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ゴシップ記者に目を付けられたらしい

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「え!? 俺達も楠家にしばらく泊まる!?」

『ああ、あのゴシップ記者野郎が件のアイドルメンバーの一人が柚希と静香ちゃんと小学生時代のクラスメイトだったという情報を入手しやがったんでな。 二人は奴らに目を付けられた』

「どうやって入手したんだよ……」

『あいつら、探偵を雇ってあらゆる筋から情報を得ていたんだよ。 しかもイリーガルなやり方でな』

「それ、最早ゴシップじゃないような……」

 学校の開始前の『七草祭』が始まる前日。
 突然、和人から着信が入ったので、対応したらとんでもない情報を聞く羽目になった。
 まさか、あの『フェアリー・ライト』のアイドルの一人が小学生時代の柚希ちゃんや静香とクラスメイトだったとはな。
 それによって柚希ちゃんと静香が、ゴシップ記者に目を付けられたらしい。
 だが、静香はその事を話した事はないんだが、俺が知らないだけか?

『柚希が思い出したらしいのだが、確かにクラスメイトだったが、当時の人物は人を寄せ付けない雰囲気があったらしく、近寄れなかったらしい』

「という事は?」

『あくまで予測だが、彼女の両親が危機感を抱いた為にアイドルにしようとしたんだろうな』

「その可能性は強いか……」

 件のアイドルの一人が当時は近寄りがたい雰囲気を持っていたのなら、話す機会もないから記憶が薄れる筈だ。
 さらに聞いた話だと、柚希ちゃんと静香の友人も小学生時代は同じクラスメイトだとか……。

「それで静香は?」

『先に楠家に匿っている。 お前の両親も一緒だ。 親父が車で迎えに来るからそれまで待っててくれ。 お前の家には代わりに優秀な護衛が守るから』

「わかった。 待機しておくよ」

『気をつけろよ。 静香ちゃんに目を付けたって事は、お前や両親も奴らに目を付けられるって事だからな』

「ああ、気をつける」

 そう言って俺は通話を終えた。
 しかし、えらいことになったなぁ……。
 よりによって『七草祭』直前にそのような情報が出回る事になるとはね。

(和人は、そのゴシップ記者が俺にも目を付けるって言ったなぁ)

 和人からそう言われた事を思い出した俺は隠れる場所を確保しようとしたら、スマホから着信ありのメッセージが入った。

(マジか……)

 見てみると非通知で掛かってきたらしい。
 非通知や連絡帳に記録していない番号は着信拒否していたのが良かったようだ。

(ネタにするためにここまでするか……!)

 同時にゴシップ記者に対する怒りが沸いてきた。
 ネタにするためにここまでするのか……と。

 内心で怒りが修まらない俺。
 そんな俺に、今度はおじさんからの着信があった。
 どうやら、迎えに来てくれたらしい。
 着替えや必要な物を持っておじさんの黒塗りの高級車に乗り、楠家へと向かった。

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