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第1章 異世界召喚編
08 魔法都市についての説明と追手の襲来
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関所から出て、最初に着いた規模の大きい町のバルシェムで一晩明かした後、買い物と食事、そしてトイレを済ませて町を出た。
「次の目的の町は『魔法都市コーレイン』だね。 ガイアブルク生まれの魔法使いの一部が魔法を学ぶ学校がある町だよ」
「学校があるのか」
「制服、どんなのだろうね」
「おいおい……」
制服の事が気になるひなたにツッコミを入れつつ、俺はアイリスちゃんから次の目的である『魔法都市コーレイン』についての話を聞いた。
「アイリスちゃんみたいな【魔術師】の素質を持つ人たちは、みんなそこにいるのか?」
「ううん。 その街にいる人たちはみんなコーレイン周辺に住む町や村から来ている人達だよ。 もしくははるばる王都からある目的で来る人とかね」
「ある目的?」
「あそこが魔法都市と言われるのは『魔道具』という魔法の道具の品ぞろえが他より多いからなんだよ」
魔道具という存在は初めて知ったな。
あと、コーレインはそれの品ぞろえが他の国や町より多いらしい。
それ故に魔法都市と呼ばれるということなのだろうか?
「コーレインの学校で魔道具を作るカリキュラムもあるからね。 王都から来る人は大体それが目的で王都の学校じゃなくコーレインの学校に入ろうとしているんだよ」
なるほど、それで魔法使いの一部ってさっき言っていたのか。
魔道具がガイアブルク国内ではコーレインでしか作れないのなら、王都生まれでもわざわざ行く必要があるな。
「ちなみに、ジョブの素質には【錬金術師】があるけど、あれは魔道具以外を作れるジョブだからね」
「差別化されてるんだねぇ」
この世界、【錬金術師】みたいなジョブもあるのか。
ガルタイトで【勇者】というジョブの素質があるんだから、他のジョブの素質があって当たり前か。
「ん?」
「アイリスちゃん、どうしたの?」
コーレインについて色々と話をしている最中に、アイリスちゃんが何かを感じたらしく、気付いたひなたが声を掛けた。
彼女は、おそらく常時『気配察知』を使ってるのだろう。
「人の気配がする。 殺気も籠ってるから襲ってくることは確定みたい」
「追手か?」
「多分ね。 バルシェム方面から来てるから」
アイリスちゃんがそう言って馬車を停めて、ひなたと共に降りて戦闘態勢を敷く。
二人の視線の先には兵士5人と勇者の素質を持ったクラスメイト二人だ。
「いくよ、ひなたお姉ちゃん!」
「うん!」
そう言うと同時に、ひなたが突撃して兵士に斬りかかる。
「でやあぁぁぁぁぁっ!!」
「がはぁっ!!」
「か、葛野!?」
「【アースグレイブ】!!」
「きゃあぁぁっ!?」
(すげぇ……)
アイリスちゃんの土魔法の【アースグレイブ】で片割れの女子の勇者を転倒させたり、ひなたが兵士を斬り伏せ、勇者となったクラスメイトにそのまま斬りかかる様子を見て俺は相変わらず唖然としながら見ていた。
転倒された女子生徒は、立ち上がった後で……。
「あっ!!」
(ちっ! こっちに来たか!!)
「ああぁぁぁぁぁっ!!」
アイリスちゃんが奇声を上げながら俺の方に向かってくる女子の勇者に気付き、声を掛けようとした。
だが、俺も昨日のウェアラットみたいにただでやられるつもりはないので、もう一度正拳突きを突進してくる女子の勇者の顔に目掛けて繰り出した。
「へ、あ、あぁぁ!?」
「うわぁ、またかぁ……」
「今度は人相手に……。 これはキツイね」
女子の勇者がパァンという音と共に、頭部が破裂した。
頭部がなくなった女子の勇者は、そのまま仰向けに倒れ、暫くは大量の血を流してピクピクと痙攣したが、次第に動かなくなった。
それを見た男子の勇者がショックを受けて、ひなたは再度ドン引き。
アイリスちゃんも顔を引きつりつつ、動かなくなった女子の勇者の遺体を兵士もろとも火の魔法で焼き払った。
「おっと、こいつも斬っておかないとね」
「や、やめ……!」
我に返ったひなたが、残った男子勇者を容赦なく斬り伏せ、アイリスちゃんに火の魔法で焼き払って貰った。
「早速追手が来るとはね」
「多分、ろくに訓練を受けずに派遣された下っ端レベルじゃないかな? 私の魔法やひなたお姉ちゃんの攻撃に対して何もできなかったっぽいからね」
「それよりも、暁斗君の相変わらずの攻撃力、えげつないね」
「人相手でも一部を粉みじんにするほどの力があるなんて思わなかったな」
血の付いた拳を見て、俺は呟いた。
この世界での俺は、どういう強さを持っているかは今は分からないが、現地の人たちよりはヤバい力が備わっているのは間違いないだろう。
「昨日も言ったけど、正確な強さは王都に着かないと分からないから、あまり気にしても仕方がないよ」
「ああ、そうだよな」
「とにかく、追手で少し時間を要したから、馬車のスピードを上げておくよ。 揺れるからしっかりと壁にもたれるようにね」
「うん、分かった」
「じゃあ、再出発するよ」
アイリスちゃんの強化魔法を馬に掛けて、馬車のスピードを上げていく。
というか、強化魔法って人以外にも掛けられたのか……。
そんな考えをする俺をよそに、最初の追手を退いた俺達を乗せた馬車は、魔法都市コーレインを目指して走っていく。
「次の目的の町は『魔法都市コーレイン』だね。 ガイアブルク生まれの魔法使いの一部が魔法を学ぶ学校がある町だよ」
「学校があるのか」
「制服、どんなのだろうね」
「おいおい……」
制服の事が気になるひなたにツッコミを入れつつ、俺はアイリスちゃんから次の目的である『魔法都市コーレイン』についての話を聞いた。
「アイリスちゃんみたいな【魔術師】の素質を持つ人たちは、みんなそこにいるのか?」
「ううん。 その街にいる人たちはみんなコーレイン周辺に住む町や村から来ている人達だよ。 もしくははるばる王都からある目的で来る人とかね」
「ある目的?」
「あそこが魔法都市と言われるのは『魔道具』という魔法の道具の品ぞろえが他より多いからなんだよ」
魔道具という存在は初めて知ったな。
あと、コーレインはそれの品ぞろえが他の国や町より多いらしい。
それ故に魔法都市と呼ばれるということなのだろうか?
