116 / 140
第6章 脱走勇者は悪魔になる
116 ガイアブルクへの帰還、そして……
しおりを挟む
カイゼルさんの解呪の後にすぐにガイアブルクへ向かう予定だったのだが、予定を変更して俺達はそのまま宿に泊まることにした。
流石に三つ同時の解呪は身体に堪えたみたいで、休ませた方がいいというクロウ中佐からのお達しだった。
みんなに心配を掛けさせるわけにはいかないので、そこは素直に従う事にした。
宿のベッドはフカフカだったので、すぐに眠ることができた。
安眠効果があるんだろうか?
なお、目覚めたときには由奈とアイリスが下着姿で俺を抱き枕にして寝ていたことは内緒だ。
そしてその翌日に、クレア達を含めたみんなで軍用バスに乗って【エルオー】を出て一路ガイアブルクへ向かう事に。
なお、ゼイドラムの軍が俺達の魔導馬車も専用トラックに馬型の魔導人形と馬車部分に分けて収納して貰っている。
ついでに軽めのメンテナンスもしてもらっているのだ。
軍用バスに乗っているクレアや由奈などの乗り物に弱い人には先に酔い止めのクッキーを食べてもらっている。
近道を通ってガイアブルクへ行くには、デコボコ道を通る必要があるのだ。
軍用バスでは揺れてしまうので、酔いやすい人には厳しいのだ。
「クレアやエミリー、由奈は大丈夫か?」
「うん、ボクは大丈夫だよ」
「私も。 あのクッキーの効果は絶大だよね。 しかも美味しいし」
「うん……。 このクッキー、すごいね」
あの酔い止めクッキーは三人には好評のようだ。
俺は乗り物に強いから、食べる機会はなさそうなんだよな。
「ガイアブルクに残ってる後輩達も頑張ってるだろうか?」
「そうだね、ヘキサ公国の件で気が回らなかったけど、後輩達大丈夫かな……」
「あの子たちの大半は勇者の素質を持ってる上に、経験もしっかり積んでて強くなってるから大丈夫だよ」
「だといいけど……」
確かに後輩達も強くはなっている。
それは俺でも実感している。
それでも不安が拭えないのは、追手の件だ。
俺達のクラスメイトの大半が死んだのだが、ガルタイトには後輩にとっての敵……、安川 凶がいるからだ。
あいつが向こうにいる限り、後輩たちが安心して暮らせない。
それにどういう強さを持っているかも出会わないと分からない。
「暁斗君の懸念も分かるよ。 多分、後輩たちにとっても……、胡桃ちゃんにとっても壁である存在……、安川という存在がいるからね」
「ああ、奴がいつ追手として現れるか……。 それによるのかも知れないからな」
「仕掛けるとしたら、今のタイミングで仕掛けるんじゃないかな? あのザナもアンの死から立ち直ってるかも知れないし」
「その予感はしているさ……」
「暁斗様……」
ひなたと由奈と後輩の事で話しているのを聞いたクリスタが不安そうに俺を見つめる。
彼女も後輩達が心配でたまらないのだ。
「とりあえず、俺達がガイアブルクに着くまで追手が来ないことを祈ろう」
「ん……」
クリスタと同じく不安がる胡桃の頭を撫でながら、こう言った。
実際にこういうのは運ゲー要素が強いものだから。
「もうすぐガイアブルクに着きますよ。 降りる準備をしてくださいね」
運転手からもうすぐガイアブルクに着くというアナウンスが入った。
俺達は荷物などのチェックをするなど、いつでも下車できるようにしていた。
しかし、その時にひなたが難しい表情をし始めた。
「ひなた、どうした?」
ひなたが窓の外をジッと見ているようだったので聞いてみた。
「窓の外から見える影……、後輩達じゃない?」
「ホントだ……。 七絵ちゃんたちが西地区の門の前にいるよ」
「まさか、アキト君の予感が的中してるとか?」
「多分……ね」
ひなたと一緒に窓の外を見ていたら、確かに七絵達が西地区の門の前にいた。
しかもみんな殺気立っている。
予感が的中してしまったのか?
軍用バスは、西地区の城壁に止めて俺達はそこから後輩たちのいる場所に向かって行く。
「あ、先輩達」
俺達に気が付いた七絵が声を掛けて来た。
「どうしてここにいるんだ? しかもみんなピリピリしているし……」
雰囲気がピリピリしている理由を七絵に聞いてみる。
すると、七絵から予感が的中してしまう回答が返って来た。
「来るんですよ、追手が。 先輩達に教えてもらった気配察知で探ったら、その中にあの安川 凶の気配もあったようでして」
「奴が来るからか……」
「笑えないレベルで予感が的中したね……」
理由があの安川 凶を含んだ追手部隊がくるという事で、予感が当たる。
それをアイリスが苦笑する。
「来ます……!!」
七絵が身構える。
現れたのは、ホムンクルスの兵士30人とクラスメイト2人と後輩達のクラスメイト4人……。
そしてそのうちの一人の安川 凶という男が今、俺達の前に姿を現した。
流石に三つ同時の解呪は身体に堪えたみたいで、休ませた方がいいというクロウ中佐からのお達しだった。
みんなに心配を掛けさせるわけにはいかないので、そこは素直に従う事にした。
宿のベッドはフカフカだったので、すぐに眠ることができた。
安眠効果があるんだろうか?
