだ。
「それについては、一度2人の時に話せればと思います。今後の方針も含め、一度打ち合わせのお時間を頂戴したく思います」
「ダメだ。言っただろう?君たちの関係が向上したことについては歓迎すべきことだが、やはり指示にはユウカを間に挟ませてもらう」
「…………何故です?アナタの仰っていた内容からすれば、これで解決したはずではなかったのですか?」
「まだ色々と懸念材料が残っているということさ。申し訳ないね。何度話されても、この結論は変わらないよ」
「………………」
アベルトの意思は思った以上に固かった。
コレはアベルトの単なる想いではなく、何かしら具体的な『理由』があるということが、これでハッキリと分かった。
アベルトは、恭司に何か決定的なことを隠している。
これでは、何をどう言った所で解決させることは出来ないだろう。
恭司は折れることにした。
「……分かりました。出すぎたことを言ってしまい、申し訳ございませんでした」
「構わないさ。ユウカと仲良くなっているのは本当のようだからね」
「………………」
「それで、どうするんだい?」
アベルトに詰められ、恭司は歯をくいしばる。
しかし、
もう言うしかない。
「ククル・ウィスターを、抹殺します」
「………………」
「………………」
恭司は意を決して答えたが、2人の様子はあまり変わらなかった。
分かっていたことに確信を持っただけだ。
当然驚くようなことはない。
アベルトについては予想通りだったが、ユウカまでも同じ反応をしていたことに、恭司は純粋に驚いていた。
「……引かないんですか?」
恭司は率直に尋ねる。
素で疑問だった。
「まぁ、正直言って予想通りだった……。というより、君から出てこなかったらむしろ私から提案するつもりだったくらいだ」
アベルトはそうだろうと思う。
アベルトは現代に生きる者ながら、恭司に近い価値観を持っている。
そう判断することはとても容易に予想できた。
だが、
ユウカは……
「私も予想通りって所かな。恭司ならそうだと思ってたよ」
「……何故だ?俺はユウカの前ではそんな風に思われることを言ってなかったと思うが……」
「言ってなくても隠し方が下手すぎるよ。てか、さっきの戦いの中でも、十分予想ついたし……」
「え……?」
「……何でもない」
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