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01 魔法学校、卒業しました

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「ふぅ、これでやっと魔法学校卒業かぁ」

「そうねー。 特にネディネはなまじ優秀が故に望まぬ形でこの学校に入学させられたクチだからね」

「本当だよ。 まぁ、ここを卒業しても冒険者はやっていけるしね」

 ボクの名前はネディネ・カトワール。
 ようやく三年の時を経て、フェデリック王国の王都にある『フェデリック魔法学校』を卒業できた。
 この魔法学校に入学させたのは他ならぬボクの両親。
 出世欲の強い両親は、カトワール領の領主だけでは満足できずに、ボクをこっそり魔力測定させて高い魔力を持ったが故にボクの意思を無視してこの魔法学校に入学させたのである。
 手抜きしたくても試験でも毒親が見張ってて手を抜くことができなかった結果、主席合格になってしまった事に頭を抱えたのは忘れない。
 どうも毒親の目的は、主席卒業をさせて王宮魔術師に就職させることで家を出世させようと考えていたようだ。
 さらにボクと幼馴染の男の子と仲がいい状態を不快感に思ってたらしく、無理やりにでも別れさせる為でもあったらしいと、姉夫婦が教えてくれた。
 幸い、ボクの異変をその姉夫婦が気付いて国王の助力をもって、毒親を秘境に追放したはいいけど、この魔法学校は最低でも三年は在籍しないといけない決まりがあり、さらに寮生活なので毒親によって家族ごと追放されたボクの好きな幼馴染を探すことができないまま三年を過ごしたのだ。

「ネディネ程のレベルなら王宮魔術師をやっていけるけど、冒険者になるの?」

「うん。 さっきも言ったけど毒親のせいで無理やり試験を受けさせられて手抜きすら出来なかったからね」

「そっかぁ。 今のカトワール領は確か姉夫婦が営んでいるんだって?」

「そうなるね。 毒親が治めていた時よりは雰囲気がいいって評判だよ」

「それはよかったよ。 ネディネの元両親は貴族主義国家との癒着もあり、貴方を嫁がせようとしたんだって?」

「そうならなくて良かったと思ってるよ」

 カトワール領も領主が姉夫婦に変わってから領民の雰囲気も良くなった。
 それだけ毒親が自分の考えを無理やり押し付けていたのだろうと想像する。
 そもそもフェデリック王国は、身分による制限を設ける事は違法であるのだが、毒親はその違法行為に染まらせていたのであった。
 その証拠として姉夫婦が国王に提出したのが、貴族主義のカバール王国との癒着であった。
 その中にボクを王宮魔術師として活躍させて公爵クラスに出世させて、その貴族主義の国家の王族に嫁がせようとしていた計画書もあった。
 それによって国王が毒親を秘境への追放刑に処したことと、姉夫婦に今後のカトワール領を任せる事で解決したのだ。

「じゃあ、私はここで。 ネディネも実家で冒険者活動頑張ってね」

「うん、機会があれば会おうね!」

 校門に差し掛かった所で、友達を別れてボクはカトワール領へ向かう馬車に乗るために停留所に向かう。
 王都からカトワール領には3日掛かるから、途中の町に寝泊まりする必要がある。
 姉夫婦の元に戻ったら、冒険者デビューしつつ、好きな『彼』の行方を探さないとね。

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