サモンブレイブ・クロニクル~無能扱いされた少年の異世界無双物語

イズミント(エセフォルネウス)

文字の大きさ
上 下
74 / 140
第4章 異世界動乱編

74 出迎えと三日間の近況について

しおりを挟む
 さて、無事に三日掛けてガイアブルク城下町の南入り口に帰って来た。
 その間にエミリーと沢山愛し合ったので、結構満足した。
 シャワー室があったおかげで簡易的な洗濯も出来たしな。

「お兄ちゃん、エミリーお姉ちゃんお帰り」

「アイリス、由奈、ただいま」

「ただいまだよ。 そしてよろしくね」

「うん、エミリーさんもよろしくね」

 南入り口にはアイリスと由奈が出迎えてくれた。
 ちゃんと連絡したから、迎えてくれたんだよなぁ……。
 そして、エミリーと由奈やアイリスもすぐに打ち解ける。
 その後で、俺の後ろにある魔導馬車を見てアイリスは苦笑した。

「それにしても、ゼイドラム製作の魔導馬車を見る事になるとはね」

「重力魔法と結界をふんだんに使い、マナタンクも搭載されてたよ」

「しかも馬は魔導人形ゴーレムだったしね。 おかげで普通の馬車なら一週間掛かるのが三日で済んだしね」

「それはそれで恐ろしいね……」

 ゼイドラムが作った試作型の魔導馬車を見て、アイリスが呆れているのを見つつ、俺とエミリーが性能を教えた。
 それを横から聞いていた由奈も苦笑していた。

「で、その馬車はお兄ちゃんへのプレゼントって事でいいのかな?」

「ああ、クロウ中佐が報酬として受け取ってくれと」

「ボクもそれに驚いて声が出なかったけど、乗り心地は良かったしね」

「後で仕様の説明はしておくよ。 とりあえず、こいつを置く場所を確保しないと」

「うちの庭なら置けるよ。 スピードはどうなの?」

「スピードもナビで要望したら応じてくれる。 ひとまず西地区へスローペースで頼むと言っておくよ」

 ひとまず魔導馬車の置き場所をアイリスの別荘の庭に置くことに決めたので、俺はナビに西地区へスローペースでと伝えた。
 すると魔導馬車が動き出し、道に沿ってゆっくり動く。
 アイリスや由奈も俺の指示で乗り込むことにした。

「それにしてもすごいね。 ある程度スピードも調整できるんだね」

「しかも本当に揺れないし……。 椅子の座り心地も抜群だよ……」

「これに嵌ったら他の馬車は使えなくなるから、遠出する以外では使わないようにしないとな」

 アイリスや由奈も魔導馬車に乗った感想として、アイリスはスピードの調整が出来る事に感心し、由奈も座り心地と馬車が揺れないことに言及した。
 なので、他の馬車に乗れなくなるのはいただけないので、この魔導馬車は遠出する時かつ、転移アイテムが使えない時に利用することに決めた。

「そういえば、メンテナンスはどうなの?」

「クロウ中佐が言うには10年はしなくてもいいってさ」

「でも不安なら呼んでくれれば来てくれるって」

「10年もメンテ不要って……」

「基準が壊れそうだね……」

 そして、魔導馬車だという事でアイリスからメンテナンスについて言及してきた。
 俺はクロウ中佐が言ってた内容をそのまま伝え、エミリーはそこに補足を入れる。
 10年間もメンテが要らないとなれば、技術の基準も壊れてしまうだろうしな……。
 由奈とアイリスの呆れる理由もわかる気がする。

「それで、三日間はどうなった?」

「これと言って特に動きはなかったよ。 追手も来なかったしね。 その分後輩達やアルトちゃん達をレベルアップさせていたよ」

 俺は三日間でのガイアブルクの動きが気になったので聞いてみたとこr、由奈から答えが返って来た。
 追手と言った大きな動きはなかったようで、後輩やアルト達をレベルアップさせていたようだ。
 後輩達も順調に成長しているという事か。

「帰ってきたらささやかな宴会でもするよ。 クリスタお姉ちゃんが料理を振舞ってたしね」

「そうか、楽しみだな」

「ボクも」

「かなり美味しと思うよ。 試食もしたしね」

 由奈の奴、試食したのか。
 とにかく、俺達は西地区のアイリスの別荘にたどり着いた。
 迎えてくれたひなたやクリスタ、胡桃も魔導馬車を見て驚いたが、説明をして納得させた。
 やはり、ゼイドラムの技術力はある意味世界観無視のチート能力なんだろうなぁ……。
 
 あ、あとエミリーの事を伝えた。
 ひなたやクリスタ、胡桃も歓迎してくれたようで、特に胡桃は俺と同様に懐いていた。
 その様子を見て微笑ましいと思ったのは内緒だ。

 さて、無事に家に戻って来たのでささやかな宴会に期待しようじゃないか。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

処理中です...