上 下
79 / 140
第5章 ゼイドラムへ行こう

79 由奈と町巡り②

しおりを挟む
「暁斗君、私、これに乗りたいよ!」

「お、ゴーカートか。 早速乗ろう」

「やったぁ♪」

 何にしようか考えてる間に由奈がゴーカートに乗りたいと言い出した。
 丁度人がいないからすぐ乗れそうだし、まずそれに決めた。
 由奈はバンザイしながら喜んでいた。
 あぁ、可愛いなぁ。

 早速ゴーカートのスタッフにお金を払い、二台分確保。
 俺が先に乗り、後ろのカートには由奈が乗った。
 身長制限には引っかからなかったので、そこも安心した。

 スピードもゆるやかだが、由奈は楽しんでいるようだ。
 そうしている内に周回が終わるブザーが鳴ったので、ゴールまで走った後、スタッフによる誘導でカート置き場に戻し、他のスタッフの誘導で出口まで案内された。

 次はコーヒーカップに乗り、室内ゲームで楽しみつつ、最後に観覧車に乗った。
 観覧車の景色には由奈もすごいとはしゃいでいた。

「あー、楽しかった♪」

「楽しめてくれたようで何よりだ。 さて、昼になったし東地区に行くか」

「東地区?」

「そこには飲食店やショッピングセンターが並んでるんだ。 商店街て奴だな。 そこに馬車で向かう」

「へぇ、楽しみだね。 どんな飲食店があるんだろうね」

 丁度お昼になったので、飲食店やショッピングセンターがある東地区に向かう事にした。
 由奈も説明を聞いて、どんな飲食店があるのかワクワクしていたなぁ。
 さて、そうしているうちに馬車がきたので、一緒に乗り込む。
 俺達を乗せた馬車は、東地区へ向けて出発したのだった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「さぁ着いた。 ここが東地区だ」

「すごーい。 いっぱい飲食店があるね。 ベーカリーもあるよ」

「今日は由奈の食べたい所に向かいたいから、由奈に任せよう」

「うーん……」

 東地区に着いた俺達は昼はどこで食べるかを由奈に任せる。
 折角の町巡りなので、飲食店を巡って由奈のインスピレーションで決めてもらおうと思ったからだ。

「あ、ここにしよう!」

「ここは……?」

 由奈が飲食店を巡りながら見つけたお店。
 そこは何と『パスタ屋』さんだった。
 驚きは隠せないものの、由奈が決めたので拒否はしない。
 早速、そこに決めて店の中に入る。

「まさか、この異世界でパスタを食べる事になるとはなぁ」

「私もびっくり。 しかも定番のミートソースパスタやナポリタンもあるしね」

「じゃあ、俺はナポリタンで」

「私はミートソースパスタにしよう」

 この異世界でパスタを食べる事になるとは思わなかったが、美味しそうだったし定番のパスタもあるから注文した。
 俺はナポリタンで、由奈がミートソースパスタだ。

 注文の際にふと思い出したが、確かアイリスの兄や姉……エリス王女やルーク王子の母親の家系が転生者一族だったような。
 あの時のラーメン屋もその一族が継いで営業してるし、もしかしたらこのパスタの店も……?

「あ、注文の品が来たよ」

「おっと、もうそんな時間か」

 そんな事を考えていたら、由奈から注文の品が来たと声を掛けられ、ハッと我に返る。

「お待たせっスー。 ナポリタンとミートソースパスタっス」

「んん?」

 注文の品を持ってきたウエイトレスさんを見た俺と由奈は目を見開いてしまう。
 当のウエイトレスさんも俺達に気付いたようだ。

「おやおや、アキト君とユナちゃん。 今日はここでお昼っスか?」

「「エリス王女……」」

 そう。
 注文の品を持ってきたウエイトレスさんは、まさかのエリス王女だったのだ。

 というか、何であなたがウエイトレスをやってるんですか?


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon
ファンタジー
『ヤツは泥だらけになっても、傷だらけになろうとも立ち上がる。』  元居た流派の宗家に命を狙われ、激戦の末、究極奥義を完成させ、大武会を制した勇者ロア。彼は強敵達との戦いを経て名実ともに強くなった。  「今度は……みんなに恩返しをしていく番だ!」  仲間がいてくれたから成長できた。だからこそ、仲間のみんなの力になりたい。そう思った彼は旅を続ける。俺だけじゃない、みんなもそれぞれ問題を抱えている。勇者ならそれを手助けしなきゃいけない。 『それはいつか、あなたの勇気に火を灯す……。』

2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件

後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。 転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。 それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。 これから零はどうなってしまうのか........。 お気に入り・感想等よろしくお願いします!!

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜

平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。 『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。 この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。 その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。 一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。

処理中です...