「コーレインの学校で魔道具を作るカリキュラムもあるからね。 王都から来る人は大体それが目的で王都の学校じゃなくコーレインの学校に入ろうとしているんだよ」
なるほど、それで魔法使いの一部ってさっき言っていたのか。
魔道具がガイアブルク国内ではコーレインでしか作れないのなら、王都生まれでもわざわざ行く必要があるな。
「ちなみに、ジョブの素質には【錬金術師】があるけど、あれは魔道具以外を作れるジョブだからね」
「差別化されてるんだねぇ」
この世界、【錬金術師】みたいなジョブもあるのか。
ガルタイトで【勇者】というジョブの素質があるんだから、他のジョブの素質があって当たり前か。
「ん?」
「アイリスちゃん、どうしたの?」
コーレインについて色々と話をしている最中に、アイリスちゃんが何かを感じたらしく、気付いたひなたが声を掛けた。
彼女は、おそらく常時『気配察知』を使ってるのだろう。
「人の気配がする。 殺気も籠ってるから襲ってくることは確定みたい」
「追手か?」
「多分ね。 バルシェム方面から来てるから」
アイリスちゃんがそう言って馬車を停めて、ひなたと共に降りて戦闘態勢を敷く。
二人の視線の先には兵士5人と勇者の素質を持ったクラスメイト二人だ。
「いくよ、ひなたお姉ちゃん!」
「うん!」
そう言うと同時に、ひなたが突撃して兵士に斬りかかる。
「でやあぁぁぁぁぁっ!!」
「がはぁっ!!」
「か、葛野!?」
「【アースグレイブ】!!」
「きゃあぁぁっ!?」
(すげぇ……)
アイリスちゃんの土魔法の【アースグレイブ】で片割れの女子の勇者を転倒させたり、ひなたが兵士を斬り伏せ、勇者となったクラスメイトにそのまま斬りかかる様子を見て俺は相変わらず唖然としながら見ていた。
転倒された女子生徒は、立ち上がった後で……。
「あっ!!」
(ちっ! こっちに来たか!!)
「ああぁぁぁぁぁっ!!」
アイリスちゃんが奇声を上げながら俺の方に向かってくる女子の勇者に気付き、声を掛けようとした。
だが、俺も昨日のウェアラットみたいにただでやられるつもりはないので、もう一度正拳突きを突進してくる女子の勇者の顔に目掛けて繰り出した。
「へ、あ、あぁぁ!?」
「うわぁ、またかぁ……」
「今度は人相手に……。 これはキツイね」
女子の勇者がパァンという音と共に、頭部が破裂した。
頭部がなくなった女子の勇者は、そのまま仰向けに倒れ、暫くは大量の血を流してピクピクと痙攣したが、次第に動かなくなった。
それを見た男子の勇者がショックを受けて、ひなたは再度ドン引き。
アイリスちゃんも顔を引きつりつつ、動かなくなった女子の勇者の遺体を兵士もろとも火の魔法で焼き払った。
「おっと、こいつも斬っておかないとね」
「や、やめ……!」
我に返ったひなたが、残った男子勇者を容赦なく斬り伏せ、アイリスちゃんに火の魔法で焼き払って貰った。
「早速追手が来るとはね」
「多分、ろくに訓練を受けずに派遣された下っ端レベルじゃないかな? 私の魔法やひなたお姉ちゃんの攻撃に対して何もできなかったっぽいからね」
「それよりも、暁斗君の相変わらずの攻撃力、えげつないね」
「人相手でも一部を粉みじんにするほどの力があるなんて思わなかったな」
血の付いた拳を見て、俺は呟いた。
この世界での俺は、どういう強さを持っているかは今は分からないが、現地の人たちよりはヤバい力が備わっているのは間違いないだろう。
「昨日も言ったけど、正確な強さは王都に着かないと分からないから、あまり気にしても仕方がないよ」
「ああ、そうだよな」
「とにかく、追手で少し時間を要したから、馬車のスピードを上げておくよ。 揺れるからしっかりと壁にもたれるようにね」
「うん、分かった」
「じゃあ、再出発するよ」
アイリスちゃんの強化魔法を馬に掛けて、馬車のスピードを上げていく。
というか、強化魔法って人以外にも掛けられたのか……。
そんな考えをする俺をよそに、最初の追手を退いた俺達を乗せた馬車は、魔法都市コーレインを目指して走っていく。
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