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16話
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遠浅の海の先にある白い砂浜とその奥に見えるそびえ立つ崖とこんもりとした森。その様子は燁にとってどこか懐かしい。
あれ……?ここ……
藍に続いて船から降りると、膝下まである波をザバザバとかき分けながら岸に向かって歩く。
そんなに広くない砂浜。島自体も小さく、切り立った崖ばかりでこの浜以外に船が着けるような場所はない。しかも浜も遠浅のため船は島に直接着けることはできず、島に上陸できるのは一日の中でも限られた時間だけだ。燁たちは少し離れたところに船を停めてもらい、そこから歩いて島へと入る。
広がる空。海。振り返ると、ずっと遠くに見える島影。今降りたばかりの船が、波しぶきを上げながら離れていく。
ここ……知ってる……
浜に上がった燁は、森に向かう細い小道に向かって足を早める。細い、獣道と言っても過言でない道。長い間人が通っていなかったせいで、ジャングルのようになっている。
草木をかき分けながらゆるい上り坂をしばらく進むと、急に開けた場所に出る。広がる草原と少し先にぽつんと見える建物。その先にはまた森が広がっていて、その森の中に小さな泉があることを燁は知っている。その泉の中心には、小さな祠があって、そこには瑞獣が祀られている。その瑞獣を象った耳飾りは、燁と藍の耳元で変わらずに輝いている。
ここは……
「ホーム……?」
あとから追い着いた藍を振り返って燁は呟く。
自分たちが暮らしていた島を、彼ら……火群の隊長たちは『家』と呼んだ。他に行く場のない者の多かった彼らにとって、そこは我が家と言って過言ではなかった。そこで日々生活をし、そこから戦いの前線に出ていき、前線から帰ってくる。戦いの疲れを癒す場所、守りたい場所。それを『家』と言わず何と言えばいいのだろうか。
「……だな」
ぼんやりと、魂の抜けたような表情を浮かべる燁を見て、藍は苦笑する。
まぁ……オレも同じか……
まさか、再びこの島に足を踏み入れるときが来るとは思わなかった。もし、そのときが来るとしても、きっともっとずっと先のことだろうと思っていた。燁のように何も知らされず、気付かずに島に来たら、藍も同じような反応だったかもしれない。
「わーー!ここが家なんだね~」
藍の後ろからやってきた人物が、キョロキョロと周囲を見回しながら声をあげる。
……?
「……えーと?海……って言ったっけ?」
藍は少し眉根を寄せて眉間を押さえながら、海の方に向き直る。燁も何事かと言う顔で、こちらを見ている。
「なんでいるんだ?」
「??」
その言葉に海はコテンと首を傾げて不思議そうな表情を浮かべる。深い海色の瞳に、藍の少し困ったような表情が映っている。
いやいやいや……
その不思議なのはこっちだから。
海は一瞬考えたような表情になったあとに、ポンっと手を叩いてにっこり笑うとスッと背筋を伸ばし指ぬきグローブをはめた左手を腹の前に置き、右手を後ろに回す。
「申し遅れました。僕は海・ルーラー。火群地軍の隊員で、隊長の命でこちらの島に来ました」
五行の力を源とする火群は、その属性により五つの隊に分けられる。木々の力を操る樹軍、火の力を操る炎軍、土の力を操る地軍、鉱物や金属の力を操る金軍、水の力を操る水軍。海の言う『地軍』の隊長は、火群全体を統括する総隊長でもある。それが、巴だ。
「水軍・炎軍の両隊長の力になるようにとのことです」
水軍の隊長とはすなわち藍のことであり、同じく炎軍隊長は燁のことだ。
……なるほど
……
「って、そんなら船で言えよ!」
燁が海をビシッと叩いて突っ込む。
散々遊んだ後じゃねーか
「あはは……そうだねぇ。でも、あそこで何か言って信じた?」
「いや、信じねぇ」
キリリとした表情できっぱりと言い切る燁に「でしょ?」と言葉を返して海は笑う。
