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第9話 魔法のお披露目
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「ここは……?」
「ここは闘技場という場所だ。 模擬戦などを行う際に利用される場所だ」
「年2回の魔法学校別のバトルフェスタの会場の一つでもあるんですよ。 まぁ、うちは冬に近づく時期に初めて参加するんですけどね」
「ああ、実質出来立てですからね……」
受付の女性、クレス校長、そしてファナさんに案内される形でたどり着いた場所は、規模が大きい闘技場だった。
この闘技場の規模も【ワルジール魔法学校】と比べたらかなり広い。
しかし、年二回のバトルフェスタの会場でもあったなんて……。
向こうに在籍していた時のボクには縁がない大会だったもんねぇ。
ここエトワール魔法学校がそのバトルフェスタに参加するのは、今年の冬に近づく季節らしい。
出来たてだし、そこはしょうがないかな?
「では、ここで幾つか指示された魔法をあそこの的に向けて放ってみて下さい」
「はい」
「では、まず【ファイアボール】でお願いします」
まず、【ファイアボール】を使ってと受付の女性から指示が出た。
これは火の初級魔法であると同時に全ての魔法の基本魔法でもある。
これで最初の判定をするのだろうか。
「じゃあ、まずはアリスちゃんからだね」
「頑張ってみるよ」
ミーナから最初にやってと言われたボクは、すぐにファイアボールの準備をした。
これ、脳内詠唱も短くて済むからやりやすいんだよね。
「【ファイアボール】!」
準備を終えたボクは、用意された的に向けて火の玉を放った。
しかし、思った以上に火の玉が大きい。
「うおっ!?」
「きゃあっ!?」
そして、的に当たったと同時に強大な炎が発生した。
「う、うわぁ……」
「ヤバいな、こいつは……」
「アリスちゃんの魔力の質はイリスさん譲りだからね。 確かに初期魔力の量は低かったけど」
ファイアボールでこれとか……、魔力の質もヤバい事になっちゃったね。
ボクもこの威力に少し呆然としていたし、ジャック君もミーナも呆然としているし。
「み、ミスリル製の的が一瞬で消し炭に……!」
「いやはや、ファイアボールの威力じゃないな」
「クリメイションに近いレベルですよ……」
そして、クレス校長もファナさんも、ボクのファイアボールを見て呆然としていた。
というか、さっきの的ってミスリル製だったの!?
うわぁ……、これどうしよう……。
「で、では、次はミーナさん」
「はい!」
次はミーナが【ファイアボール】を放つ。
新たに用意されたミスリルの的に向けて、しっかり当てて来た。
この精密さがミーナの武器でもあるんだよね。
(流石はミーナだね。 お、ジャック君の番か)
そして、ジャック君も同じく【ファイアボール】を放つ。
彼はミーナ程精密さはないけど、発動までが早いんだよね。
「では次は風の魔法を見せて下さい。 風の初級魔法は【ウィンド】です」
「分かりました」
「順番はファイアボールの時と一緒でいいですか?」
「はい。 それで構いませんよ」
ジャック君が火の魔法を使い終わった所で、次は風の魔法をお披露目する。
使うのは風の初級魔法の【ウィンド】だ。
まずはボクから魔法を使う。
この風の魔法は、火の魔法と比べて脳内詠唱に時間が少し掛かる。
「【ウィンド】!」
ボクが魔法を唱えると、ボクの手から強烈な風が吹き、それが闘技場内に広がる。
「おわっ!?」
「きゃあっ!?」
「くっ、結界魔法【サンクチュアリ】!!」
「あ、ちょっ、スカートが……!」
あまりにも強い風で、咄嗟にクレス校長が結界魔法を放ち、風の魔法を抑えてくれた。
しかし、吹き飛ばされなかったのはいいが、それでもボクやファナさんやミーナのスカートが捲れ上がる。
風が弱まるまで、スカートを押さえたくらいだ。
「しかし、ウィンドの魔法でも強力な風だとは……流石だと言えるな」
「びっくりですよ……」
「魔法も問題はないですね。 威力は強いですが。 では、次はミーナさんですね」
「は、はい……」
ボクが放った風が収まった所で、次はミーナの番だ。
ジャック君が心なしか、顔を赤らめながらそっぽ向いてるけど……、ひょっとして風でスカートが捲れた時に見ちゃったのかな?
