【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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「では、書面を渡す。

 これに、今回勝負する魔道具―――
 それと各メンバーの名前が書いてある」

魔族領にある城の中で……
赤髪の高校生くらいに見える『魔王』が、
妹である『魔王』に書類を手渡す。

兄と同じ赤髪の―――
猛禽類のような鋭い目をした少女が、
それに目を通し、

「フムフム。
 面白い人選だな。

 ほとんどが女性ではないか」

「仕方あるまい。
 力勝負ならともかく、このような一定の
 ルールにのっとったものは、不向きな者が
 男には多くてな。

 何度も同じミスをするというか、
 押すだけで引くことを知らないというか」

それを聞くとメルダはふぅ、という
ため息と共に、

「いい気味だ。
 少しはアタシの苦労を知るがいい。

 それより明日の勝負に向け―――
 食事会などどうだ?」

「食事会、だと?」

エバンスが怪訝けげんそうに聞き返すと、

「何も殺し合いをするわけではないからな。
 互いの健闘を祈って、顔合わせするだけじゃ」

「何を考えている、貴様。
 まさか内通者を作ろうとする魂胆こんたんでは
 あるまいな」

メルダの答えに、さらに彼は不信感を抱く。
しかし妹から返ってきた答えは、

「ははは、たった1日で寝返るような、
 そんなメンバーを兄上は選んだというのか。

 ずいぶんと人望が無いのじゃな」

「く……!」

言い返せないエバンスにメルダは続けて、

「これは我が夫―――
 ヒロトの世界での慣習じゃ。

 ちなみに、勝負に使う魔道具は全て本拠地と
 同じ物を用意したが……
 食事に関しては別だぞ?
 そのお披露目も兼ねておる。

 まあ心配ならせんでもこちらは構わぬが」

「わかった……

 俺も出る。
 それなら妙な真似は出来ないだろう」

「兄上も勝負するメンバーの1人であろう?
 むしろ出るのが当然じゃ。

 では夕食時にまた会おう。
 場所はここ、王城地下のダンジョンじゃ」

そして兄と妹は別れ―――
それぞれの場所でその時を待つ事になった。



「あっちのエバンス魔王は、あのガンコンを
 使ったアクションシューティングか。

 2Dのパズルにシューティング、格闘ゲームは
 ともかくとして―――
 チーム戦が出来るものも指定してきているな。

 SFロボットもの、レーシングもそれでやると
 言ってきている」

俺は管理者部屋で、メルダから向こうの指定した
魔導具、それにメンバー表を渡され確認する。

「レーシングでそんな事出来ましたっけ?」

リナが俺の持っている書面をのぞき込むように
聞いてきて、

「予め味方を決めておけば、協力プレイは
 可能だよ。

 一方が体当たりとかで妨害に専念して、
 もう一人は走る事に集中するとか」

「順位を競うものだからな。
 1位を取れれば、味方のどちらでも
 いいわけか」

メルダが補足し、リナがうなずく。

「勝利条件は決めておかなければならないけど、
 多分そこまで考えていないだろうし―――
 まあ一応、1位を取った側の勝ちでいいか。

 しかしまあ、この短期間でずいぶんと
 順応したものだ」

指定されたゲームをまとめると……


・ガンコンを使用したアクションシューティング
対戦形式:2対2
エバンスおよびもう1名(女性)


・コクピットに乗り込むSFロボット対戦
アクション
対戦形式:4対4
4名(男性2・女性2)


・体感型SFロボット対戦アクション
対戦形式:2対2
2名(女性2)


体感型レーシング
対戦形式:2対2
2名(女性2)


パズルゲーム
対戦形式:1対1
1名(女性)


シューティングゲーム
対戦形式:1対1 先にクリアした方の勝ち
1名(女性)

⑦格闘ゲーム
対戦形式:1対1
1名(女性)

「男性3名に対し女性10名ですか。
 メルちゃんの予想通りになりましたね」

「そういえば、そんな事を話していたな」

リナの話に、俺はメルダにそのまま視線を
向けると、

「んっふっふ。
 これでもう事は成ったも同然よ。

 のう、リナ♪」

「そうですね、メルちゃん♪」

自信満々の二人に戸惑いつつ、俺は夕食の
準備を考えていた。

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