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幕間の章 海水浴と結婚式
97 魔族領での結婚式①
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「ここが、魔族領の北部の町の【エレフライン】か……」
「結構大きいね。 あと、人間も魔族も一緒にいるね」
「イリアお姉ちゃん曰く、ガルタイトの侵略で居場所を失った人間を受け入れているみたい。 この町以外にもそうさせているんだって」
「へぇ……」
今日は、ここ魔族領の北部の大きな町【エレフライン】にて結婚式が挙げられる。
イリアさんからの招待状が届いたので行く事にしたのだ。
なお、魔族領には初めて行くので、クロウ中佐に相談したらゼイドラムから用意してくれた数台のバスで行く事にしたのだ。
もちろん、後輩達も一緒だ。
そして、休憩を挟みつつバスで行くこと10時間。
夕方の時間にようやく【エレフライン】にたどり着き、バスを降りてイリアさんが確保してくれたホテルに行く。
結婚式後は、一泊して帰る予定だからである。
しかし、ガイアブルクから魔族領までバスで10時間前後だと、普通の馬車だと7日以上は掛かるんじゃないか?
「暁斗くん、ひなたさん、アイリスちゃーん!」
「あ、イリアお姉ちゃん!」
街の正門でバスを止め、下車した俺達をイリアさんこと魔王イリアゲートさんが出迎えてくれた。
「お久しぶりです、イリアさん」
「こちらこそ、解放戦の際に助っ人に行けなくてすみません」
「いえ、イリアさんも討伐部隊の件があったので仕方がないですよ」
「そう言ってもらえると安心しますね」
俺とひなたはイリアさんと今までの事を色々な話をした。
それを関連して、一応ガイアブルクから伝わってるが、改めてクリスタを紹介した。
「なるほど……、暁斗くん達の召喚の際に生贄にされたんですね」
「ええ、それから1か月後に生き返りまして……暁斗様たちによれば、命のストックがある程度あるみたいでした」
「それが今回はいい方向に働いた……というべきでしょうか」
「そうだと思います」
イリアさんとクリスタが確認の為に話をしている。
その間に、俺達は後輩に呼びかけた。
「とりあえず、渡されたフロアマップと鍵があるだろうから、鍵に掛かれてる号室をマップで探しながら行こうか」
「そうですね、荷物も置かないといけないし……」
後輩達も同意し、ホテルの中に入っていく。
後輩達も俺達も鍵に書かれた号室を見て、各階に魔力で動くエレベータに乗って行く。
ってか、この世界に……魔族領にエレベータがあったのか……。
ゼイドラムにもあったが、あそこは近代化してるから理解はできるが……。
「俺達は8人部屋か……」
「クリスタちゃんを含めて7人だし、念入りにそれくらいは必要なんだろうね」
ホテルの4階にたどり着いた俺達は一番奥の401号室。
そこは8人部屋となっており、室内にもお風呂やトイレがあるようだ。
「結構広いねー……」
「ん……、ベッド……ふかふか」
「とりあえず、荷物を置いてトイレとか済ませたら再度入り口に集合な。そのまま前夜祭の会場へ向かうから」
「そうだね、前夜祭は1時間後だし、先にトイレは済ませないとね」
クリスタも入ってきて荷物を置き、みんながトイレなどを済ませたのを確認し、ホテルの入り口のロビーへ向かった。
ロビーに行くと、後輩達も待機しており、トイレ休憩も済ませたようだ。
しかし、この世界の結婚式は変わってるよなぁ。
前夜祭があるとか、俺がいた世界では考えられないやつだ。
「じゃあ、前夜祭の会場へ向かいましょうか」
イリアさんの号令で、俺達は彼女についていく形で目的の前夜祭の会場に向かった。
ちなみに、前夜祭の会場はそのまま明日の式場にもなるようだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここが、前夜祭の会場です。 明日に式を挙げる式場でもあります」
「すごく……大きいです」
「いや、誤解を招く発言はやめようか……、ひなた?」
「じょ、ジョークだよ! ジョークだから!!」
「ちょっと自重しようか、ひなたちゃん。 胡桃ちゃんやエミリーさんがいる前なんだから」
「ごめんなさい……」
たどり着いた場所は現代世界で言うドーム球場並みに大きかった。
ひなたの誤解を招く発言に思わずツッコミを入れたが、流石は魔族。
結婚式を挙げる会場もかなりの贅沢だ…。
「そういえば、私たちは式を挙げてなかったね」
「色々ありすぎたからなぁ……。 ガイアブルクに式場になれる場所がなさげだったし」
「もし、必要でしたらこちらで式場を手配しますが?」
「余裕があったらお願いします」
今の所、ガルタイトからの脱走勇者に神経を使わないといけない状況なので、余裕は持てない。
なので、イリアさんの提案には余裕があるときにお願いすることにした。
「では、中に入りましょうか」
イリアさんの先導で、会場の中に入っていく。
受付で招待状を見せ、そのまま会場となる大広間に案内された。
ここで、今日は結婚前夜祭、明日には式を行うようだ。
「すごい広いですね……。 ここで式を挙げられるなら最高でしょうね」
「だなぁ……」
「そうだね。 アキト君の場合は、ボクを含めた倍の嫁がいるからね。 大所帯の結婚式にはもってこいの場所だね」
クリスタの感想に、俺も同意する。
エミリーも俺の嫁が今回の人の倍はいるから、ここなら結婚式をするのにうってつけだとも言っていた。
後輩達もあまりの広さにキョロキョロする人を見かける。
そんな中だった。
「七絵ちゃん、胡桃ちゃん!!」
七絵と胡桃を呼ぶ一人の女の子の声が大広間に響き渡った。
「結構大きいね。 あと、人間も魔族も一緒にいるね」
「イリアお姉ちゃん曰く、ガルタイトの侵略で居場所を失った人間を受け入れているみたい。 この町以外にもそうさせているんだって」
「へぇ……」
今日は、ここ魔族領の北部の大きな町【エレフライン】にて結婚式が挙げられる。
イリアさんからの招待状が届いたので行く事にしたのだ。
なお、魔族領には初めて行くので、クロウ中佐に相談したらゼイドラムから用意してくれた数台のバスで行く事にしたのだ。
もちろん、後輩達も一緒だ。
そして、休憩を挟みつつバスで行くこと10時間。
夕方の時間にようやく【エレフライン】にたどり着き、バスを降りてイリアさんが確保してくれたホテルに行く。
結婚式後は、一泊して帰る予定だからである。
しかし、ガイアブルクから魔族領までバスで10時間前後だと、普通の馬車だと7日以上は掛かるんじゃないか?
