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第1章 異世界召喚編
11 ジョブについて
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この世界は、【ジョブ】という素質が存在しているようだった。
俺は異世界に召喚された際に、勇者の素質はなかったため、無能扱いとされた。
だが、召喚を実行した国……ガルタイト国とは敵対関係にあたるガイアブルク王国の国王であるクリストフ・ガイアブルク三世によるとそれ以外の全てのジョブの素質が俺には備わってるみたいだった。
しかも、身体能力がワンランク高いというおまけ付きで。
だが……、同時に疑問も生まれた。
「それなのになんで俺は今までわからなかったんだ?」
「あの国の水晶は、おそらく勇者の素質があるかないかでしか判定しない奴だったのかもね。 私は素質ありと判定された時は別の力が私の身体に入り込んだ感覚があったけど、暁斗君はどうだった?」
「確か、全く反応しなかったし、ひなたの言ってたような感覚もなかった」
そう、ひなたと違い、俺が水晶に触れても何の反応も示さなかった。
それ故に勇者の素質がないとされたが、身体能力関連はどう説明するのだろうか?
そこにクリストフ国王が一つの答えを出していた。
「娘は君に対して奴らが掛けたのは呪いの類と言ってたな。 勇者以外でなら、おそらく、あるジョブの素質を鍛えれば、呪い全般は効かなくなるよ」
「そのジョブとは?」
「【呪術師】だよ。 【魔術師】、【回復術師】と違い呪術という呪いを駆使したジョブなんだが、これを鍛えれば耐性は確実に付くよ。 さっきも言ったが君は勇者以外の全てのジョブの素質を持っているからやってみる価値はあるよ。 というか、それがないと身体能力は高くても確実に呪いが掛かるからね」
「確実に呪いが掛かるんですか…」
「そう。 多分ガルタイト国の城内は、勇者の素質を持つもの以外は能力を下げる永続効果のデバフの呪いが掛かっているものと思われる。 勇者の素質がなかった君はその時は呪いの耐性すらなく、身体能力も下がってたはずだ」
言われてみれば、たしかに身体が怠いままだった。
風邪でも引いたのかなと思っていたが、どうも違ってたようだ。
ん、待てよ、それじゃアイリスちゃんは……?
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。私は【呪術師】の素質もあるから、呪いは効かないんだよ」
ああ、それなら安心だ。
今後、追手が呪いを使わないとは限らないからなぁ。
あと、もう一つの疑問……ウェアラットや最初の追手の女子勇者を粉みじんにした件もクリストフ国王は答えてくれた。
「あと、君がウェアラットや追手の勇者を拳で粉みじんにしたというのも、【格闘家】というジョブの素質が働いていたと思う。 その時は素質を制御できていない状態だったんだろう」
確かにあの時、必死で応対しようとして正拳突きを繰り出していたな。
これで一応、俺にとっての納得のいく答えが聞けた。
「それで、ジョブというのは後、何があるんですか?」
ひなたが今までの会話の中で気になった事を聞いてきた。
現在、勇者以外で判明してるのが【魔術師】、【呪術師】、【回復術師】、【格闘家】。
そしてアイリスちゃんから聞いた【錬金術師】だ。
他にもあるんじゃないのかと言うことなのだろう。
「他には【剣士】、【槍術師】、【重戦士】、【ガンナー】、【テイマー】、【騎士】、【サモナー】、【シーフ】、【ニンジャ】かな」
結構出て来たなぁ。
というか、ガンナーってこの世界には銃もあるのか?
「ガンナーは、本来は機械技術国ゼイドラムの住人しかなれないジョブなんだけどね。 結果を見るとお兄ちゃんは何故かその素質も持ってるね」
「ああ、それって私たちの世界にも銃があるからかも」
「あ、そっかお兄ちゃんとひなたお姉ちゃんは異世界から来たんだった。 なら納得だね」
そこであっさり納得するのか、アイリスちゃん。
「とにかく、今現在のプランは【呪術師】と【剣士】の素質を鍛え上げることだ。 【呪術師】の方はさっき言った呪い対策、【剣士】は力の制御を行うにうってつけのジョブだからね」
国王からは俺に対するプランが提示された。
剣士を提案したのは、力の制御のためか。
アイリスちゃんに聞いたところ、剣士はパワーとスピードのバランスが取れたジョブらしい。
「分かりました。 まずはその2つのジョブを重点的にですね」
「そういう事だ。 次の手続きが終わったら、冒険者ギルドで冒険者登録をさせる。 依頼をこなす事で各ジョブのレベルを上げてほしい」
「はい!」
こうして、俺に関する最初のプランが決定した。
いつかあいつらやガルタイト国を見返すための一歩と思えばどうにかなりそうだ。
しかし、俺にそんなチートめいたものがあったとはなぁ。
その後、国王は次の手続きに関係する発言をしだした。
「さて、次の手続きなのだが、わが国は『一夫多妻制』を採用している。 多くの国民もそれを遂行している。 ガイアブルク王国の国民となった暁斗くんもそれを遂行する資格を持っているんだ」
一夫多妻……、つまりハーレムという事か。
どういう過程でこの制度を採用したかは分からない。
多分、人口の男女比に偏りがあるからなんだろうけど……。
そんな事を考えていたら……。
「そこで、暁斗くん。 君にはひなたくんとうちの娘のアイリスを嫁にしてはいかがだろうか?」
クリストフ国王は俺に、とんでもない事を提案してきた。
俺は異世界に召喚された際に、勇者の素質はなかったため、無能扱いとされた。
だが、召喚を実行した国……ガルタイト国とは敵対関係にあたるガイアブルク王国の国王であるクリストフ・ガイアブルク三世によるとそれ以外の全てのジョブの素質が俺には備わってるみたいだった。
しかも、身体能力がワンランク高いというおまけ付きで。
だが……、同時に疑問も生まれた。
「それなのになんで俺は今までわからなかったんだ?」
「あの国の水晶は、おそらく勇者の素質があるかないかでしか判定しない奴だったのかもね。 私は素質ありと判定された時は別の力が私の身体に入り込んだ感覚があったけど、暁斗君はどうだった?」
「確か、全く反応しなかったし、ひなたの言ってたような感覚もなかった」
そう、ひなたと違い、俺が水晶に触れても何の反応も示さなかった。
それ故に勇者の素質がないとされたが、身体能力関連はどう説明するのだろうか?
