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柚希ちゃんと初詣、そして……

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 七草祭の一件で長引くわけにはいかないので、お節料理を食べた後で、朝まで少し眠ってから気を取り直して初詣に行く事にした。

「ここはあまり混まないから初詣しやすいね」

「ああ、他の神社は激混みらしいぞ」

 俺達がやって来た神社は、あまり人手がない小さな神社。
 だが、大谷家では必ずこの神社で初詣をしているのだ。

「ニュースでも見たのです。 有名どころの神社だと私ははぐれちゃう自信があるのです」

「俺が腕を組んで一緒に歩けば多少はマシだろうけど」

「今でも腕組みしちゃいます?」

「柚希ちゃんが望むならしようか」

「はいです♪」

 柚希ちゃんが笑顔で俺の腕を組んでくる。
 密着する形なので、彼女の温もりがしっかり伝わる。
 今日はかなり寒い日だが、柚希ちゃんのおかげで温かくなりそうだ。

「さて、お賽銭入れるか」

 小さい神社なので、順番にお賽銭を投げて祈願する。
 賽銭に使ったお金は15円。
 十分ご縁があるようにという意味を持って使ったのだ。

 お参りを終えて、神社を出た後で一度俺達の家に戻る。
 その時も柚希ちゃんと腕を組んで温もりを体感していたなぁ、
 その後は、かるたなどで沢山遊び、夕方になった時におじさんが迎えに来た。

「やあ、あけましておめでとう。 真人君と静香君、今年もよろしく」

「おじさんも、こちらこそよろしくお願いします」

 俺と静香は、おじさんにも挨拶を交わしたあと、ある話をした。

「おじさんは、長月中の事は知っていますか?」

「ああ、知ってるよ。 あそこは実は私の従姉が教師をしているからね」

「そうなんですか?」

 初めて聞いたぞ、その話。
 和人や柚希ちゃんに聞いても、会ってないし知らないと言った。

「ああ、息子たちや君達は会ってないんだったな。 我が従姉は長月中で美術の教師をしていてな。 私は彼女からそういう話を聞かされたのだ。 しかし、『七草祭』が共同開催できない位にゴシップ記者が集まるとはね」

「アイドルが転校してきたことは触れないんですね」

「アイドルの子自体が転校するには問題はないさ。 ただ、彼女らが有名アイドルだったのがまずかったのかもな」

「ああ、有名になったらこの手のゴシップ記者がネタを探しに回るからな」

「だけど、余りにも度が過ぎると思うのです」

「そうだな。 下手したら柚希や静香君にも影響を受けるかもしれないからな。 万一の事に備えて弁護士を用意しておくとしよう」

 おじさんはいざという時の為に弁護士を用意すると言った。
 警察に動いてもらうためだろうか?
 今の俺達じゃゴシップ記者相手に何もできないから、おじさんに任せようかな?

 だが、七草祭の1日前の日に、長月中だけでなく柚希ちゃんと静香……いや、葉月中の生徒たちまでそんな目に遭っていると知ることになる……。

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