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六章 文化祭
収束
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学校の運動場は、なんとも混沌とした空間となっていた。
あるところではロボットが大暴れして、あるところでは死体の山が出来上がっている。あるところでは並木に無数の傷......ここが一番被害としては小さい。
残念ながらそれでも運動場に大きなダメージを残し、戦闘前に戻すにはどれだけの時間がかかるかわからない。
そんな状況下で戦っている者たちを眺める者が、一人。
紗耶香は、後方で障壁を張っていた。
もちろん、見物客が押し寄せてケガでもされたら、というものだ。決して後ろでうずくまっているわけではない。
しかし、その障壁もそこまで強いものではなかった。
拓海の魔弾が一撃でも当たれば砕け散るし、ロボットなんて飛んできた日には障壁をぶち抜かれて潰される自信がある。
それでもせめて後衛二人の一撃ぐらいは防いでやる、と、魔力をしこたま込めた障壁を展開する。
人質がいない今、後衛はどんな行動をとるか考えつかない。
いや、そもそもこんなことをしでかす輩の行動を理解しようとするほうが難しいだろう。
しかし、二人はどこかに連絡を取った後、巨大な魔法陣を展開した。数秒後、その魔法陣に乗っていた二人はどこかへと消えていった。
恐らく希少な適正、時空魔法の転移だ。
そう考察した紗耶香は、とりあえず何とかなったと、緊張を解くのだった。
「まずいな、時間が使われすぎている、おい、お前ら!」
そう言ったのは斥候だ。彼らはその声に従い、袋から一つの錠剤を取り出すと、それを水で飲みこむ。
何を飲み込んだのか、見たことない錠剤だったが、このタイミングで飲むのだから、何か現状を打開するための何かだろう。
「「「我の崇める神――――に栄光あれ!」」」
ナニカの魔法を起動した。
まずいと思った俺は体の赴くままに三発、三人の心臓目掛け魔弾を撃った。
「なっ」
驚くのも無理はないと思うのだ。彼らはよける素振りも見せず、ただ弾丸に心臓を貫かれていた。
これで終わりなのか?そう考えていたのがフラグだったのか、笑い声が聞こえる。
「「「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」」」
三人から漏れ出す気味の悪い笑い声。心臓が撃ち抜かれたのにも関わらず彼らは笑うのをやめない。
次第に彼らの体は黒く染まっていった。
黒、と聞いて思い浮かべるのは二つ。
一つはまっくろくろすけの徹。
もう一つは―――――
「変異種」
彼らの目は赤く染まり、細身だった体は筋肉に覆われ、人というより人型の魔物と言われたほうが納得できるまで変化してしまった。
これは、まずい―――――
その瞬間、俺と双子座が同時に殺された。俺の不死ループは一瞬にして途絶え、指輪によって蘇生が入る。
すぐさま双子座を起動して何とか戻すものの、指輪は魔力を使い切ってしまったため、一分ほど充填に時間がかかる。
俺の鍛え抜かれた話術で、何とか時間でも稼げればいいのだが......
しかし、彼らの目には、もう理性の色は見えなかった。
「人間が変異種になったぁ!? しかも後天的に変異種になるだなんて、どんな劇薬だよぉ!? そんなの僕にも作れないよぉ!」
司が叫ぶ。俺は取り合えずどちらも死ぬわけにはいかないので、俺は後退、戦線は双子座に任せることにした。
その間に思考をめぐらせる。気を抜いていたとはいえ、両方一気に持っていかれるほどの速さ。変異種に似通った外見と能力。ってかあの薬何だよ......いや、まてよ
効果を人間を強制的に変異種に変化させると仮定したら、相当な劇薬なんじゃ......それなら、負荷も尋常じゃない。
光の道が見えたと思ったが、すぐに閉ざされてしまう。
「時間稼ぎができないから解決策考えてるのによぉ!」
叫んでいる間に双子座が死ぬ。俺は双子座を即座に起動し、時間稼ぎの方法を探る。
そこで、一つの光を見た。
俺の新たに習得していた魔法文字をうまく使えば、こいつら倒せるぞ......!?