なお、目覚めたときには由奈とアイリスが下着姿で俺を抱き枕にして寝ていたことは内緒だ。
そしてその翌日に、クレア達を含めたみんなで軍用バスに乗って【エルオー】を出て一路ガイアブルクへ向かう事に。
なお、ゼイドラムの軍が俺達の魔導馬車も専用トラックに馬型の魔導人形と馬車部分に分けて収納して貰っている。
ついでに軽めのメンテナンスもしてもらっているのだ。
軍用バスに乗っているクレアや由奈などの乗り物に弱い人には先に酔い止めのクッキーを食べてもらっている。
近道を通ってガイアブルクへ行くには、デコボコ道を通る必要があるのだ。
軍用バスでは揺れてしまうので、酔いやすい人には厳しいのだ。
「クレアやエミリー、由奈は大丈夫か?」
「うん、ボクは大丈夫だよ」
「私も。 あのクッキーの効果は絶大だよね。 しかも美味しいし」
「うん……。 このクッキー、すごいね」
あの酔い止めクッキーは三人には好評のようだ。
俺は乗り物に強いから、食べる機会はなさそうなんだよな。
「ガイアブルクに残ってる後輩達も頑張ってるだろうか?」
「そうだね、ヘキサ公国の件で気が回らなかったけど、後輩達大丈夫かな……」
「あの子たちの大半は勇者の素質を持ってる上に、経験もしっかり積んでて強くなってるから大丈夫だよ」
「だといいけど……」
確かに後輩達も強くはなっている。
それは俺でも実感している。
それでも不安が拭えないのは、追手の件だ。
俺達のクラスメイトの大半が死んだのだが、ガルタイトには後輩にとっての敵……、安川 凶がいるからだ。
あいつが向こうにいる限り、後輩たちが安心して暮らせない。
それにどういう強さを持っているかも出会わないと分からない。
「暁斗君の懸念も分かるよ。 多分、後輩たちにとっても……、胡桃ちゃんにとっても壁である存在……、安川という存在がいるからね」
「ああ、奴がいつ追手として現れるか……。 それによるのかも知れないからな」
「仕掛けるとしたら、今のタイミングで仕掛けるんじゃないかな? あのザナもアンの死から立ち直ってるかも知れないし」
「その予感はしているさ……」
「暁斗様……」
ひなたと由奈と後輩の事で話しているのを聞いたクリスタが不安そうに俺を見つめる。
彼女も後輩達が心配でたまらないのだ。
「とりあえず、俺達がガイアブルクに着くまで追手が来ないことを祈ろう」
「ん……」
クリスタと同じく不安がる胡桃の頭を撫でながら、こう言った。
実際にこういうのは運ゲー要素が強いものだから。
「もうすぐガイアブルクに着きますよ。 降りる準備をしてくださいね」
運転手からもうすぐガイアブルクに着くというアナウンスが入った。
俺達は荷物などのチェックをするなど、いつでも下車できるようにしていた。
しかし、その時にひなたが難しい表情をし始めた。
「ひなた、どうした?」
ひなたが窓の外をジッと見ているようだったので聞いてみた。
「窓の外から見える影……、後輩達じゃない?」
「ホントだ……。 七絵ちゃんたちが西地区の門の前にいるよ」
「まさか、アキト君の予感が的中してるとか?」
「多分……ね」
ひなたと一緒に窓の外を見ていたら、確かに七絵達が西地区の門の前にいた。
しかもみんな殺気立っている。
予感が的中してしまったのか?
軍用バスは、西地区の城壁に止めて俺達はそこから後輩たちのいる場所に向かって行く。
「あ、先輩達」
俺達に気が付いた七絵が声を掛けて来た。
「どうしてここにいるんだ? しかもみんなピリピリしているし……」
雰囲気がピリピリしている理由を七絵に聞いてみる。
すると、七絵から予感が的中してしまう回答が返って来た。
「来るんですよ、追手が。 先輩達に教えてもらった気配察知で探ったら、その中にあの安川 凶の気配もあったようでして」
「奴が来るからか……」
「笑えないレベルで予感が的中したね……」
理由があの安川 凶を含んだ追手部隊がくるという事で、予感が当たる。
それをアイリスが苦笑する。
「来ます……!!」
七絵が身構える。
現れたのは、ホムンクルスの兵士30人とクラスメイト2人と後輩達のクラスメイト4人……。
そしてそのうちの一人の安川 凶という男が今、俺達の前に姿を現した。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
勇者パーティー追放された解呪師、お迎えの死神少女とうっかりキスして最強の力に覚醒!? この力で10年前、僕のすべてを奪った犯人へ復讐します。
カズマ・ユキヒロ
ファンタジー
解呪師マモル・フジタニは追放された。
伝説の武器の封印を解いたあとで、勇者パーティーに裏切られて。
深い傷と毒で、死を待つばかりとなったマモル。
しかし。
お迎えにきた死神少女との『うっかりキス』が、マモルを変えた。
伝説の武器の封印を解いたとき、体内に取り込んでいた『いにしえの勇者パーティー』の力。
その無敵の力が異種族異性とのキスで覚醒、最強となったのだ。
一方で。
愚かな勇者たちは、魔王に呪いを受けてしまう。
死へのタイムリミットまでは、あと72時間。
マモル追放をなげいても、もう遅かった。
マモルは、手にした最強の『力』を使い。
人助けや、死神助けをしながら。
10年前、己のすべてを奪った犯人への復讐を目指す。
これは、過去の復讐に燃える男が。
死神少女とともに、失ったはずの幼なじみや妹を取り戻しながら。
結果的に世界を救ってしまう、そんな物語。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる