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05 ルーくんは辛い経験をしたそうです
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「そんな事が……」
「しかもご両親が亡くなられてたなんて……」
「しかもルーくんが魔法剣士だからって置いてけぼりしたりするのは『世界冒険者連盟』が制定したルールに違反してるよね」
ルーくんことルクス・フォートナイト君が話した内容に、ボクとアメリア、カトレア叔母さんもショックを受けていた。
まず、ルーくんの家族……フォートナイト家はボクの毒親によってこの町を追放されてからは何とか北側の最果ての町の『アポス』に着いたのだとか。
そこでお金を稼ぐために、ルーくんの父親は冒険者に、母親は酒場で働き始めた。
そうやって三年間過ごしたのだが、父親はパーティの裏切りに遭い、そのまま魔物に食い殺され、母親も不治の病にかかって亡くなったらしい。
そこで密かに父親に鍛えられたルーくんも冒険者になろうと立ち上がる。
アポスのギルドで適性を調べたところ魔法剣士だったようで、さらに初心者ということもあってギルドによってあるパーティに加入させたのだ。
しかし、そのパーティは魔法剣士であるルーくんをここから北の森で放置して戻っていったのだとか。
それでもボクを助けると決意していたルーくんは必死でボロボロになりながらも魔物を駆逐し、飲まず食わずでここまでたどり着いたという事だった。
「とにかく私はギルドにルクス君がどういう扱いになってるか調べてもらうと同時に生きていると伝えて来るわ」
「うん、お願いね、叔母さん」
内心で怒り心頭のカタリナ叔母さんは、ギルドに調べてもらうのとルーくんの生存を伝えるとの事だ。
全て話して俯くルーくんをボクは優しく抱きしめる。
「ネディ……?」
「辛かったんだね……キミも。 よく……がんばったよ」
「ああ……、この温もり……懐かしいよ」
ボクに抱きしめられたルーくんは不意にそう口走った。
昔、よく遊んでいた時にボクが彼によく抱き着いていたんだよね。
彼もそれで温もりを感じていたんだと思うと、少し恥ずかしいけどそれ以前に彼を感じる事が出来たから良しとしよう。
「そういえばお姉さま。 『世界冒険者連盟』が制定したルールって追放の禁止と職業差別の禁止がメインですか?」
「うん。 これは学校で習った事項だけどね。 他にも虚偽報告も厳罰対象だったかな? それらを犯すとよくてランクダウン、最悪で冒険者資格の剥奪だね」
「うわぁ……、徹底してますね」
「昔、追放やら職業差別が横行していたらしくてね。 それで冒険者人口が激減したから各国で『世界冒険者連盟』を作ってこういうルールを設定したんだよ。 世界共通ルールとしてね」
「なるほど……」
ルーくんが落ち着いたのを見計らってか、アメリアが『世界冒険者連盟』に関する事を聞いてきた。
アメリアは『聖女』で教会所属になってるから、冒険者としてのルールが気になったのだろうね。
そこでボクが学校で習った事項を簡単に説明したのだ。
「戻ったわ」
「あ、叔母さんお帰り」
「お母さま、どうでしたか?」
アメリアへの説明が終わると同時に、ギルドに行っていたカタリナ叔母さんが戻って来た。
さて、ルーくんの扱いについてどうなってるのかな……?
「しかもご両親が亡くなられてたなんて……」
「しかもルーくんが魔法剣士だからって置いてけぼりしたりするのは『世界冒険者連盟』が制定したルールに違反してるよね」
ルーくんことルクス・フォートナイト君が話した内容に、ボクとアメリア、カトレア叔母さんもショックを受けていた。
まず、ルーくんの家族……フォートナイト家はボクの毒親によってこの町を追放されてからは何とか北側の最果ての町の『アポス』に着いたのだとか。
そこでお金を稼ぐために、ルーくんの父親は冒険者に、母親は酒場で働き始めた。
そうやって三年間過ごしたのだが、父親はパーティの裏切りに遭い、そのまま魔物に食い殺され、母親も不治の病にかかって亡くなったらしい。
そこで密かに父親に鍛えられたルーくんも冒険者になろうと立ち上がる。
アポスのギルドで適性を調べたところ魔法剣士だったようで、さらに初心者ということもあってギルドによってあるパーティに加入させたのだ。
しかし、そのパーティは魔法剣士であるルーくんをここから北の森で放置して戻っていったのだとか。
それでもボクを助けると決意していたルーくんは必死でボロボロになりながらも魔物を駆逐し、飲まず食わずでここまでたどり着いたという事だった。
「とにかく私はギルドにルクス君がどういう扱いになってるか調べてもらうと同時に生きていると伝えて来るわ」
「うん、お願いね、叔母さん」
内心で怒り心頭のカタリナ叔母さんは、ギルドに調べてもらうのとルーくんの生存を伝えるとの事だ。
全て話して俯くルーくんをボクは優しく抱きしめる。
「ネディ……?」
「辛かったんだね……キミも。 よく……がんばったよ」
「ああ……、この温もり……懐かしいよ」
ボクに抱きしめられたルーくんは不意にそう口走った。
昔、よく遊んでいた時にボクが彼によく抱き着いていたんだよね。
彼もそれで温もりを感じていたんだと思うと、少し恥ずかしいけどそれ以前に彼を感じる事が出来たから良しとしよう。
「そういえばお姉さま。 『世界冒険者連盟』が制定したルールって追放の禁止と職業差別の禁止がメインですか?」
「うん。 これは学校で習った事項だけどね。 他にも虚偽報告も厳罰対象だったかな? それらを犯すとよくてランクダウン、最悪で冒険者資格の剥奪だね」
「うわぁ……、徹底してますね」
「昔、追放やら職業差別が横行していたらしくてね。 それで冒険者人口が激減したから各国で『世界冒険者連盟』を作ってこういうルールを設定したんだよ。 世界共通ルールとしてね」
「なるほど……」
ルーくんが落ち着いたのを見計らってか、アメリアが『世界冒険者連盟』に関する事を聞いてきた。
アメリアは『聖女』で教会所属になってるから、冒険者としてのルールが気になったのだろうね。
そこでボクが学校で習った事項を簡単に説明したのだ。
「戻ったわ」
「あ、叔母さんお帰り」
「お母さま、どうでしたか?」
アメリアへの説明が終わると同時に、ギルドに行っていたカタリナ叔母さんが戻って来た。
さて、ルーくんの扱いについてどうなってるのかな……?
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