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その頃の静香と柚希 その2
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「踝グループって、確か大手ゲーム会社を二つ抱えていて、さらに地方にスーパーマーケット事業を展開させたグループ会社……で合ってるです?」
「はい。 それで合ってますよ。 どうもその御曹司は生徒会を支配して自分の思うままの思想に染まらせたかったんだと」
「それが、あのバレンタイン騒動に繋がると?」
「彼の通っていた中学はバレンタイン禁止でしたからね。 それ以外の行事も教師主導に進んでいるように見えて不満だったようですね」
「うわぁ」
柚希ちゃんが確認した話だと、踝は大手ゲーム会社を二つ抱え、さらに地方にスーパーマーケット事業を展開している家系らしい。
私にとって聞きなれないグループの名前が出てきただけでも驚きなのに、その御曹司が兄や和人さんが通う公立校に通っていたのだから、驚きも二倍だ。
和人さんも楠家の御曹司だが、楠家のしたきりで公立校に入っているが、踝グループの御曹司はどうも自分の考えを染まらせたいために私立ではなく公立を選んだようだ。
「厄介な事に彼の思想の賛同者が多かったのも今まで問題が引き延ばされていた要因でもありますね」
「それで、どうなったのです?」
柚希ちゃんは心配そうに聞いてくる。
楠家と比べればそこそこだが、それでも大きな家系なので和人さんやお兄ちゃんが危ないかもしれないからだ。
「どうも学校に踝家の会長の祖父と当代の父親が姿を現し……そのままお兄さんやご子息様達クラスメイトに土下座で謝罪したのです」
「土下座で!?」
「件の生徒会長は謝罪を拒みましたが、父親に無理やり謝罪させたようですね。 その後、支持者と共に踝家に連れられ、教育のやり直しをするとの事で。 卒業は……できても就職や進学は無理でしょうね」
「内定ならびに大学の入学取り消しとかにされるとか?」
「分かりませんが、そうでしょうね……」
話を聞いた私と柚希ちゃんはホッとしたと同時に、呆れてしまった。
まさか、踝家の会長と当代がわざわざ土下座で謝罪しに来るとは……。
しかも父親に怒られるまで謝罪を拒むとか……なんだかなぁって感じになる。
「とにかく、これで明日の生徒会の選出は平和に行われるようですよ」
「それはよかったのです」
「ホント、最後まで騒々しい生徒会だったというわけだね」
これで和人さんとお兄ちゃんの心が晴れるといいなぁ。
さて、そろそろ私達も動かないと。
「そろそろ校門前に行くのです。 プレゼントも今日の運転手さんに預けてもらっているのです」
「ふふ、渡すのが楽しみだねぇ」
「私もです。 手作りのクッキー、真人お兄ちゃんに喜んでもらえたら嬉しい事はないのです♪」
「お二人は相当楽しみで一杯ですね。 じゃあ、車が来るのを待ちましょうか」
ようやく向こうも平和を取り戻したようなので、私と柚希ちゃんは兄や和人さんがいる高校に向けて走らせる車を待っていた。
いよいよ、バレンタインのプレゼントを渡す時だ。
ドキドキしてきたなぁ……。
「はい。 それで合ってますよ。 どうもその御曹司は生徒会を支配して自分の思うままの思想に染まらせたかったんだと」
「それが、あのバレンタイン騒動に繋がると?」
「彼の通っていた中学はバレンタイン禁止でしたからね。 それ以外の行事も教師主導に進んでいるように見えて不満だったようですね」
「うわぁ」
柚希ちゃんが確認した話だと、踝は大手ゲーム会社を二つ抱え、さらに地方にスーパーマーケット事業を展開している家系らしい。
私にとって聞きなれないグループの名前が出てきただけでも驚きなのに、その御曹司が兄や和人さんが通う公立校に通っていたのだから、驚きも二倍だ。
和人さんも楠家の御曹司だが、楠家のしたきりで公立校に入っているが、踝グループの御曹司はどうも自分の考えを染まらせたいために私立ではなく公立を選んだようだ。
「厄介な事に彼の思想の賛同者が多かったのも今まで問題が引き延ばされていた要因でもありますね」
「それで、どうなったのです?」
柚希ちゃんは心配そうに聞いてくる。
楠家と比べればそこそこだが、それでも大きな家系なので和人さんやお兄ちゃんが危ないかもしれないからだ。
「どうも学校に踝家の会長の祖父と当代の父親が姿を現し……そのままお兄さんやご子息様達クラスメイトに土下座で謝罪したのです」
「土下座で!?」
「件の生徒会長は謝罪を拒みましたが、父親に無理やり謝罪させたようですね。 その後、支持者と共に踝家に連れられ、教育のやり直しをするとの事で。 卒業は……できても就職や進学は無理でしょうね」
「内定ならびに大学の入学取り消しとかにされるとか?」
「分かりませんが、そうでしょうね……」
話を聞いた私と柚希ちゃんはホッとしたと同時に、呆れてしまった。
まさか、踝家の会長と当代がわざわざ土下座で謝罪しに来るとは……。
しかも父親に怒られるまで謝罪を拒むとか……なんだかなぁって感じになる。
「とにかく、これで明日の生徒会の選出は平和に行われるようですよ」
「それはよかったのです」
「ホント、最後まで騒々しい生徒会だったというわけだね」
これで和人さんとお兄ちゃんの心が晴れるといいなぁ。
さて、そろそろ私達も動かないと。
「そろそろ校門前に行くのです。 プレゼントも今日の運転手さんに預けてもらっているのです」
「ふふ、渡すのが楽しみだねぇ」
「私もです。 手作りのクッキー、真人お兄ちゃんに喜んでもらえたら嬉しい事はないのです♪」
「お二人は相当楽しみで一杯ですね。 じゃあ、車が来るのを待ちましょうか」
ようやく向こうも平和を取り戻したようなので、私と柚希ちゃんは兄や和人さんがいる高校に向けて走らせる車を待っていた。
いよいよ、バレンタインのプレゼントを渡す時だ。
ドキドキしてきたなぁ……。
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