「この島は”選ばれた者”しか入れないから、ここで説明するほうが早いかなって」
遠浅で船が着きづらいという他にも、どうやら巴の手により島には結界が張られているようだ。
どうりで荒らされてないはずだ
草原をサクサク歩いて、藍は島内で唯一とも言える建物……彼らの家へと向かう。
少し大きなログハウスのような作りの一軒家が、彼ら……火群の隊長たちがこの島に滞在するときに利用していた、彼らの『我が家』とも言うべき場所だった。
藍が玄関のドアノブに手をかけると、少し鈍い音を立ててドアが開く。不用心だと一瞬思うけれど、他の人間や猛獣の類もいないこの島では、鍵をかける必要がなかったのだった。
薄暗い室内は、少し冷たい空気で満たされていた。固く閉じられたカーテンを開けると、光が部差し込み、部屋の隅々まで照らす。
みんなで食事をした広いダイニングテーブル、暖炉の火を囲んでゲームをしたり語り合ったりしたリビング、そっけないほどに片付けられたキッチンではいつも美味しい食事が準備されていた。
今でも、あの頃をすぐにリアルに思い出せる。
懐かしさに胸がギュッと詰まるとともに、積もった埃に過ぎた時の長さも感じる。
「すげー……あの頃のままだ……」
藍の隣に立つ燁も呆然とした表情でつぶやいた。
そう。あの頃のままなのだ。まるで時を止めていたかのようにあの頃と同じ。違うのは、他の仲間たちがいないこと。他の仲間たちをこの場所に呼ぶ必要があること。
ふーっと大きく息を吐いて、藍は海の方に向き直る。
「他の隊長たちの居場所の目星はついてるのか?」
藍が燁を探しに出るときは、まだ他の二人の居場所は全くわからなかった。
「うん。大体のところはね。そっちには、巴くんが手を回すって言ってたよ」
「そうか……」
それなら、やることは……できることはある。
「じゃ、さっそく部屋の掃除でもするかー!」
「おう!」
「うん♪」
あれ……?ここ……
藍に続いて船から降りると、膝下まである波をザバザバとかき分けながら岸に向かって歩く。
そんなに広くない砂浜。島自体も小さく、切り立った崖ばかりでこの浜以外に船が着けるような場所はない。しかも浜も遠浅のため船は島に直接着けることはできず、島に上陸できるのは一日の中でも限られた時間だけだ。燁たちは少し離れたところに船を停めてもらい、そこから歩いて島へと入る。
広がる空。海。振り返ると、ずっと遠くに見える島影。今降りたばかりの船が、波しぶきを上げながら離れていく。
ここ……知ってる……
浜に上がった燁は、森に向かう細い小道に向かって足を早める。細い、獣道と言っても過言でない道。長い間人が通っていなかったせいで、ジャングルのようになっている。
草木をかき分けながらゆるい上り坂をしばらく進むと、急に開けた場所に出る。広がる草原と少し先にぽつんと見える建物。その先にはまた森が広がっていて、その森の中に小さな泉があることを燁は知っている。その泉の中心には、小さな祠があって、そこには瑞獣が祀られている。その瑞獣を象った耳飾りは、燁と藍の耳元で変わらずに輝いている。
ここは……
「ホーム……?」
あとから追い着いた藍を振り返って燁は呟く。
自分たちが暮らしていた島を、彼ら……火群の隊長たちは『家』と呼んだ。他に行く場のない者の多かった彼らにとって、そこは我が家と言って過言ではなかった。そこで日々生活をし、そこから戦いの前線に出ていき、前線から帰ってくる。戦いの疲れを癒す場所、守りたい場所。それを『家』と言わず何と言えばいいのだろうか。
「……だな」
ぼんやりと、魂の抜けたような表情を浮かべる燁を見て、藍は苦笑する。
まぁ……オレも同じか……
まさか、再びこの島に足を踏み入れるときが来るとは思わなかった。もし、そのときが来るとしても、きっともっとずっと先のことだろうと思っていた。燁のように何も知らされず、気付かずに島に来たら、藍も同じような反応だったかもしれない。
「わーー!ここが家なんだね~」
藍の後ろからやってきた人物が、キョロキョロと周囲を見回しながら声をあげる。
……?
