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第6章 脱走勇者は悪魔になる
125 あれから一週間後
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悪魔族の隠れ里を発端とした、ヘキサ公国の事件を解決して一週間が経った。
その間に色々な事が、会議で正式に決まったそうだ。
先に国王やクレアから教えられているが、まず、ヘキサ公国の冒険者達は、ガイアブルクで過ごすかヘキサ公国だった所を新たに開拓して過ごすかという選択肢が与えられた。
クレアならびにリックさんとリリアさんはガイアブルクで過ごすことに決めたそうだ。
他の冒険者や住民は、ゼイドラム主体の開拓事業に参加することにしたという。
呪いの代償で記憶を失ったカイゼルさんもそっちに参加するらしい。
なお、ガイアブルクで過ごす選択肢をした四人は、クリストフ国王の立会いの下で国民登録を済ませた。
同時に、クレアは俺の嫁として一緒に過ごすことにしたそうだ。
まだ残り二つは枠が残っているが、これ以上は流石に節操がないように思えるので、余程の事が無い限り自重はしようか。。
ここまでの大御所になった以上、俺は彼女達を大切にしないといけない。
その後、四人をギルドに登録させた。
なお、ソロのランクは引き継がれるそうで安心した。
クレアもガイアブルクでの生活に慣れてきたようで、みんな安心している。
特にメイジフォックスウルフのおチビーズやフェアリーキャットのモチを可愛がったり、胡桃を妹のように可愛がっている。
あと、鴫野と京終さんの扱いも決まった。
二人もすでに情報を提供してくれたことで贖罪は済ませているとして、国民として生活する事を認められたらしい。
それに関しても多少安心していたといえよう。
そんなわけで、今日は鴫野と京終さんが家に来た。
「悪いな佐々木。 いきなり来て」
「気にするな。 お互い今まで起こったことを話すには丁度いい機会だからな」
「はい、お茶をどうぞ」
「あ、ありがとう」
二人を向かい側に座らせ、クリスタがお茶を用意する。
美味しいお茶を飲みながら、俺達は今まで起こったことを話した。
「そんな事があったのか……。 とはいえ、如月と来栖ならありえる話だが」
「ゼイドラムという国が管理する施設に不法侵入したり、悪魔族を殺して食べたり、ヘキサ公国を壊滅させたり……、果てには融合合体とはね。 あの二人のご都合主義には呆れてものが言えないわね」
「一番衝撃的なのはその悪魔族を食べたって話だな。 その時期は指名手配していたんだったか?」
「その通りだよ。 カニバリズムは勘弁したかったけどね……」
来栖と如月の話題になった瞬間、お互いが二人に呆れながら話が進んだ。
鴫野と京終さんも奴らに思うところがあったのだろう。
悪魔族の件に触れた時は、ひなたも嫌な顔をして答えたぐらいだ。
「そういえば、来栖の奴、葛野に片想いしていたみたいだな」
「知ってるよ。 でも嫌な予感がしてたし、私は暁斗君のほうがいいからね。 無視してたよ」
「そうね。 あの来栖も如月と同じ顔はイケメンだけど内面がアレだからね」
「私はあの二人にいじめられかけたんだよね……。 ひなたちゃんがその都度助けてくれなかったらどうなってたか」
そして来栖がひなたに片想いをしていた事を初めて知った。
ひなた自身は、来栖が好きではなかったようで安堵したが。
しかし、京終さんもボロクソに言うねぇ。
由奈も実はあいつらにいじめられかけたという事か。
ホントにあいつら、碌な事がないな。
「それで、二人はこの国の国民になったわけだけど、今後はどうするんだ?」
「冒険者として頑張っていく予定さ。 リックさんという人からパーティを組まないかと誘われているしな」
「という事は、リックさんともう一人……、リリアさんと一緒に頑張るって事だね?」
「そうよ。 私も鴫野君と一緒にリックさんのパーティで冒険者活動をする予定よ」
「そっか……」
なるほど、鴫野と京終さんは冒険者活動で生活していくのか。
リックさんとリリアさんと一緒なら、二人も安心だろうな。
「二人なら大丈夫だろうけど、頑張れよ。 俺たちも相談にのるぞ」
「そういえば、佐々木達は冒険者としても先輩だったな」
「そうね、何かあれば相談させてもらうわね」
こんな感じで二人と話した俺達は、夕刻になった所で二人を見送った。
どうも二人の住まいは、西地区ではあるが、俺達の家から少し離れた場所に与えられたという。
リックさんとリリアさんもその付近に住むらしいが……。
「さて、もうすぐクレアの歓迎会かな?」
「そうだね。 クレアさんの歓迎会をアイリスちゃんやクリスタちゃんがしてくれてるみたいだよ」
「エミリーさんも張り切ってるよ。 クレアさんとは友人同士だったみたいだし」
アイリスとクリスタ、そしてエミリーが準備をしてくれているのか。
