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柚希ちゃんと静香の久しぶりの登校

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「お兄ちゃん、和人さん、行くよー」

「兄様、真人お兄ちゃん、早くなのです」

「わかった、わかったから二人とも急かすな!」

「柚希ちゃんも静香も、やっと学校に通えるからか、テンション高いなぁ」

 2日後の朝。
 ようやく学校に通えるのか、テンションの高い静香と柚希ちゃんに急かされるかのように車に乗り込む。
 昨日は、柚希ちゃんの希望で一緒に風呂に入って目の保養になった事で興奮したり、寝る前に抱きしめたりキスをしたりなどで柚希ちゃん成分をたっぷり補給した。
 今日も車内で俺が柚希ちゃんの隣に座り、柚希ちゃんを抱き寄せたり、頭を撫でたりした。
 満足そうな表情を浮かべる柚希ちゃんを見て、同乗している轟姉妹が微笑ましい表情を浮かべた。

「本当にお嬢様は、お兄さんが好きなんですねぇ」

「まぁ、あの嘘告白後に柚希ちゃんと出会ってから、急速に仲が深まった感じだからね。 柚希ちゃんのおかげで今年も楽しく過ごせそうだよ」

「あ、そろそろ葉月中の校門前に着きますね」

 轟姉妹と軽く話していると、葉月中の校門前に着いたらしい。

「では、今日も頑張って下さいです、真人お兄ちゃん」

「ああ、柚希ちゃんも頑張れよ」

「和人さん、お兄ちゃんをお願いね」

「大丈夫だ。 裕也や縁もいるからな」

 和人と俺にそれぞれ声を掛けた柚希ちゃんと静香は車を降りて、轟姉妹と共に葉月中の校門をくぐった。

「さて、俺達も急ごう。 運転手さん、頼みます」

「了解です」

 和人は運転手さんに声を掛けると、すぐに俺達の通う高校に向けて車を走らせた。
 今回の車は、おじさんの黒塗りの高級車ではなく、赤の高級車だ。

「親父は、お袋の手伝いやアイドル事務所などへのフォローに奔走してるからな」

「そういや、あの新聞社はすぐに潰れたらしいな」

「というか、破産法を申請したばっかだしな。 まぁ、事実上倒産したといえばそうだな」

 アンチを中心に人気だった『葛川新聞社』は、昨日付けで破産法を申請したらしい。
 つまりは事実上の倒産となったわけだ。
 世界には、幾つかのゴシップ誌の会社が存在しているが、ここまで酷いゴシップの会社はないだろうな。
 報道の自由を盾に他人のプライベートを平気で侵害しにくるんだし。

「あの会社が破産法を申請した事でアンチがどう出るかが不安要素だがな」

「まぁ、そこはお袋の裁量に任せるしかないだろうな。 別の掲示板に集まったら手は出せないが、例のSNSなら規約を変えて、誹謗中傷の判定を厳しくして、即削除かつ垢の永久凍結もするらしいから」

 今後のアンチの動きが不明瞭だが、和人はおばさんの裁量に任せるしかないと言った。
 別の掲示板に集まったら手は出せないらしいが、敵対的TOBで買収した例のSNSなら規約を変えて、誹謗中傷の判定を厳しくして、即削除かつ垢の永久凍結もするんだとか。
 まぁ、それくらいしかできないだろうし、確かにおばさんの裁量に委ねた方がいい。

「お、校門が見えて来たな」

「そうだな。 俺達も降りて校門へ行こう」

 そう言いながら俺達は、車を降りていつも通りに校門をくぐった。

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