俺は二人に聞こえるように叫ぶ。
「数秒間、足止めしてくれ! 俺がそこを撃つ!」
その言葉に、会長と司は笑顔を浮かべるのだった。
司がとりだしたのは大きな柱。
それを四本、彼らを囲うように投げた。
彼らは人しか興味がないようで、柱を気にせずに二人へ攻撃を開始する。
司は何かの魔法を唱えているようで、ロボットは一切動かない。しかし固すぎるその装甲を貫けず、攻めあぐねているようだ。
会長は未来を見まくってその結果を見るや死なないようよけている。
双子座は会長に魔力譲渡を行うとともに、土煙をたてるようにして魔弾を放つ。
司の魔法が完成する。
四本の柱から大量の鎖が飛び出すと、その中にいた敵を味方もろとも締め上げる。数十秒かけてくみ上げた魔法を待機させると、俺は一気に走り、新たな魔法を単体で放つ。
「『破魔』!!」
これは、周囲の魔法的な力をすべて破壊するという魔法殺しの魔法。
しかし使われないのにはやはりわけがある。
まず、魔法を破壊するとは言っても、破魔であっても魔法であり、魔力を使用する。なので、ほぼ確実に消費魔力量が相手よりも多くなる。
そして二つ目が一番の難関だ。この魔法は魔法を破壊しつくすため、魔弾に効果をのせて、などができない。魔弾が先に破魔の対象になってしまうとかいうピーキーっぷり。
つまりゼロ距離でぶち込むしかないという俺にとっては初とも言っていいかもしれないデメリット。
そのうえなぜか迷宮装備は一時的にその効果を失い、人間の作った装備はほとんどの確率でぶっ壊れる。
ここまでデメリットは大きいものの、使えたほうがいいと思って練習しといてよかった。
魔法的な力をすべて吹き飛ばした。その結果、彼らの体を変異種に変えていた魔法は効果を失い、薬はただの粉へとなり下がった。
体が元に戻った三人を鎖で拘束して、一件落着と言えるのではないだろうか。
「おーい、紗耶香、後片付け、手伝ってくれ!」
紗耶香を呼び、俺は死体を操作で集める。
「どうしたの?」
「死体を吹き飛ばしてくれ」
「えっ.......わかったわ」
障壁を構え、魔法を放つ紗耶香。
しかし、彼女の目からは涙が流れ落ちていた。
「なんで、泣いているんだ?」
「......何でもない」
なんでもないといった相手を追いかけるのも嫌かと思い、「そうか」とだけ答えると、ぼこぼこに穴の開いて、木には無数の傷が刻まれた運動場を眺めるのだった。
と、そこへ二人がやってくる。何かお礼でももらえるのだろうかと期待したが、違った。
「ねぇ、あなた? 私の魔力バッテリー、半分くらい中身がなくなったのだけれど」
「会長はまだいいよぉ......僕のロボット壊れちゃったし......」
二人には、しばらくの間頭が上がらなかった。
「今回私、何もしていないじゃない......」
そう悩むのは紗耶香。
自分が障壁を張ることしかできなかったという無力感。
何もできず彼を目の前で失うかもしれないと考えただけで、あの時は涙が出そうになった。
死体を爆破したときなんて、涙が止まらなかった。
彼が無残な姿で転がっているのを目の当たりにして、吐かなかった分ましと思える結果だ。
彼は、どうしてあそこまでして人のために命を懸けられるのだろうか。
あんなに死んで、痛くはないのだろうか。
拓海に聞かないと分からない問いに、ずっと一人で解を求めた紗耶香だった。
「爆弾ないじゃないか!」
学校中探しまわった徹だが、爆弾らしきものは見つけられなかった。
というか、そもそもそんなもの仕掛けられてなどいないので、みつけるも何もないのだが。
「はー、学校中走り回って疲れたぜ。今頃戦い終わっているといいんだが......」
終わって結構な時間が経っていることを、徹はまだ知らない。
『ぐすん......いつになったら思いだすの......』
操作の時に死体の手から滑り落ちた結果、木陰に隠れる位置にいたそれ―――――
―――――夜を超えて忘れ去られた魔銃がいることを、世界はまだ知らない。
あるところではロボットが大暴れして、あるところでは死体の山が出来上がっている。あるところでは並木に無数の傷......ここが一番被害としては小さい。
残念ながらそれでも運動場に大きなダメージを残し、戦闘前に戻すにはどれだけの時間がかかるかわからない。
そんな状況下で戦っている者たちを眺める者が、一人。
紗耶香は、後方で障壁を張っていた。
もちろん、見物客が押し寄せてケガでもされたら、というものだ。決して後ろでうずくまっているわけではない。
しかし、その障壁もそこまで強いものではなかった。
拓海の魔弾が一撃でも当たれば砕け散るし、ロボットなんて飛んできた日には障壁をぶち抜かれて潰される自信がある。
それでもせめて後衛二人の一撃ぐらいは防いでやる、と、魔力をしこたま込めた障壁を展開する。
人質がいない今、後衛はどんな行動をとるか考えつかない。
いや、そもそもこんなことをしでかす輩の行動を理解しようとするほうが難しいだろう。
しかし、二人はどこかに連絡を取った後、巨大な魔法陣を展開した。数秒後、その魔法陣に乗っていた二人はどこかへと消えていった。
恐らく希少な適正、時空魔法の転移だ。
そう考察した紗耶香は、とりあえず何とかなったと、緊張を解くのだった。
「まずいな、時間が使われすぎている、おい、お前ら!」
そう言ったのは斥候だ。彼らはその声に従い、袋から一つの錠剤を取り出すと、それを水で飲みこむ。
何を飲み込んだのか、見たことない錠剤だったが、このタイミングで飲むのだから、何か現状を打開するための何かだろう。
「「「我の崇める神――――に栄光あれ!」」」
ナニカの魔法を起動した。
まずいと思った俺は体の赴くままに三発、三人の心臓目掛け魔弾を撃った。
「なっ」
驚くのも無理はないと思うのだ。彼らはよける素振りも見せず、ただ弾丸に心臓を貫かれていた。
これで終わりなのか?そう考えていたのがフラグだったのか、笑い声が聞こえる。
「「「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」」」
三人から漏れ出す気味の悪い笑い声。心臓が撃ち抜かれたのにも関わらず彼らは笑うのをやめない。
次第に彼らの体は黒く染まっていった。
黒、と聞いて思い浮かべるのは二つ。
一つはまっくろくろすけの徹。
もう一つは―――――
「変異種」
彼らの目は赤く染まり、細身だった体は筋肉に覆われ、人というより人型の魔物と言われたほうが納得できるまで変化してしまった。
これは、まずい―――――
その瞬間、俺と双子座が同時に殺された。俺の不死ループは一瞬にして途絶え、指輪によって蘇生が入る。
すぐさま双子座を起動して何とか戻すものの、指輪は魔力を使い切ってしまったため、一分ほど充填に時間がかかる。
俺の鍛え抜かれた話術で、何とか時間でも稼げればいいのだが......
しかし、彼らの目には、もう理性の色は見えなかった。
「人間が変異種になったぁ!? しかも後天的に変異種になるだなんて、どんな劇薬だよぉ!? そんなの僕にも作れないよぉ!」
司が叫ぶ。俺は取り合えずどちらも死ぬわけにはいかないので、俺は後退、戦線は双子座に任せることにした。
その間に思考をめぐらせる。気を抜いていたとはいえ、両方一気に持っていかれるほどの速さ。変異種に似通った外見と能力。ってかあの薬何だよ......いや、まてよ
効果を人間を強制的に変異種に変化させると仮定したら、相当な劇薬なんじゃ......それなら、負荷も尋常じゃない。
光の道が見えたと思ったが、すぐに閉ざされてしまう。
「時間稼ぎができないから解決策考えてるのによぉ!」
叫んでいる間に双子座が死ぬ。俺は双子座を即座に起動し、時間稼ぎの方法を探る。
そこで、一つの光を見た。
俺の新たに習得していた魔法文字をうまく使えば、こいつら倒せるぞ......!?