後で三人を労わないとな。
時間帯的にもそろそろだし、胡桃の面倒を見てくれているクレアに声を掛けて、広間に向かった。
その間に色々な事が、会議で正式に決まったそうだ。
先に国王やクレアから教えられているが、まず、ヘキサ公国の冒険者達は、ガイアブルクで過ごすかヘキサ公国だった所を新たに開拓して過ごすかという選択肢が与えられた。
クレアならびにリックさんとリリアさんはガイアブルクで過ごすことに決めたそうだ。
他の冒険者や住民は、ゼイドラム主体の開拓事業に参加することにしたという。
呪いの代償で記憶を失ったカイゼルさんもそっちに参加するらしい。
なお、ガイアブルクで過ごす選択肢をした四人は、クリストフ国王の立会いの下で国民登録を済ませた。
同時に、クレアは俺の嫁として一緒に過ごすことにしたそうだ。
まだ残り二つは枠が残っているが、これ以上は流石に節操がないように思えるので、余程の事が無い限り自重はしようか。。
ここまでの大御所になった以上、俺は彼女達を大切にしないといけない。
その後、四人をギルドに登録させた。
なお、ソロのランクは引き継がれるそうで安心した。
クレアもガイアブルクでの生活に慣れてきたようで、みんな安心している。
特にメイジフォックスウルフのおチビーズやフェアリーキャットのモチを可愛がったり、胡桃を妹のように可愛がっている。
あと、鴫野と京終さんの扱いも決まった。
二人もすでに情報を提供してくれたことで贖罪は済ませているとして、国民として生活する事を認められたらしい。
それに関しても多少安心していたといえよう。
そんなわけで、今日は鴫野と京終さんが家に来た。
「悪いな佐々木。 いきなり来て」
「気にするな。 お互い今まで起こったことを話すには丁度いい機会だからな」
「はい、お茶をどうぞ」
「あ、ありがとう」
二人を向かい側に座らせ、クリスタがお茶を用意する。
美味しいお茶を飲みながら、俺達は今まで起こったことを話した。
「そんな事があったのか……。 とはいえ、如月と来栖ならありえる話だが」
「ゼイドラムという国が管理する施設に不法侵入したり、悪魔族を殺して食べたり、ヘキサ公国を壊滅させたり……、果てには融合合体とはね。 あの二人のご都合主義には呆れてものが言えないわね」
「一番衝撃的なのはその悪魔族を食べたって話だな。 その時期は指名手配していたんだったか?」
「その通りだよ。 カニバリズムは勘弁したかったけどね……」
来栖と如月の話題になった瞬間、お互いが二人に呆れながら話が進んだ。
鴫野と京終さんも奴らに思うところがあったのだろう。
悪魔族の件に触れた時は、ひなたも嫌な顔をして答えたぐらいだ。
「そういえば、来栖の奴、葛野に片想いしていたみたいだな」
「知ってるよ。 でも嫌な予感がしてたし、私は暁斗君のほうがいいからね。 無視してたよ」
「そうね。 あの来栖も如月と同じ顔はイケメンだけど内面がアレだからね」
「私はあの二人にいじめられかけたんだよね……。 ひなたちゃんがその都度助けてくれなかったらどうなってたか」
そして来栖がひなたに片想いをしていた事を初めて知った。
ひなた自身は、来栖が好きではなかったようで安堵したが。
しかし、京終さんもボロクソに言うねぇ。
由奈も実はあいつらにいじめられかけたという事か。
ホントにあいつら、碌な事がないな。
「それで、二人はこの国の国民になったわけだけど、今後はどうするんだ?」
「冒険者として頑張っていく予定さ。 リックさんという人からパーティを組まないかと誘われているしな」
「という事は、リックさんともう一人……、リリアさんと一緒に頑張るって事だね?」
「そうよ。 私も鴫野君と一緒にリックさんのパーティで冒険者活動をする予定よ」
「そっか……」
なるほど、鴫野と京終さんは冒険者活動で生活していくのか。
リックさんとリリアさんと一緒なら、二人も安心だろうな。
「二人なら大丈夫だろうけど、頑張れよ。 俺たちも相談にのるぞ」
「そういえば、佐々木達は冒険者としても先輩だったな」
「そうね、何かあれば相談させてもらうわね」
こんな感じで二人と話した俺達は、夕刻になった所で二人を見送った。
どうも二人の住まいは、西地区ではあるが、俺達の家から少し離れた場所に与えられたという。
リックさんとリリアさんもその付近に住むらしいが……。
「さて、もうすぐクレアの歓迎会かな?」
「そうだね。 クレアさんの歓迎会をアイリスちゃんやクリスタちゃんがしてくれてるみたいだよ」
「エミリーさんも張り切ってるよ。 クレアさんとは友人同士だったみたいだし」
アイリスとクリスタ、そしてエミリーが準備をしてくれているのか。
後で三人を労わないとな。
時間帯的にもそろそろだし、胡桃の面倒を見てくれているクレアに声を掛けて、広間に向かった。
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