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【第三章】閑話休題

【第八話】お風呂事件簿⑦

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「ところで、私も恭司に話があるんだけど、これからのお風r 」

「その前にもう一つ聞きたいことがある」


恭司はまたしてもギリギリで質問を滑り込ませた。

今のは危なかった……。

ユウカも学習して少しずつ早口になってきている。

気が抜けない……。


「えー、まだあるの?次は何を聞きたいのさ?」


ユウカの目が段々と据わってきている。

そろそろ誤魔化すにも限界が近そうだ。

さすがに今の状況と関係ない質問をし過ぎてしまったかもしれない。

となれば、

少しだけ不本意だが、実際のリアルな話題を投下するのがいいだろう。

本当に、今聞きたい話だ。


「ボルディスについて…….詳しく知ってるか?」

「…………??」


恭司の本当に真剣そうな顔を見て、ユウカは首を傾げた。

話題として急ということもあるが、さっきまでと違って本当に深刻そうな印象を受ける。

ちゃんと答えなければいけない気がする。

ユウカは完全に真顔になると、少し慎重な口どりで話し始めた。


「ボルディスは……昨日私が話した、『貴族』のうちの一つだよ。魔家貴族側で、得意魔法は土だったかな。地面をグネグネ動かしてくるよ」

「さっきの話だと、要は屋外の戦闘に強いタイプってことか」

「いや、あんま一概には言えないかも。土って小さい石の固まりみたいなものだから、厳密には石を操るらしいんだよね。そんで、ボルディスの中でも一部レベル高い奴は確かコンクリートも動かせたはず」

「厄介な能力だな……」


恭司は想像を巡らせながら、対応策を頭の中で構築していった。

正直、自分の力もまだイマイチ思い出せていない中でどこまでやれるかは疑問だが、逃げる訳にもいかない。

アベルトと交わしたソレは、約束ではなく契約だ。

逃げ出した時のリスクの大きさを考えれば、やる以外の選択肢などあり得ない。

しかし、

昨日のアベルトとのやり取りを知らないユウカは、そんな恭司の様子を見て首を捻るしかなかった。


「ボルディスがどうかしたの……?」

「…………」


ユウカに話すべきかどうか、恭司は一瞬悩む。

だが、

抹殺のシチュエーションには『LOVE祭り』とかいうふざけたイベントが用意されているのだ。

参加条件を見る限りでも、ユウカの協力は必須。

否が応でも、ユウカには事情をある程度知っておいてもらわなくてはいけない。

恭司は仕方なく、アベルトから受けた依頼の内容を話した。
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