「……えーと?海……って言ったっけ?」
藍は少し眉根を寄せて眉間を押さえながら、海の方に向き直る。燁も何事かと言う顔で、こちらを見ている。
「なんでいるんだ?」
「??」
その言葉に海はコテンと首を傾げて不思議そうな表情を浮かべる。深い海色の瞳に、藍の少し困ったような表情が映っている。
いやいやいや……
その不思議なのはこっちだから。
海は一瞬考えたような表情になったあとに、ポンっと手を叩いてにっこり笑うとスッと背筋を伸ばし指ぬきグローブをはめた左手を腹の前に置き、右手を後ろに回す。
「申し遅れました。僕は海・ルーラー。火群地軍の隊員で、隊長の命でこちらの島に来ました」
五行の力を源とする火群は、その属性により五つの隊に分けられる。木々の力を操る樹軍、火の力を操る炎軍、土の力を操る地軍、鉱物や金属の力を操る金軍、水の力を操る水軍。海の言う『地軍』の隊長は、火群全体を統括する総隊長でもある。それが、巴だ。
「水軍・炎軍の両隊長の力になるようにとのことです」
水軍の隊長とはすなわち藍のことであり、同じく炎軍隊長は燁のことだ。
……なるほど
……
「って、そんなら船で言えよ!」
燁が海をビシッと叩いて突っ込む。
散々遊んだ後じゃねーか
「あはは……そうだねぇ。でも、あそこで何か言って信じた?」
「いや、信じねぇ」
キリリとした表情できっぱりと言い切る燁に「でしょ?」と言葉を返して海は笑う。
「この島は”選ばれた者”しか入れないから、ここで説明するほうが早いかなって」
遠浅で船が着きづらいという他にも、どうやら巴の手により島には結界が張られているようだ。
どうりで荒らされてないはずだ
草原をサクサク歩いて、藍は島内で唯一とも言える建物……彼らの家へと向かう。
少し大きなログハウスのような作りの一軒家が、彼ら……火群の隊長たちがこの島に滞在するときに利用していた、彼らの『我が家』とも言うべき場所だった。
藍が玄関のドアノブに手をかけると、少し鈍い音を立ててドアが開く。不用心だと一瞬思うけれど、他の人間や猛獣の類もいないこの島では、鍵をかける必要がなかったのだった。
薄暗い室内は、少し冷たい空気で満たされていた。固く閉じられたカーテンを開けると、光が部差し込み、部屋の隅々まで照らす。
みんなで食事をした広いダイニングテーブル、暖炉の火を囲んでゲームをしたり語り合ったりしたリビング、そっけないほどに片付けられたキッチンではいつも美味しい食事が準備されていた。
今でも、あの頃をすぐにリアルに思い出せる。
懐かしさに胸がギュッと詰まるとともに、積もった埃に過ぎた時の長さも感じる。
「すげー……あの頃のままだ……」
藍の隣に立つ燁も呆然とした表情でつぶやいた。
そう。あの頃のままなのだ。まるで時を止めていたかのようにあの頃と同じ。違うのは、他の仲間たちがいないこと。他の仲間たちをこの場所に呼ぶ必要があること。
ふーっと大きく息を吐いて、藍は海の方に向き直る。
「他の隊長たちの居場所の目星はついてるのか?」
藍が燁を探しに出るときは、まだ他の二人の居場所は全くわからなかった。
「うん。大体のところはね。そっちには、巴くんが手を回すって言ってたよ」
「そうか……」
それなら、やることは……できることはある。
「じゃ、さっそく部屋の掃除でもするかー!」
「おう!」
「うん♪」
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