魔女っ娘ネディネのラブラブ無双

12 どうも強いゴブリンが混じってたようです

「え！？  ゴブリンが５体以上で群れてて、かつ仲間を呼んだんですか！？」

「はい。 その分の石斧も回収しています」

「絶命する直前に金切り声を発して仲間を呼んだみたいです」

「初っぱなから本当にお疲れ様です。 ひとまずギルマスに報告しますね」

　ギルドに戻り、石斧を渡すと同時にボク達がゴブリンと戦う時の事を包み隠さず報告した。
　受付嬢さんは驚いていたが、すぐに冷静になり１５個分の石斧を持ってギルドマスターの部屋に入っていった。

「お待たせ、ルクス君にネディネちゃん」

　少ししたら、ギルドマスターが二つの石斧を持って受付嬢さんと一緒に現れた。

「二人が戦って回収した石斧なんだけど、１５個のうち二個は『ボブゴブリン』の石斧だったみたい」

「えっ！？」

「ボブゴブリン！？  だけど、そいつはこの町には基本的に……」

「ええ、生息しない筈なのよ。 基本的にはね。 でも、石斧の質が二つだけ違ってたの。 比較の為に見てくれる？」

「あ……」

　石斧をじっくり見ていると、確かに僅かに違いが分かる。
　片方が丸みを帯びた石斧であるなら、もう片方は尖って見える。

「ボブゴブリンの石斧はね、ゴブリンの石斧と違い少し尖っているの。 獲物を殺しやすくするためにね。 ボブゴブリンと普通のゴブリンは見た目が同じだから、今の所は石斧で区別するしかないの」

　ボブゴブリンか普通のゴブリンかを判別するには、今の所は石斧でしか区別できないらしい。
　確かに見た目が同じじゃあ、それで判別するしかないよね。

「レアスキル【鑑定】が使えれば、それで判別できるみたいだけど、今の所使い手がいないのよ」

「なるほど……」

　一応、レアスキル【鑑定】ならばその力による情報で判別は可能だが、使い手はいないらしい。
　
「さて、いきなりこうなってしまったお詫びにボブゴブリンの石斧も買い取るわ。 後、ゴブリン討伐依頼の完了手続きもしておくわ」

「ありがとうございます」

　そう言ってギルドマスターは、ゴブリン討伐完了の報酬に加え、余分の石斧とボブゴブリンの石斧を買い取ってくれた。
　その額は占めて８０００ゴールド。
　というか、内訳の大半がボブゴブリンの石斧だったという。
　あれって、高額で買い取れるんだねぇ……。

「ボブゴブリンはＣランクの魔物なので……、普通のＥランクの冒険者では勝ち目がないんですよね。 ネディネちゃんとルクス君だから上手く倒せたんですし」

「あはは……」

　ボブゴブリンが頭一つ上のＣランクの魔物だったとは……。
　何事もなく普通に倒しちゃったボク達もギルドマスターも苦笑いしていた。

　最初の報酬を受け取ったボク達は、次は薬草の採取依頼をこなして報酬としてポーションを１０個貰った所で今日の冒険者活動は終わった。
　後は寝るまで彼と楽しむことにしよう。