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娘さんと王子様との縁を結んだおっさんが海辺を歩いていると、大きな一匹の亀に出くわしました。
聞けばご苦労なことにその亀、竜宮城に住まう姫君のために、姫君の婿にふさわしい親切な若人を探しているのだとか。
ですが……この亀もやっぱり、何やら困り顔と言うか、浮かない顔と言うか、何ともしっくりこないような微妙な顔をしています。
「どうにも、何か足りませんで」
ため息する亀の後ろを見てみると、何やらちょうどこちらに向かって歩いてくる一人の若い釣り人の姿が……おっさんは「うーん?」と、一人こっそり首をかしげました。
そして亀と別れたあとで岩場の影に隠れ、一応、数人のいじめっこになってみます。
「ああ、そうそう! これですよ、これこれ!」
おっさんと別れるや、突然いじめっこになぶられ始めた亀は、思わずうっとり目を細めてその暴行を大変喜びました。
しかし、おっさんはおっさんで何となく、それを喜ぶのはやめておきました。
聞けばご苦労なことにその亀、竜宮城に住まう姫君のために、姫君の婿にふさわしい親切な若人を探しているのだとか。
ですが……この亀もやっぱり、何やら困り顔と言うか、浮かない顔と言うか、何ともしっくりこないような微妙な顔をしています。
「どうにも、何か足りませんで」
ため息する亀の後ろを見てみると、何やらちょうどこちらに向かって歩いてくる一人の若い釣り人の姿が……おっさんは「うーん?」と、一人こっそり首をかしげました。
そして亀と別れたあとで岩場の影に隠れ、一応、数人のいじめっこになってみます。
「ああ、そうそう! これですよ、これこれ!」
おっさんと別れるや、突然いじめっこになぶられ始めた亀は、思わずうっとり目を細めてその暴行を大変喜びました。
しかし、おっさんはおっさんで何となく、それを喜ぶのはやめておきました。
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