そこにクリストフ国王が一つの答えを出していた。
「娘は君に対して奴らが掛けたのは呪いの類と言ってたな。 勇者以外でなら、おそらく、あるジョブの素質を鍛えれば、呪い全般は効かなくなるよ」
「そのジョブとは?」
「【呪術師】だよ。 【魔術師】、【回復術師】と違い呪術という呪いを駆使したジョブなんだが、これを鍛えれば耐性は確実に付くよ。 さっきも言ったが君は勇者以外の全てのジョブの素質を持っているからやってみる価値はあるよ。 というか、それがないと身体能力は高くても確実に呪いが掛かるからね」
「確実に呪いが掛かるんですか…」
「そう。 多分ガルタイト国の城内は、勇者の素質を持つもの以外は能力を下げる永続効果のデバフの呪いが掛かっているものと思われる。 勇者の素質がなかった君はその時は呪いの耐性すらなく、身体能力も下がってたはずだ」
言われてみれば、たしかに身体が怠いままだった。
風邪でも引いたのかなと思っていたが、どうも違ってたようだ。
ん、待てよ、それじゃアイリスちゃんは……?
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。私は【呪術師】の素質もあるから、呪いは効かないんだよ」
ああ、それなら安心だ。
今後、追手が呪いを使わないとは限らないからなぁ。
あと、もう一つの疑問……ウェアラットや最初の追手の女子勇者を粉みじんにした件もクリストフ国王は答えてくれた。
「あと、君がウェアラットや追手の勇者を拳で粉みじんにしたというのも、【格闘家】というジョブの素質が働いていたと思う。 その時は素質を制御できていない状態だったんだろう」
確かにあの時、必死で応対しようとして正拳突きを繰り出していたな。
これで一応、俺にとっての納得のいく答えが聞けた。
「それで、ジョブというのは後、何があるんですか?」
ひなたが今までの会話の中で気になった事を聞いてきた。
現在、勇者以外で判明してるのが【魔術師】、【呪術師】、【回復術師】、【格闘家】。
そしてアイリスちゃんから聞いた【錬金術師】だ。
他にもあるんじゃないのかと言うことなのだろう。
「他には【剣士】、【槍術師】、【重戦士】、【ガンナー】、【テイマー】、【騎士】、【サモナー】、【シーフ】、【ニンジャ】かな」
結構出て来たなぁ。
というか、ガンナーってこの世界には銃もあるのか?
「ガンナーは、本来は機械技術国ゼイドラムの住人しかなれないジョブなんだけどね。 結果を見るとお兄ちゃんは何故かその素質も持ってるね」
「ああ、それって私たちの世界にも銃があるからかも」
「あ、そっかお兄ちゃんとひなたお姉ちゃんは異世界から来たんだった。 なら納得だね」
そこであっさり納得するのか、アイリスちゃん。
「とにかく、今現在のプランは【呪術師】と【剣士】の素質を鍛え上げることだ。 【呪術師】の方はさっき言った呪い対策、【剣士】は力の制御を行うにうってつけのジョブだからね」
国王からは俺に対するプランが提示された。
剣士を提案したのは、力の制御のためか。
アイリスちゃんに聞いたところ、剣士はパワーとスピードのバランスが取れたジョブらしい。
「分かりました。 まずはその2つのジョブを重点的にですね」
「そういう事だ。 次の手続きが終わったら、冒険者ギルドで冒険者登録をさせる。 依頼をこなす事で各ジョブのレベルを上げてほしい」
「はい!」
こうして、俺に関する最初のプランが決定した。
いつかあいつらやガルタイト国を見返すための一歩と思えばどうにかなりそうだ。
しかし、俺にそんなチートめいたものがあったとはなぁ。
その後、国王は次の手続きに関係する発言をしだした。
「さて、次の手続きなのだが、わが国は『一夫多妻制』を採用している。 多くの国民もそれを遂行している。 ガイアブルク王国の国民となった暁斗くんもそれを遂行する資格を持っているんだ」
一夫多妻……、つまりハーレムという事か。
どういう過程でこの制度を採用したかは分からない。
多分、人口の男女比に偏りがあるからなんだろうけど……。
そんな事を考えていたら……。
「そこで、暁斗くん。 君にはひなたくんとうちの娘のアイリスを嫁にしてはいかがだろうか?」
クリストフ国王は俺に、とんでもない事を提案してきた。
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