「暁斗くん、ひなたさん、アイリスちゃーん!」
「あ、イリアお姉ちゃん!」
街の正門でバスを止め、下車した俺達をイリアさんこと魔王イリアゲートさんが出迎えてくれた。
「お久しぶりです、イリアさん」
「こちらこそ、解放戦の際に助っ人に行けなくてすみません」
「いえ、イリアさんも討伐部隊の件があったので仕方がないですよ」
「そう言ってもらえると安心しますね」
俺とひなたはイリアさんと今までの事を色々な話をした。
それを関連して、一応ガイアブルクから伝わってるが、改めてクリスタを紹介した。
「なるほど……、暁斗くん達の召喚の際に生贄にされたんですね」
「ええ、それから1か月後に生き返りまして……暁斗様たちによれば、命のストックがある程度あるみたいでした」
「それが今回はいい方向に働いた……というべきでしょうか」
「そうだと思います」
イリアさんとクリスタが確認の為に話をしている。
その間に、俺達は後輩に呼びかけた。
「とりあえず、渡されたフロアマップと鍵があるだろうから、鍵に掛かれてる号室をマップで探しながら行こうか」
「そうですね、荷物も置かないといけないし……」
後輩達も同意し、ホテルの中に入っていく。
後輩達も俺達も鍵に書かれた号室を見て、各階に魔力で動くエレベータに乗って行く。
ってか、この世界に……魔族領にエレベータがあったのか……。
ゼイドラムにもあったが、あそこは近代化してるから理解はできるが……。
「俺達は8人部屋か……」
「クリスタちゃんを含めて7人だし、念入りにそれくらいは必要なんだろうね」
ホテルの4階にたどり着いた俺達は一番奥の401号室。
そこは8人部屋となっており、室内にもお風呂やトイレがあるようだ。
「結構広いねー……」
「ん……、ベッド……ふかふか」
「とりあえず、荷物を置いてトイレとか済ませたら再度入り口に集合な。そのまま前夜祭の会場へ向かうから」
「そうだね、前夜祭は1時間後だし、先にトイレは済ませないとね」
クリスタも入ってきて荷物を置き、みんながトイレなどを済ませたのを確認し、ホテルの入り口のロビーへ向かった。
ロビーに行くと、後輩達も待機しており、トイレ休憩も済ませたようだ。
しかし、この世界の結婚式は変わってるよなぁ。
前夜祭があるとか、俺がいた世界では考えられないやつだ。
「じゃあ、前夜祭の会場へ向かいましょうか」
イリアさんの号令で、俺達は彼女についていく形で目的の前夜祭の会場に向かった。
ちなみに、前夜祭の会場はそのまま明日の式場にもなるようだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここが、前夜祭の会場です。 明日に式を挙げる式場でもあります」
「すごく……大きいです」
「いや、誤解を招く発言はやめようか……、ひなた?」
「じょ、ジョークだよ! ジョークだから!!」
「ちょっと自重しようか、ひなたちゃん。 胡桃ちゃんやエミリーさんがいる前なんだから」
「ごめんなさい……」
たどり着いた場所は現代世界で言うドーム球場並みに大きかった。
ひなたの誤解を招く発言に思わずツッコミを入れたが、流石は魔族。
結婚式を挙げる会場もかなりの贅沢だ…。
「そういえば、私たちは式を挙げてなかったね」
「色々ありすぎたからなぁ……。 ガイアブルクに式場になれる場所がなさげだったし」
「もし、必要でしたらこちらで式場を手配しますが?」
「余裕があったらお願いします」
今の所、ガルタイトからの脱走勇者に神経を使わないといけない状況なので、余裕は持てない。
なので、イリアさんの提案には余裕があるときにお願いすることにした。
「では、中に入りましょうか」
イリアさんの先導で、会場の中に入っていく。
受付で招待状を見せ、そのまま会場となる大広間に案内された。
ここで、今日は結婚前夜祭、明日には式を行うようだ。
「すごい広いですね……。 ここで式を挙げられるなら最高でしょうね」
「だなぁ……」
「そうだね。 アキト君の場合は、ボクを含めた倍の嫁がいるからね。 大所帯の結婚式にはもってこいの場所だね」
クリスタの感想に、俺も同意する。
エミリーも俺の嫁が今回の人の倍はいるから、ここなら結婚式をするのにうってつけだとも言っていた。
後輩達もあまりの広さにキョロキョロする人を見かける。
そんな中だった。
「七絵ちゃん、胡桃ちゃん!!」
七絵と胡桃を呼ぶ一人の女の子の声が大広間に響き渡った。
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