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2章 闇語り
71「確かめる」
しおりを挟む・過去の記憶の相違について
――――――――――――――――――――――――
お寺で修行している知り合いの話。
今も昔もよくある話で、子供の頃や若い頃の
記憶にあるのに、後で確かめてみると違うと
いう事がある。
現実的な理解ならば記憶違い、または夢―――
目に見えない事や非科学的な事を信じられる
人なら、ロマンあふれる解釈をするかも知れない。
そう同僚たちと話し合っていた時、彼らの師が
入ってきた。
「場所的なモンなら、今はいつでも確認
出来るからなあ」
よほど人の手が入っていない場所で無ければ、
グーグルアースやらストリートビューやらで
すぐ見られるだろう……
と、身も蓋も無い事を言ってきた。
「まあ建物はともかく、山や川が消えるなんて事は
ないですからね」
彼の言い分にみんながうなずき―――
今は科学的に、すぐ分析出来てしまうのだなあ、
と達観していると、
「まあ情報が簡単に手に入りやすい分―――
鵜呑みにするのも危険だがな」
そう、たしなめるように師は語り、
彼は続けて―――
「妙な話を聞いた事はあるが」
その言葉に、全員が耳を傾けると、
「測量とか、工事とかでな。
『見える』ヤツがいたって話だ」
道とかトンネルを掘る際、現在ほど正確な
計算や見通しが出来ない時代―――
占い師のような人間がいたのだという。
「まあ要は、先が『見える』んだよ。
その人は工事とか採掘とか……
まだ通っていない道や坑道とかを正確に
示せたんだ。
逆に、その人が見えないと言ったところは、
どんな事をしても完成しなかったらしい」
「つまり過去ではなく、出来た先の未来が
見えていた、と?」
彼が聞き返すと、
「そりゃわからんが……
過去の記憶と異なるからと言って、
何でも勘違いで済ませてしまうのは―――
ちと早計だと思っただけだ」
そう言うと師は、持っていたペットボトルの
お茶をあおった。
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