ともかく、ミーナとジャック君も風の魔法を使用して、測定して貰った。
二人とも本来の【ウィンド】の魔法の威力だし、ボクが異常なのかもね。
「お疲れ様でした。 では、受付で三人の後期入学の手続きを始めます。 制服もそこで渡しますので」
「あ、はい」
「授業は明後日からになるから、その日に寮の前で待ち合わせしよう」
「はい、ありがとうございます」
色々あったけど、こうしてボクとジャック君とミーナのエトワール魔法学校への入学が決まった。
エトワールの制服も渡されるみたいだし、楽しみだ。
授業は明後日からのようなので、その日にファナさんと寮の前で待ち合わせをすることも決まったしね。
あ、学費のこと聞いてなかった。
まぁ、いいか。
「ここは闘技場という場所だ。 模擬戦などを行う際に利用される場所だ」
「年2回の魔法学校別のバトルフェスタの会場の一つでもあるんですよ。 まぁ、うちは冬に近づく時期に初めて参加するんですけどね」
「ああ、実質出来立てですからね……」
受付の女性、クレス校長、そしてファナさんに案内される形でたどり着いた場所は、規模が大きい闘技場だった。
この闘技場の規模も【ワルジール魔法学校】と比べたらかなり広い。
しかし、年二回のバトルフェスタの会場でもあったなんて……。
向こうに在籍していた時のボクには縁がない大会だったもんねぇ。
ここエトワール魔法学校がそのバトルフェスタに参加するのは、今年の冬に近づく季節らしい。
出来たてだし、そこはしょうがないかな?
「では、ここで幾つか指示された魔法をあそこの的に向けて放ってみて下さい」
「はい」
「では、まず【ファイアボール】でお願いします」
まず、【ファイアボール】を使ってと受付の女性から指示が出た。
これは火の初級魔法であると同時に全ての魔法の基本魔法でもある。
これで最初の判定をするのだろうか。
「じゃあ、まずはアリスちゃんからだね」
「頑張ってみるよ」
ミーナから最初にやってと言われたボクは、すぐにファイアボールの準備をした。
これ、脳内詠唱も短くて済むからやりやすいんだよね。
「【ファイアボール】!」
準備を終えたボクは、用意された的に向けて火の玉を放った。
しかし、思った以上に火の玉が大きい。
「うおっ!?」
「きゃあっ!?」
そして、的に当たったと同時に強大な炎が発生した。
「う、うわぁ……」
「ヤバいな、こいつは……」
「アリスちゃんの魔力の質はイリスさん譲りだからね。 確かに初期魔力の量は低かったけど」
ファイアボールでこれとか……、魔力の質もヤバい事になっちゃったね。
ボクもこの威力に少し呆然としていたし、ジャック君もミーナも呆然としているし。
「み、ミスリル製の的が一瞬で消し炭に……!」
「いやはや、ファイアボールの威力じゃないな」
「クリメイションに近いレベルですよ……」
そして、クレス校長もファナさんも、ボクのファイアボールを見て呆然としていた。
というか、さっきの的ってミスリル製だったの!?
うわぁ……、これどうしよう……。
「で、では、次はミーナさん」
「はい!」
次はミーナが【ファイアボール】を放つ。
新たに用意されたミスリルの的に向けて、しっかり当てて来た。
この精密さがミーナの武器でもあるんだよね。
(流石はミーナだね。 お、ジャック君の番か)
そして、ジャック君も同じく【ファイアボール】を放つ。
彼はミーナ程精密さはないけど、発動までが早いんだよね。
「では次は風の魔法を見せて下さい。 風の初級魔法は【ウィンド】です」
「分かりました」
「順番はファイアボールの時と一緒でいいですか?」
「はい。 それで構いませんよ」
ジャック君が火の魔法を使い終わった所で、次は風の魔法をお披露目する。
使うのは風の初級魔法の【ウィンド】だ。
まずはボクから魔法を使う。
この風の魔法は、火の魔法と比べて脳内詠唱に時間が少し掛かる。
「【ウィンド】!」
ボクが魔法を唱えると、ボクの手から強烈な風が吹き、それが闘技場内に広がる。
「おわっ!?」
「きゃあっ!?」
「くっ、結界魔法【サンクチュアリ】!!」
「あ、ちょっ、スカートが……!」
あまりにも強い風で、咄嗟にクレス校長が結界魔法を放ち、風の魔法を抑えてくれた。
しかし、吹き飛ばされなかったのはいいが、それでもボクやファナさんやミーナのスカートが捲れ上がる。
風が弱まるまで、スカートを押さえたくらいだ。
「しかし、ウィンドの魔法でも強力な風だとは……流石だと言えるな」
「びっくりですよ……」
「魔法も問題はないですね。 威力は強いですが。 では、次はミーナさんですね」
「は、はい……」
ボクが放った風が収まった所で、次はミーナの番だ。
ジャック君が心なしか、顔を赤らめながらそっぽ向いてるけど……、ひょっとして風でスカートが捲れた時に見ちゃったのかな?
ともかく、ミーナとジャック君も風の魔法を使用して、測定して貰った。
二人とも本来の【ウィンド】の魔法の威力だし、ボクが異常なのかもね。
「お疲れ様でした。 では、受付で三人の後期入学の手続きを始めます。 制服もそこで渡しますので」
「あ、はい」
「授業は明後日からになるから、その日に寮の前で待ち合わせしよう」
「はい、ありがとうございます」
色々あったけど、こうしてボクとジャック君とミーナのエトワール魔法学校への入学が決まった。
エトワールの制服も渡されるみたいだし、楽しみだ。
授業は明後日からのようなので、その日にファナさんと寮の前で待ち合わせをすることも決まったしね。
あ、学費のこと聞いてなかった。
まぁ、いいか。
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