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第2章 異世界邂逅編
24 作戦会議
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クリストフ国王によって森の中に転移した俺たちは、国王がヘキサ公国のお偉いさんと話している間に別の冒険者たちと挨拶を交わした。
彼らがヘキサ公国側の指名依頼によって集まった冒険者だった。
7人くらいはいるが、ランク的にはBかAなんだろう。
ソロではDランクの俺とひなたは少し居心地が悪いかも……思ってたら。
「二人ってソロじゃDランクって本当なの?」
「まぁ、冒険者生活を始めたばかり……ですし」
「それにしてはどことなく猛者のようなプレッシャーを感じるんだが……?」
「そもそも、始めたばかりでDランクまで上げるって相当の実力がなきゃできないよ?」
「ま、まぁ……俺たちは訳ありですから……」
どことなくランクと強さが噛み合ってないことに気付きマシンガンのごとく質問された。
クリストフ国王に視線を送ると、話してもいいよとサインを送ってくれたので理由を説明した。
すると、もの悲しさと怒りが混じったような表情を浮かべた。
「あのガルタイトの奴ら、なんて事を……」
「しかも勇者じゃないからって無能扱いはないよなぁ」
「ひなたちゃん……だっけ? そんな中で友達を救うために裏切るってすごいよね」
「アキトさんも勇者ではない代わりに全てのジョブの素質を抱えてるとか……納得がいきましたよ」
順番に【重戦士】のカイゼルさん、【シーフ】のリックさん、【魔術師】のエミリーさん、【回復術師】のリリアさんが様々な反応をした。
そんな彼らを見ていると、クリストフ国王がヘキサ公国のお偉いさんを連れてこちらに来た。
「よし、それじゃ今回の依頼遂行のための作戦会議を開こうか」
そう言うと、国王が持っていたコテージを設置した。
どうも魔法アイテムのようで、設置後に一気に大きなログハウス風に変貌した。
「では入ろうか」
そう言う国王の言葉を合図に、俺たちはログハウス風の家の中に入った。
◇◇◇◇◇◇
中に入り、まずは依頼内容の確認を行った。
俺たちもサラトガさんから内容を教えてもらってるので問題はない。
「さて、次は拠点の位置。 ここを起点とすると北にある洞穴が奴らの拠点になっている」
クリストフ国王がこのコテージを拠点とした位置をマップを広げて説明をした。
「北の洞穴は内部が広く、その中にはおよそ400人の手下がいるものと思われます」
ヘキサ公国の宰相にあたる人が続いて規模を教えてくれた。
手下だけで400人かよ……。
かなり多いじゃないか。
「こちらは少数精鋭で、それに対抗する。 広範囲魔法を使う魔術師は3人いるからそれで300人は削れるはずだ」
まぁ、こっちにもアイリスが該当される。
彼女の広範囲魔法は威力がでかいからな。
戦場が森の中になるから氷系を使うんだろうが……。
「残りの相手を戦士系のジョブを持つもので一掃したり、シーフのトラップでサポートしてもらう」
「クリストフ国王様、アキト君の扱いは?」
国王たちの作戦内容に関して、エミリーさんが質問した。
そういえば、俺はどの立ち位置になるんだ?
「暁斗くんは、最初はひなたくんと一緒に戦士組と一緒に行動する。 相手の状況に応じてスタイルを変えるなりで自由に戦ってもらうさ」
前線で色々やってもらう役割か。
まぁ、【呪術師】や【剣士】を極めてるし、今は【魔術師】や【格闘家】の熟練度をアップさせてるから前線で色々できるかも知れないな。
「ただ、手下の中には【魔術師】が紛れているからそこには気を付けてくれ。 暁斗くんは呪術師も極めているから呪いで魔法を封じることもできるが」
「マジか、アキトは呪術師も極めてるのか……」
「ええ、最初のプランでクリストフ国王がそうしろと言われたので」
「魔封じの呪いは広範囲かつ長射程ですから、先に掛けておくのもいいかもしれませんね」
カイゼルさんがその事実に驚き、リリアさんはその有効な使い方を示してくれた。
たしかに【魔術師】が紛れてるなら先に使った方がいいのかもしれないな。
「そして最後に、リーダーの男と副リーダーの男は、複数人でできるだけ対応しよう。 特に副リーダーは【シーフ】と【錬金術師】の素質を持つから、武器が解体されないようにして戦ってくれ」
全員が頷く。
「じゃあ、俺とリックとリリアとエリック、そしてアキトとひなたで前線組だな」
前線組はカイゼルさんを筆頭に回復術師のリリアさんも入る。
そして【シーフ】のリックさんも前線のサポートで、そこに俺とひなた……、そしてエリックという人が入る。
「じゃあボクたち魔術師組は後方から魔法を放つって事でいいね?」
「うん、がんばってみるよ」
「……三人なら……なんとか……なる。 こっちも……回復術師……いるから」
一方の魔術師組はアイリスとエミリーさんの他に女性二人。
うち一人が魔術師組の回復術師なのだろう。
そしてもう一人は基本無口な女性で確か、クレアさんだっけか。
彼女も魔術師だったのか。
「よし、編成も決まったことだし、各自の準備が終わり次第【漆黒】の拠点付近まで移動しよう」
クリストフ国王の一声で各自の準備を行った。
準備やトイレを済ませるなどで30分後には拠点付近に向けて移動を開始した。
そして、いよいよ盗賊集団【漆黒】の壊滅へ向けた戦闘が始まろうとしていた。
彼らがヘキサ公国側の指名依頼によって集まった冒険者だった。
7人くらいはいるが、ランク的にはBかAなんだろう。
ソロではDランクの俺とひなたは少し居心地が悪いかも……思ってたら。
「二人ってソロじゃDランクって本当なの?」
「まぁ、冒険者生活を始めたばかり……ですし」
「それにしてはどことなく猛者のようなプレッシャーを感じるんだが……?」
「そもそも、始めたばかりでDランクまで上げるって相当の実力がなきゃできないよ?」
「ま、まぁ……俺たちは訳ありですから……」
どことなくランクと強さが噛み合ってないことに気付きマシンガンのごとく質問された。
クリストフ国王に視線を送ると、話してもいいよとサインを送ってくれたので理由を説明した。
すると、もの悲しさと怒りが混じったような表情を浮かべた。
「あのガルタイトの奴ら、なんて事を……」
「しかも勇者じゃないからって無能扱いはないよなぁ」
「ひなたちゃん……だっけ? そんな中で友達を救うために裏切るってすごいよね」
「アキトさんも勇者ではない代わりに全てのジョブの素質を抱えてるとか……納得がいきましたよ」
順番に【重戦士】のカイゼルさん、【シーフ】のリックさん、【魔術師】のエミリーさん、【回復術師】のリリアさんが様々な反応をした。
そんな彼らを見ていると、クリストフ国王がヘキサ公国のお偉いさんを連れてこちらに来た。
「よし、それじゃ今回の依頼遂行のための作戦会議を開こうか」
そう言うと、国王が持っていたコテージを設置した。
どうも魔法アイテムのようで、設置後に一気に大きなログハウス風に変貌した。
「では入ろうか」
そう言う国王の言葉を合図に、俺たちはログハウス風の家の中に入った。
◇◇◇◇◇◇
中に入り、まずは依頼内容の確認を行った。
俺たちもサラトガさんから内容を教えてもらってるので問題はない。
「さて、次は拠点の位置。 ここを起点とすると北にある洞穴が奴らの拠点になっている」
クリストフ国王がこのコテージを拠点とした位置をマップを広げて説明をした。
「北の洞穴は内部が広く、その中にはおよそ400人の手下がいるものと思われます」
ヘキサ公国の宰相にあたる人が続いて規模を教えてくれた。
手下だけで400人かよ……。
かなり多いじゃないか。
「こちらは少数精鋭で、それに対抗する。 広範囲魔法を使う魔術師は3人いるからそれで300人は削れるはずだ」
まぁ、こっちにもアイリスが該当される。
彼女の広範囲魔法は威力がでかいからな。
戦場が森の中になるから氷系を使うんだろうが……。
「残りの相手を戦士系のジョブを持つもので一掃したり、シーフのトラップでサポートしてもらう」
「クリストフ国王様、アキト君の扱いは?」
国王たちの作戦内容に関して、エミリーさんが質問した。
そういえば、俺はどの立ち位置になるんだ?
「暁斗くんは、最初はひなたくんと一緒に戦士組と一緒に行動する。 相手の状況に応じてスタイルを変えるなりで自由に戦ってもらうさ」
前線で色々やってもらう役割か。
まぁ、【呪術師】や【剣士】を極めてるし、今は【魔術師】や【格闘家】の熟練度をアップさせてるから前線で色々できるかも知れないな。
「ただ、手下の中には【魔術師】が紛れているからそこには気を付けてくれ。 暁斗くんは呪術師も極めているから呪いで魔法を封じることもできるが」
「マジか、アキトは呪術師も極めてるのか……」
「ええ、最初のプランでクリストフ国王がそうしろと言われたので」
「魔封じの呪いは広範囲かつ長射程ですから、先に掛けておくのもいいかもしれませんね」
カイゼルさんがその事実に驚き、リリアさんはその有効な使い方を示してくれた。
たしかに【魔術師】が紛れてるなら先に使った方がいいのかもしれないな。
「そして最後に、リーダーの男と副リーダーの男は、複数人でできるだけ対応しよう。 特に副リーダーは【シーフ】と【錬金術師】の素質を持つから、武器が解体されないようにして戦ってくれ」
全員が頷く。
「じゃあ、俺とリックとリリアとエリック、そしてアキトとひなたで前線組だな」
前線組はカイゼルさんを筆頭に回復術師のリリアさんも入る。
そして【シーフ】のリックさんも前線のサポートで、そこに俺とひなた……、そしてエリックという人が入る。
「じゃあボクたち魔術師組は後方から魔法を放つって事でいいね?」
「うん、がんばってみるよ」
「……三人なら……なんとか……なる。 こっちも……回復術師……いるから」
一方の魔術師組はアイリスとエミリーさんの他に女性二人。
うち一人が魔術師組の回復術師なのだろう。
そしてもう一人は基本無口な女性で確か、クレアさんだっけか。
彼女も魔術師だったのか。
「よし、編成も決まったことだし、各自の準備が終わり次第【漆黒】の拠点付近まで移動しよう」
クリストフ国王の一声で各自の準備を行った。
準備やトイレを済ませるなどで30分後には拠点付近に向けて移動を開始した。
そして、いよいよ盗賊集団【漆黒】の壊滅へ向けた戦闘が始まろうとしていた。
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