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【第三章】ディオラス
【第十一話】ティアル・サーライト ①
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夜の23時頃ーー。
その日、ティアルはいつも通り、夜の夜食をいただいている所だった。
屋敷の地下にある一室で、彼は"ソレ"を貪り喰らう。
「や、止めて……。止めてください、ティアル様……」
夜食はそう言って嘆願した。
ティアルはそれを見て、ニタァと笑って再び食事を開始する。
「あ、アアアアアアアアアアァァアアアアアアアアア!!!!お、お止め……ッ!!お止めくださアアアアアアアアアアァァアアアアアアアアア!!!!」
悲鳴を上げるソレの足を、ティアルは美味しそうに頬張った。
やはり肉は生に限る。
特に、14歳くらいが一番ちょうどいい。
柔らか過ぎず、程よく筋肉がついて、さらには一番いい声で鳴く。
夢も希望もこれからという時に食われる絶叫の悲鳴が、ティアルにとっては絶好のスパイスになるのだ。
だから止められない。
こんな楽しくて美味しくて癖になるもの、中毒にならない奴なんてどうかしている。
ティアルは、今日スパイルの所に伝令役として送った青年の脹脛の肉を咀嚼しながら、足を失ったその青年を見た。
「何で……何でこんなことを……。私は……私は何かしてしまったのでしょうか……」
激痛に悶えつつ、涙を浮かべて青年は問いかけた。
ティアルはまたしてもニタニタと笑い、次は太腿にカブり付く。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!何故ですッ!!何故です、ティアル様ァァアアアアアアアアア!!!!何故……ッ!!何故このような仕打ちをををををををををををを!!」
ティアルはそう言われて、「カッカッカッカッ」と笑った。
太腿の肉は脹脛よりもよっぽど柔らかく、とてもジューシーで噛みごたえのある、ティアルの大好きな部位だ。
ティアルは噛みしだいたそれを呑み込むと、ようやく中に何も無くなった口で、言葉を紡ぐ。
「何故も何も、お前は最初からこのために雇ったんだ」
「そ、そんな……ッ!!そんなこt ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ティアルは今度は手を噛みちぎった。
手は細い骨が多くて肉が少ないが、食べてみるとコリコリして美味しい。
神経が多く通っているからか、手ならではの食感と味を楽しむことができる。
ティアルはまた笑顔になった。
「カッカッカッカッ!!やっぱりイイなぁ……。若い肉の味は……。お前はまだまだこれからだった。青春も実績も、実力も成長も……この先いっぱい色々とあっただろう。もしかしたら、一桁にだってなれたかもしれねぇ……」
「うぐっ!!えぐっ!!だったら……ッ!!だったら何d 」
「美味しいからに決まってんだろうがよォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ティアルは大きな声で青年の声に被せた。
狂気的な笑みが顔面に張り付き、嬉しそうな声が舌を踊らせる。
その日、ティアルはいつも通り、夜の夜食をいただいている所だった。
屋敷の地下にある一室で、彼は"ソレ"を貪り喰らう。
「や、止めて……。止めてください、ティアル様……」
夜食はそう言って嘆願した。
ティアルはそれを見て、ニタァと笑って再び食事を開始する。
「あ、アアアアアアアアアアァァアアアアアアアアア!!!!お、お止め……ッ!!お止めくださアアアアアアアアアアァァアアアアアアアアア!!!!」
悲鳴を上げるソレの足を、ティアルは美味しそうに頬張った。
やはり肉は生に限る。
特に、14歳くらいが一番ちょうどいい。
柔らか過ぎず、程よく筋肉がついて、さらには一番いい声で鳴く。
夢も希望もこれからという時に食われる絶叫の悲鳴が、ティアルにとっては絶好のスパイスになるのだ。
だから止められない。
こんな楽しくて美味しくて癖になるもの、中毒にならない奴なんてどうかしている。
ティアルは、今日スパイルの所に伝令役として送った青年の脹脛の肉を咀嚼しながら、足を失ったその青年を見た。
「何で……何でこんなことを……。私は……私は何かしてしまったのでしょうか……」
激痛に悶えつつ、涙を浮かべて青年は問いかけた。
ティアルはまたしてもニタニタと笑い、次は太腿にカブり付く。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!何故ですッ!!何故です、ティアル様ァァアアアアアアアアア!!!!何故……ッ!!何故このような仕打ちをををををををををををを!!」
ティアルはそう言われて、「カッカッカッカッ」と笑った。
太腿の肉は脹脛よりもよっぽど柔らかく、とてもジューシーで噛みごたえのある、ティアルの大好きな部位だ。
ティアルは噛みしだいたそれを呑み込むと、ようやく中に何も無くなった口で、言葉を紡ぐ。
「何故も何も、お前は最初からこのために雇ったんだ」
「そ、そんな……ッ!!そんなこt ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ティアルは今度は手を噛みちぎった。
手は細い骨が多くて肉が少ないが、食べてみるとコリコリして美味しい。
神経が多く通っているからか、手ならではの食感と味を楽しむことができる。
ティアルはまた笑顔になった。
「カッカッカッカッ!!やっぱりイイなぁ……。若い肉の味は……。お前はまだまだこれからだった。青春も実績も、実力も成長も……この先いっぱい色々とあっただろう。もしかしたら、一桁にだってなれたかもしれねぇ……」
「うぐっ!!えぐっ!!だったら……ッ!!だったら何d 」
「美味しいからに決まってんだろうがよォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ティアルは大きな声で青年の声に被せた。
狂気的な笑みが顔面に張り付き、嬉しそうな声が舌を踊らせる。
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