32 / 42
第四部 ダンジョンマスター 後編
死霊王の軌跡
しおりを挟む
死霊王――――哀川 愛理は、ぎらついた目を見せていた。
「やっと、やっと完成したわよ!」
「そうですね、ようやくです」
彼女と側に使える執事は、目の前に広がる死者の軍勢、おおよそ一万を見て満足していた。
「情報だと、群衆王がすごい多いらしいけど、こっちは倒した分だけ味方になるからね」
「そうだね。愛理、良くここまで来たと思うよ」
そう言って隣に歩いてきたのは金髪の男性。
細身で、イケメン。そう、彼は一度死んで、そして愛理によって蘇った、死者である。
「私の死霊術もそうだし、配下の死霊術もレベルが上がったし、どこかに攻め込んでもいいかも。創造王ほど相性が悪い敵もいないから、早めにパーッと仲間増やしたいし」
彼女はそう考察していた。そして考察は間違ってはいなかった。
創造王は基本ゴーレムしか出てこない。ので、そもそも死ぬもくそもない。死霊術で味方になることはないのに、敵の生産力の高さからほぼ無尽蔵に攻めてくる。
だから倒す集団を作ろうと思ったけど、それもやめた。
「統一すると効果が強くなるって、アンデッドやめろってことでしょ? それはできないわよね......」
ぼそり、呟く。
彼女の中では、隣にいるイケメンを手放すという選択肢はみじんもなかった。しかし、アンデッド戦法を使うならば創造王に勝てないのは自明の理。
「よし、行くわよ!」
「お嬢さま、どこへ!」
執事が慌てて止める。今の私にはこの場所とイケメンと執事がいてくれるだけでいい。
そして、それを害するやつは皆――――敵だ。
「行くわよ、どれでもいい、王を倒しに」
そう強く、宣言した。
「やっと、やっと完成したわよ!」
「そうですね、ようやくです」
彼女と側に使える執事は、目の前に広がる死者の軍勢、おおよそ一万を見て満足していた。
「情報だと、群衆王がすごい多いらしいけど、こっちは倒した分だけ味方になるからね」
「そうだね。愛理、良くここまで来たと思うよ」
そう言って隣に歩いてきたのは金髪の男性。
細身で、イケメン。そう、彼は一度死んで、そして愛理によって蘇った、死者である。
「私の死霊術もそうだし、配下の死霊術もレベルが上がったし、どこかに攻め込んでもいいかも。創造王ほど相性が悪い敵もいないから、早めにパーッと仲間増やしたいし」
彼女はそう考察していた。そして考察は間違ってはいなかった。
創造王は基本ゴーレムしか出てこない。ので、そもそも死ぬもくそもない。死霊術で味方になることはないのに、敵の生産力の高さからほぼ無尽蔵に攻めてくる。
だから倒す集団を作ろうと思ったけど、それもやめた。
「統一すると効果が強くなるって、アンデッドやめろってことでしょ? それはできないわよね......」
ぼそり、呟く。
彼女の中では、隣にいるイケメンを手放すという選択肢はみじんもなかった。しかし、アンデッド戦法を使うならば創造王に勝てないのは自明の理。
「よし、行くわよ!」
「お嬢さま、どこへ!」
執事が慌てて止める。今の私にはこの場所とイケメンと執事がいてくれるだけでいい。
そして、それを害するやつは皆――――敵だ。
「行くわよ、どれでもいい、王を倒しに」
そう強く、宣言した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
16
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる