上 下
3 / 102

柚希ちゃんの告白

しおりを挟む
「ごめんな柚希ちゃん。 甘えさせてしまって」

「いえいえ、むしろ食欲が戻ってよかったのです」

「そうだね。 本当によかったよ」

 暫く柚希ちゃんの胸に埋めた後、落ち着きを取り戻し、改めて夕飯を食べる俺達。
 一時、味を感じなかったが今は普通に美味しく食べられる。

(しかし、柚希ちゃんの胸…、柔らかかっな…)

 柚希ちゃんがいる手前なので、口には出さないが、彼女の胸は柔らかかった。
 埋めている間は、その温もりに安心して寝てしまいそうだったのだ。

「真人お兄ちゃん」

「なんだい、柚希ちゃん?」

 柚希ちゃんがこちらを見ながら俺を呼ぶ。 俺もそれに反応して柚希ちゃんの顔を見る。

「こうして顔を合わせるのは初めてですけど、真人お兄ちゃんをこれからも支えたいのです」

「柚希ちゃん…」

 柚希ちゃんの支えたいという告白に、俺の心臓はバクンと高鳴る。

「私に出来る事が限られるのは分かってるのです。 でも、兄様という友達がいても、お兄ちゃんが一人で抱え込みそうな予感がするのです」

(お兄ちゃんと出会ってすぐにそこまで…!?  確かに家族関係とかは私が話してるけど…)

 続けて話す柚希ちゃんの発言に、静香も驚いていた。 家族関係とかは静香からも話をしているとはいえ、顔を合わせて間もないのに、俺の心情を読み取るとか…。
 この兄にしてこの妹あり…と言うのだろうか。 血は争えないな。和人も和人でエグい行動力だから。
 それに、表情からして柚希ちゃんは真剣だ。 本気で俺を支えたいというのが伝わる。 だから…。

「顔を合わせて間もないけど、こんな俺でいいなら、これからもよろしく頼むよ」

「はいなのです!」

 俺なりの今の精一杯の返事をすると、柚希ちゃんは満面の笑顔で応えた。

(笑顔が可愛いなぁ)

 そんな柚希ちゃんの笑顔にまた、俺の心は癒される。
 まぁ、静香が苦笑いしてはいたが…。
 そうしている内に、夕飯も食べ終わり、改めて和人に連絡する。 
 車で迎えに来るとの事だ。

「柚希ちゃん。 和人とお父さんが車で迎えに来るから、それまで寛いでくれるかな?」

「はいです。 せっかくですから、その間は一緒にお話をしたいのです」

「あはは、分かったよ」

 柚希ちゃんに満面の笑顔で、俺と話がしたいと言われたので、照れながら応じた。 やはり、笑顔が可愛いから癒されるなぁ。

「じゃあ片付けは私がやっておくよ」

「ごめん、頼むよ。 じゃ、柚希ちゃん。 リビングに行こうか」

「はいなのです!」

 笑顔を保ったままの柚希ちゃんを連れてリビングに向かう。 
 そこで改めて今の家族構成や家族関係などを話したり世間話をした。 静香が義理の妹だというのは、静香自身が柚希ちゃんに話をしたらしくて知っていたようだ。
 だが、俺を連れて父親が離婚した経緯とかはまだ柚希ちゃんには打ち明けなかった。 余りにも思い出したくはない理由だったからだ。 和人とおじさんは知っているのだが…、柚希ちゃんには、ある程度仲良くなってから打ち明けようと考えていた。

「お兄ちゃん。 和人さん達が来たよ」

 そう考えながら、柚希ちゃんと話をしていると静香から和人達が来たという報告が入った。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【R18】通学路ですれ違うお姉さんに僕は食べられてしまった

ねんごろ
恋愛
小学4年生の頃。 僕は通学路で毎朝すれ違うお姉さんに… 食べられてしまったんだ……

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。 病院で診てくれた医師は幼馴染みだった! 「こんなにかわいくなって・・・。」 10年ぶりに再会した私たち。 お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。 かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」 幼馴染『千秋』。 通称『ちーちゃん』。 きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。 千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」 自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。 ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」 かざねは悩む。 かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?) ※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。 想像の中だけでお楽しみください。 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。 すずなり。

処理中です...