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七章 試練
試練というよりも
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翌日。今日は日曜だ。今日は俺と天秤座、そして会長の計らいによって、百階層まで行くこととなった。
「今日は勢ぞろいだな......」
俺の感嘆。ここが初めての顔合わせとなる。
「まぁ、いいじゃないか」
そう会長は落ち着いて答えた。
「それでは、到達者代表、飯塚だ。そちらの代表は.......」
「私が行こう」
前に出たのは天秤座。
「私は天秤座と名乗るものだ。まぁ、星サイドのお母さんとでも思ってくれ。今日は、よろしく頼む。」
「こちらこそ。それにしても、結構な偶然があったものです」
「本当だ。まさかどちらも条件が百階層踏破の条件が課された技があるとは。」
そうなのだ。どちらもあるのを俺が知ったので、これを提案させてもらった。
今日集まれなかったメンバーもいる。が、未習得者は大抵来ているので結構な戦力向上になるだろう。
「では、出発する。そうだな。八十階層からレイドを構成して向かおうか。」
「それが良いと思います。では、進みましょうか」
八十階層から、化け物の集団の進軍が始まった。
「それじゃ、消耗を抑える意味でも俺に任せてください」
俺がそう申し出る。
「それじゃあお願いしようかな」
「そうですね」
任されたので、俺はリモートマジックで弾幕をみんなの周囲から放出する。
この程度、魔力の最大量が一気に増えたために、この程度なら問題なくなった。
「これをしても大した消費がないというのか......」
「そうですね、これでも回復のほうが多いというか、もう知力の処理が間に合わないので、そもそも減るほどの魔法が使えないんですよね......」
もう放出も間に合わないため、魔力譲渡をフルにかけてそのうえで俺もバカスカ使うしかない。
「魔力がこれだけ自由に使えるなら、今試し打ちとかしても?」
「大丈夫ですよ、けど、最大値が増えてるわけじゃないので気を付けてください」
それを聞いた瞬間、周囲が焼け野原になった。
「みんななかなか飛ばしますね......これなら、自由気ままに進みますか。最近言ったので道覚えてますよ」
「いや、ここはクイックを使おう。」
移動速度が単純に早くなる魔法を全体にかける。
いつもなら体感速くなったぐらいなのだが、門まで一気に走っていけた。
「これで良し。どうだ?」
「俺が道中処理する必要ありました?」
「それは......まぁ、気にするな」
門をくぐり、先へと進む。
ここから先は、双子座が死んだ場所だ。
記憶共有で見たのだが、そこら辺に出てくる敵がアルファだらけだった。
俺が行って二人でも、きっと死んでいただろう。
が、こちらもまたピーキー集団である。
ものともせずに敵をつぶしていく。
そのまま何の苦も無く到達してしまった百階層。
「それでは、行きましょう」
会長のその声に、反対するものなどいなかった。
門を開く。そこにあったのは巨大な木であった。
「これが、試練の間......」
その声から被せるように、会長は言う。
「鑑定結果。世界樹ユグドラシル。敏捷ゼロ、つまり動けないが、その代わりにレーザービームをはじめとする魔法を放つ。弱点は火だ」
それを伝えた会長。
それを聞いた瞬間、後ろから魔法が飛び出す。
しかし、大きなハニカム形状をつなげた障壁がそれを防いだ。
俺も二人になって弾幕を放つ。
しかし、それもダメだったようで、威力が分散している攻撃だとだめそうだ。
しかし、ラノベを読む人ならだれもが知っているだろう。
ハニカムの弱点は、貫通系と相場が決まっている。
よし、貫通攻撃を......と思っていたが、よく考えると、今していた攻撃はすべて貫通攻撃だった。
「俺はお荷物のようです。魔力タンクらしく補給するので、攻撃、頼みます」
俺一人だときっとクリアできなかっただろうから、助かることこの上ない。
一気に消費が増えた。が、俺の魔力はまだ尽きない。
こっちが攻勢なせいだろう。敵はレーザービームを放つ様子がない。
「私が行きます」
そう言ったのは蟹座。一気に前に出ると、双剣をクロスさせる。
「我求ムハ絶対ノ審判!『蟹星ノ神罰』!」
そういった瞬間、はさみのように剣の刃を構える。
その瞬間に、大きな蟹のはさみが現れる。
そして、一瞬。
その瞬間、はさみが閉じられ、巨大な世界樹が上と下で両断される。
「これが奥義です」
「ほう、君はもう百階層をクリアしていたか。攻め手にかけたから助かった。」
倒した瞬間、未到達者と自己申告していた人がどこかへと飛ばされていく。
例にもれず、俺もまた、転移の光に飲み込まれ――――――
・奥義 『双子星ノ神罰』を習得しました
・スキル継承 魔力置換 魔神化を習得
二つを習得した声が聞こえる。
そのまま、俺たちは入口へと戻されていた。
