魔力極振りの迷宮探索

大山 たろう

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四章 文化祭

初の複数人迷宮攻略

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 翌日。門の奥で集合とのことなので、フル装備で集合する。

 現地へ行くと、すでに三人ともついていたようだ。

 俺も、三人のところに向かう。

「えっと、どちら様ですか......?」

「あ、僕聞いたことあるぅ、仮面をかぶって、#狂化_バーサーク__#を使うイカれた探索者がいるってぇ。え、でもその装備......」

「あなた、そのぼろぼろ具合......拓海くんね」

 と三者三様の返しをされた。どうやら確信があるのは飯塚さんだけで、司がもしかしてってレベル、徹に関してはわかっていなかったようだ。

 俺は仮面を外し、笑顔を作る。

「徹、俺がわからないだなんて、悲しいなぁ、およよよよ」

 そういうと、司はびっくり、徹は口をぽかんと開けていた。


 俺としては、この驚いた顔を見れただけで満足だ。
 しかし、飯塚さんのぼろぼろっていうのは何の話をしているのだろうか......

「まぁ、とりあえず迷宮に行こうぜ」

 そう言って、俺は先に迷宮に潜って行くのだった。


 今日はニ十階層へと向かう。ここの森はコボルトが出現する。
 一度クリアしたため、俺は攻撃力としては余裕なのだが、司と飯塚さんのレベルがここくらいだったので、ここにもぐっていた。

「あ、そうそう、拓海、装備できてたんだけどぃ、連絡取れなかったからいまわたすねぇ」

 そう言って渡されたのは何かの金属でできた銃。金属光沢がかっこいい。

魔銀ミスリルは中の回路に使ってるから見えないところにあるよぉ、詳しくはこの紙を見といてねぇ」

 紙には結構簡潔に説明がかかれていた。
 魔力を込めたら、魔法陣を転写しだすから、引き金を引いたら射出するよ、とのことだった。


 最初に戦闘をしたのは、徹だった。

「俺もいつも一人だから、大抵のことはできるぜ。んじゃ、まずそうだったら入ってくれ」

 そういうと、黒いコートをはためかせながら、背中に担いでいた真っ黒な片手剣を抜くと、一直線にコボルトの群れに突っ込んでいった。

 そして響く破壊音、破壊音、破壊音。
 明らかにオーバーキルな火力を叩き込む徹。

 五十ほどいた群れが数分で壊滅してしまった。

「お見事」

「徹くん、いっつもあぶないよぉ......」

「あいつ、あんな脳筋だったの......」

 ポーチに魔石をこんもり詰めて戻ってきた。

 っと、ここで第二陣のようだ。

「拓海くん、僕と飯塚さん二人でいい?」

「え、私?」

「あぁ、いいよ」

 そういうと、司は飯塚さんを連れてコボルト戦に備え出した。

 飯塚さんは杖を手にし、魔女の帽子っぽい三角形の帽子をかぶりなおした。

 司は小さいキューブを手に持ち、それを前に突き出した。
起動オープン

 すると、どこかのヒーローのように箱から飛び出してきた装備を装着していった。

 装着が終わると、真っ白なパワードスーツのような見た目をした人が立っていた。

 武器はないが、背中に何かタンクのようなものを背負っている。

「拓海くん、このタンクに魔力譲渡お願いできるぅ?」

「おう、わかった」

 司に言われた通りに魔力譲渡をしていく。

 やがてマックスになったのか、「いいよぉ」という声が聞こえてきた。

 準備ができたころには、コボルトたちは戦闘圏内に入っていた。

 飯塚さんは、魔力で魔法陣を描き、魔法を発動させた。

爆発する火球エクスプロード・ファイヤーボール

 飛んで行った火の玉は、地面に着弾したかと思うと、大きな爆発を起こした。
 これだけで八十いたうちの二十ほどは倒れただろう。

 さて、次は司だが......

 そう思い、司を見ていると、両手を突き出した。

「両腕、魔力粒子砲マナカノン 起動オープン!」

 そう言った瞬間、彼の腕に大きな砲身が付いていた。
 背中の魔力から砲身へと魔力が移る。
 限界までたまったところで、司が放つ。

掃射ファイア!!」

 その瞬間だった。
 彼の砲身からレーザービームが飛び出し、地面、木々もろともコボルトを消し去ってしまった。

「どう、これが僕の装備さぁ。前に出ないから楽でいいよねぇ!」

 司が興奮しながら俺に話しかけてきた。
 どんだけ機械系が好きなのかは知らないが、威力はこっちもオーバーキルだった。

 と、ここで小さな群れを見つける。
 二十ほどなので、俺でもちょうどいいだろう。

「次は俺行ってくるわ」

「おう、こっちで見ておくぜ」

「いってらっしゃーい」

「拓海くん......」

 俺は隠密を発動すると、まずは前衛を魔法刀身で処理する。

 三体ほど倒したところで、奇襲の混乱から我に返ったのか、コボルトが攻撃を仕掛けてくる。

 コボルトは、小柄な犬なのだが、いつも歯をむき出しにして、武器を持って攻めてくるのでゴブリンよりも脅威度が高い。
 というのも、身体能力がゴブリンよりも高いため、乱戦になったときは連携もあるので慣れてない人は即撤退が暗黙のルールだ。


 コボルトの攻撃も、魔法を使う者や矢を放つもの、投げナイフなどもいたが、すぐさま魔法を発動して一点に集めると、それを射出して返してやる。

 後衛がひるみ、一度距離をとったところで剣持や槍持が前へ出てくる。

 俺はリモートマジックで後衛をけん制しているうちに前衛を射出による衝撃波でぐらつかせると、すぐさま魔法刀身で切る。

 前衛を射出でひるませると、すぐさま強化エンハンスを使って後衛へと距離を詰めた。

 一気に早くなった俺に対応できず、俺の魔法刀身と魔弾に貫かれる。

 追いかけてきた前衛に銃口を向けると、引き金をためらわずに引いた。

 これで、ニ十体ほどのコボルトとの戦闘は終了した。
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