俺は二人に聞こえるように叫ぶ。
「数秒間、足止めしてくれ! 俺がそこを撃つ!」
その言葉に、会長と司は笑顔を浮かべるのだった。
司がとりだしたのは大きな柱。
それを四本、彼らを囲うように投げた。
彼らは人しか興味がないようで、柱を気にせずに二人へ攻撃を開始する。
司は何かの魔法を唱えているようで、ロボットは一切動かない。しかし固すぎるその装甲を貫けず、攻めあぐねているようだ。
会長は未来を見まくってその結果を見るや死なないようよけている。
双子座は会長に魔力譲渡を行うとともに、土煙をたてるようにして魔弾を放つ。
司の魔法が完成する。
四本の柱から大量の鎖が飛び出すと、その中にいた敵を味方もろとも締め上げる。数十秒かけてくみ上げた魔法を待機させると、俺は一気に走り、新たな魔法を単体で放つ。
「『破魔』!!」
これは、周囲の魔法的な力をすべて破壊するという魔法殺しの魔法。
しかし使われないのにはやはりわけがある。
まず、魔法を破壊するとは言っても、破魔であっても魔法であり、魔力を使用する。なので、ほぼ確実に消費魔力量が相手よりも多くなる。
そして二つ目が一番の難関だ。この魔法は魔法を破壊しつくすため、魔弾に効果をのせて、などができない。魔弾が先に破魔の対象になってしまうとかいうピーキーっぷり。
つまりゼロ距離でぶち込むしかないという俺にとっては初とも言っていいかもしれないデメリット。
そのうえなぜか迷宮装備は一時的にその効果を失い、人間の作った装備はほとんどの確率でぶっ壊れる。
ここまでデメリットは大きいものの、使えたほうがいいと思って練習しといてよかった。
魔法的な力をすべて吹き飛ばした。その結果、彼らの体を変異種に変えていた魔法は効果を失い、薬はただの粉へとなり下がった。
体が元に戻った三人を鎖で拘束して、一件落着と言えるのではないだろうか。
「おーい、紗耶香、後片付け、手伝ってくれ!」
紗耶香を呼び、俺は死体を操作で集める。
「どうしたの?」
「死体を吹き飛ばしてくれ」
「えっ.......わかったわ」
障壁を構え、魔法を放つ紗耶香。
しかし、彼女の目からは涙が流れ落ちていた。
「なんで、泣いているんだ?」
「......何でもない」
なんでもないといった相手を追いかけるのも嫌かと思い、「そうか」とだけ答えると、ぼこぼこに穴の開いて、木には無数の傷が刻まれた運動場を眺めるのだった。
と、そこへ二人がやってくる。何かお礼でももらえるのだろうかと期待したが、違った。
「ねぇ、あなた? 私の魔力バッテリー、半分くらい中身がなくなったのだけれど」
「会長はまだいいよぉ......僕のロボット壊れちゃったし......」
二人には、しばらくの間頭が上がらなかった。
「今回私、何もしていないじゃない......」
そう悩むのは紗耶香。
自分が障壁を張ることしかできなかったという無力感。
何もできず彼を目の前で失うかもしれないと考えただけで、あの時は涙が出そうになった。
死体を爆破したときなんて、涙が止まらなかった。
彼が無残な姿で転がっているのを目の当たりにして、吐かなかった分ましと思える結果だ。
彼は、どうしてあそこまでして人のために命を懸けられるのだろうか。
あんなに死んで、痛くはないのだろうか。
拓海に聞かないと分からない問いに、ずっと一人で解を求めた紗耶香だった。
「爆弾ないじゃないか!」
学校中探しまわった徹だが、爆弾らしきものは見つけられなかった。
というか、そもそもそんなもの仕掛けられてなどいないので、みつけるも何もないのだが。
「はー、学校中走り回って疲れたぜ。今頃戦い終わっているといいんだが......」
終わって結構な時間が経っていることを、徹はまだ知らない。
『ぐすん......いつになったら思いだすの......』
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