「お疲れ様。技の内容は聞かない。各自、使えるようにしてくれ」
「それでは、ここで解散としましょうか」
二人の代表の言葉で、あっけなく百階層を攻略したチームは解散となった。
「今日は勢ぞろいだな......」
俺の感嘆。ここが初めての顔合わせとなる。
「まぁ、いいじゃないか」
そう会長は落ち着いて答えた。
「それでは、到達者代表、飯塚だ。そちらの代表は.......」
「私が行こう」
前に出たのは天秤座。
「私は天秤座と名乗るものだ。まぁ、星サイドのお母さんとでも思ってくれ。今日は、よろしく頼む。」
「こちらこそ。それにしても、結構な偶然があったものです」
「本当だ。まさかどちらも条件が百階層踏破の条件が課された技があるとは。」
そうなのだ。どちらもあるのを俺が知ったので、これを提案させてもらった。
今日集まれなかったメンバーもいる。が、未習得者は大抵来ているので結構な戦力向上になるだろう。
「では、出発する。そうだな。八十階層からレイドを構成して向かおうか。」
「それが良いと思います。では、進みましょうか」
八十階層から、化け物の集団の進軍が始まった。
「それじゃ、消耗を抑える意味でも俺に任せてください」
俺がそう申し出る。
「それじゃあお願いしようかな」
「そうですね」
任されたので、俺はリモートマジックで弾幕をみんなの周囲から放出する。
この程度、魔力の最大量が一気に増えたために、この程度なら問題なくなった。
「これをしても大した消費がないというのか......」
「そうですね、これでも回復のほうが多いというか、もう知力の処理が間に合わないので、そもそも減るほどの魔法が使えないんですよね......」
もう放出も間に合わないため、魔力譲渡をフルにかけてそのうえで俺もバカスカ使うしかない。
「魔力がこれだけ自由に使えるなら、今試し打ちとかしても?」
「大丈夫ですよ、けど、最大値が増えてるわけじゃないので気を付けてください」
それを聞いた瞬間、周囲が焼け野原になった。
「みんななかなか飛ばしますね......これなら、自由気ままに進みますか。最近言ったので道覚えてますよ」
「いや、ここはクイックを使おう。」
移動速度が単純に早くなる魔法を全体にかける。
いつもなら体感速くなったぐらいなのだが、門まで一気に走っていけた。
「これで良し。どうだ?」
「俺が道中処理する必要ありました?」
「それは......まぁ、気にするな」
門をくぐり、先へと進む。
ここから先は、双子座が死んだ場所だ。
記憶共有で見たのだが、そこら辺に出てくる敵がアルファだらけだった。
俺が行って二人でも、きっと死んでいただろう。
が、こちらもまたピーキー集団である。
ものともせずに敵をつぶしていく。
そのまま何の苦も無く到達してしまった百階層。
「それでは、行きましょう」
会長のその声に、反対するものなどいなかった。
門を開く。そこにあったのは巨大な木であった。
「これが、試練の間......」
その声から被せるように、会長は言う。
「鑑定結果。世界樹ユグドラシル。敏捷ゼロ、つまり動けないが、その代わりにレーザービームをはじめとする魔法を放つ。弱点は火だ」
それを伝えた会長。
それを聞いた瞬間、後ろから魔法が飛び出す。
しかし、大きなハニカム形状をつなげた障壁がそれを防いだ。
俺も二人になって弾幕を放つ。
しかし、それもダメだったようで、威力が分散している攻撃だとだめそうだ。
しかし、ラノベを読む人ならだれもが知っているだろう。
ハニカムの弱点は、貫通系と相場が決まっている。
よし、貫通攻撃を......と思っていたが、よく考えると、今していた攻撃はすべて貫通攻撃だった。
「俺はお荷物のようです。魔力タンクらしく補給するので、攻撃、頼みます」
俺一人だときっとクリアできなかっただろうから、助かることこの上ない。
一気に消費が増えた。が、俺の魔力はまだ尽きない。
こっちが攻勢なせいだろう。敵はレーザービームを放つ様子がない。
「私が行きます」
そう言ったのは蟹座。一気に前に出ると、双剣をクロスさせる。
「我求ムハ絶対ノ審判!『蟹星ノ神罰』!」
そういった瞬間、はさみのように剣の刃を構える。
その瞬間に、大きな蟹のはさみが現れる。
そして、一瞬。
その瞬間、はさみが閉じられ、巨大な世界樹が上と下で両断される。
「これが奥義です」
「ほう、君はもう百階層をクリアしていたか。攻め手にかけたから助かった。」
倒した瞬間、未到達者と自己申告していた人がどこかへと飛ばされていく。
例にもれず、俺もまた、転移の光に飲み込まれ――――――
・奥義 『双子星ノ神罰』を習得しました
・スキル継承 魔力置換 魔神化を習得
二つを習得した声が聞こえる。
そのまま、俺たちは入口へと戻されていた。
「お疲れ様。技の内容は聞かない。各自、使えるようにしてくれ」
「それでは、ここで解散としましょうか」
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