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第5章 ゼイドラムへ行こう
80 由奈と町巡り③
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昼食を摂るために訪れたパスタ屋さんで、俺と由奈はウエイトレスとして働いていたエリス王女に出くわした。
何でエリス王女がここで働いているのか?
俺は疑問に思ったのだ。
何せ、エリス王女はクレハ共和国から転移で帰ってきて数日しか経っていない。
諜報部隊も率いている為においそれとここで働けないはずだ。
「ちょっとびっくりしたっスか?」
「ええ、かなり」
「というか、何でエリス王女はここに?」
「諜報部隊は副部隊長に任せてるっス。 これは王家が必ずこなさないといけない社会勉強の一環っスよ。 アイリスちゃんは冒険者として動いているから不要ですけど、私やルーク兄さん、そして弟はそういった事が無いっスからね」
「という事はルーク王子もどこかで?」
「そうっス。 以前は父上や母上も経験してるっスよ。 母上はアイリスちゃんと同じ冒険者でですが」
それにしても驚いた。
エリス王女は、王家の課題である社会勉強の一環でここで働いていたとは。
諜報部隊を信頼できる副部隊長に任せてまで。
しかも以前にはクリストフ国王とその妻たちも社会経験していたとはね……。
「とまぁ、そんな感じで私は週2回はここで働くっス。 他の注文もあるのでこれで失礼するっス。 ごゆっくりー」
話せるだけ話したエリス王女は、他の注文の対応をするために俺達の席から離れる。
今日は客の数が少なめだが、他のウエイトレスに聞いた所、平均的に多いようだ。
繫盛はしてるんだなぁ。
「暁斗君、とりあえず食べようか」
「そうだな。 じゃあいただきます」
色々ツッコミどころはあるのだが、折角注文の品が来たので、俺と由奈はそれを食べる事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ただいまー」
「お帰り、由奈お姉ちゃんにお兄ちゃん」
昼食を食べた後、ショッピングセンターで買い物をしたり、本屋で好きな本を買ったり、北地区のおすすめの展望台を案内したりなど楽しんだら夕方になった。
自宅に戻った俺と由奈を出迎えたのはアイリスだった。
「ひなたと胡桃とクリスタは?」
「三人でボール遊びをしてるよ。 で、夕食はエミリーお姉ちゃんが作ってる。 私はその手伝いをしていたよ」
「へぇ、エミリーのご飯か。 楽しみだな」
「私も」
どうやらひなたとクリスタと胡桃はボール遊びをしており、エミリーは夕食を作っている最中だ。
アイリスもエミリーを手伝っていたようだ。
「あ、そうそう。 お父さんからようやくあの国へ行けるように手配できたらしいよ」
「あの国?」
「機械技術国ゼイドラムだよ」
「クロウ中佐の出身国か」
そして、クリストフ国王からいよいよ機械技術国ゼイドラムに行けるように手配が出来たとアイリスから教えられた。
ようやく俺と胡桃の銃が手に入る。
剣や魔法が使えない際に銃が重宝するかも知れないので、必ず手にしたと思っていた。
俺と胡桃は【ガンナー】の素質があるからね。
「へぇ、10日後にはガイアブルクの西地区の入り口に到着するって事は迎えに来てくれるのか」
「そうみたい。 お兄ちゃんや胡桃ちゃん達はゼイドラムに行った事はないだろうしね」
「そうだった……。 ならその間は準備もしながら後輩を育てるようにしないとな」
「おーい、ご飯が出来たよー」
「あ、ご飯が出来たみたい。 私は三人を呼ぶからお兄ちゃん達は手を洗ったらキッチンに来てね」
「わかった」
「うん」
10日後にゼイドラム側から西地区にて迎えに来てくれるようだ。
俺と胡桃、由奈とひなたがゼイドラムに行った事がないと言う事への考慮だろう。
その間のプランも考えていたら、エミリーから声が掛かったので、由奈と一緒に手を洗って、キッチンへ向かった。
エミリーが作った料理は当然ながら美味しかった。
舌鼓を打った俺は、今夜は由奈と添い寝して一夜を明かしたのだった。
何でエリス王女がここで働いているのか?
俺は疑問に思ったのだ。
何せ、エリス王女はクレハ共和国から転移で帰ってきて数日しか経っていない。
諜報部隊も率いている為においそれとここで働けないはずだ。
「ちょっとびっくりしたっスか?」
「ええ、かなり」
「というか、何でエリス王女はここに?」
「諜報部隊は副部隊長に任せてるっス。 これは王家が必ずこなさないといけない社会勉強の一環っスよ。 アイリスちゃんは冒険者として動いているから不要ですけど、私やルーク兄さん、そして弟はそういった事が無いっスからね」
「という事はルーク王子もどこかで?」
「そうっス。 以前は父上や母上も経験してるっスよ。 母上はアイリスちゃんと同じ冒険者でですが」
それにしても驚いた。
エリス王女は、王家の課題である社会勉強の一環でここで働いていたとは。
諜報部隊を信頼できる副部隊長に任せてまで。
しかも以前にはクリストフ国王とその妻たちも社会経験していたとはね……。
「とまぁ、そんな感じで私は週2回はここで働くっス。 他の注文もあるのでこれで失礼するっス。 ごゆっくりー」
話せるだけ話したエリス王女は、他の注文の対応をするために俺達の席から離れる。
今日は客の数が少なめだが、他のウエイトレスに聞いた所、平均的に多いようだ。
繫盛はしてるんだなぁ。
「暁斗君、とりあえず食べようか」
「そうだな。 じゃあいただきます」
色々ツッコミどころはあるのだが、折角注文の品が来たので、俺と由奈はそれを食べる事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ただいまー」
「お帰り、由奈お姉ちゃんにお兄ちゃん」
昼食を食べた後、ショッピングセンターで買い物をしたり、本屋で好きな本を買ったり、北地区のおすすめの展望台を案内したりなど楽しんだら夕方になった。
自宅に戻った俺と由奈を出迎えたのはアイリスだった。
「ひなたと胡桃とクリスタは?」
「三人でボール遊びをしてるよ。 で、夕食はエミリーお姉ちゃんが作ってる。 私はその手伝いをしていたよ」
「へぇ、エミリーのご飯か。 楽しみだな」
「私も」
どうやらひなたとクリスタと胡桃はボール遊びをしており、エミリーは夕食を作っている最中だ。
アイリスもエミリーを手伝っていたようだ。
「あ、そうそう。 お父さんからようやくあの国へ行けるように手配できたらしいよ」
「あの国?」
「機械技術国ゼイドラムだよ」
「クロウ中佐の出身国か」
そして、クリストフ国王からいよいよ機械技術国ゼイドラムに行けるように手配が出来たとアイリスから教えられた。
ようやく俺と胡桃の銃が手に入る。
剣や魔法が使えない際に銃が重宝するかも知れないので、必ず手にしたと思っていた。
俺と胡桃は【ガンナー】の素質があるからね。
「へぇ、10日後にはガイアブルクの西地区の入り口に到着するって事は迎えに来てくれるのか」
「そうみたい。 お兄ちゃんや胡桃ちゃん達はゼイドラムに行った事はないだろうしね」
「そうだった……。 ならその間は準備もしながら後輩を育てるようにしないとな」
「おーい、ご飯が出来たよー」
「あ、ご飯が出来たみたい。 私は三人を呼ぶからお兄ちゃん達は手を洗ったらキッチンに来てね」
「わかった」
「うん」
10日後にゼイドラム側から西地区にて迎えに来てくれるようだ。
俺と胡桃、由奈とひなたがゼイドラムに行った事がないと言う事への考慮だろう。
その間のプランも考えていたら、エミリーから声が掛かったので、由奈と一緒に手を洗って、キッチンへ向かった。
エミリーが作った料理は当然ながら美味しかった。
舌鼓を打った俺は、今夜は由奈と添い寝して一夜を明かしたのだった。
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