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●番外編
番外編:デート時、どうしていいか分からずちょっと暴走する将軍と、初夜【テオドシウス視点】④
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「テオドシウス様……お願いっ」
「……分かった」
ココの懇願に私は頷いた。
ココが私の顔を見ながら抱かれたいのだと言ってくれるのは、とても嬉しい事だし、私がどう思うかよりも、ココが満足する事を私は選んだ。
ココの身体をゆっくりと仰向けに押し倒した私は、長い足を優しく開いた。
使い込まれていない綺麗な色のペニスは、色こそ可愛らしいが、立派な男のものだ。決して小さくはない。
ココなら、おそらく素敵な女性と縁があったに違いない。
(だが、もう私の物だ……っ)
「痛かったら言うんだぞ?」
私の言葉に頷いたココは、覚悟を決めたように頷くと、力を抜いた。
「ココ……、息をゆっくり吐くんだ」
私は優しくココの名前を呼びながら、正常位でゆっくりとココの中に挿入して行く。
初めて男を受け入れたであろうそこは、かなりきつかった。
力を抜いてはいるのだが、それでもやはり若干の異物感はあるに違いない。
ココの僅かな眉間のしわがその証拠だ。
私は今までにない慎重さで、ゆっくりと中に押し進んだ後、ココの身体が慣れるまでじっと動かない様に意識を集中した。
本音を言えば、思い切り突き上げたいのだが、どうしてもココの苦しむ顔は見たくなかった。
「……辛くないか?」
ココが落ち着いた頃、私は出来る限りの穏やかさでそう尋ねた。
ココは、少しだけはにかんだ後に小さく頷くと私へと両腕を伸ばした。
恐る恐るではあるが、私の腰に足を絡め、誘う様に尻を動かす様は、とても色っぽかった。
何よりも、ココが私を見る目が、どこまでも優しく、そして私が欲しいのだと告げているのだと分かり、私は心の底から歓喜した。
結婚式を挙げるまでは、ココの中には恋情は確かにあったものの、どちらかと言えば性的な感情はあまり持ち得ていなかったのだと思う。
好意は伝わって来たが、その好意には狂おしいような色は無く、ただただ穏やかだったからだ。
けれど、今のココは私の事を本当に欲しいのだと、そう言っているのだから、私が喜ぶのも当然だ。
「……んっ! テオドシウス様っ」
名前を呼ばれた私のペニスが、ココの中で膨張する。
私の腰の動きは徐々に速くなるが、ココの目尻に浮かんだ涙が、決して苦痛の涙ではない事を、濡れるココのペニスが証明していた。
その涙を舐めながら、私は愛する妻に心から感謝をしていた。
「……ココも気持ち良いかっ?」
「う……んっ! 気持ちよいですっ」
私に応えてくれた優しいココ。
(私は君にとって、良い夫となれるだろうか……っ)
正直、私は色々と駄目な男だと思うし、私などより、良い男は他にもいると思っている。
だが、ココを想う気持ちだけは誰にも負けていないと、そう思っている。
これから、色々な事があるだろう。
辛い事も、悲しい事も、嬉しい事もきっとたくさんある。
将軍という立場は、人から恨まれることも多く、妻であるココにその火の粉が降り掛かる可能性はある。
その結果、もしかしたら君は傷つき、君が私を恨む日が来るかもしれない。
――だが、日々を君の隣で過ごせるというその幸運を、決して私は手放したくない。
ココに口付けた私は、最奥に精を放ちながら、君に許しを請う。
たとえどんな相手だったとしても、必ず君を守るから。
だからずっと、側にいて欲しい。
◆◆◆
ありがとうございました!
次の番外編でいったん完結となります。
「……分かった」
ココの懇願に私は頷いた。
ココが私の顔を見ながら抱かれたいのだと言ってくれるのは、とても嬉しい事だし、私がどう思うかよりも、ココが満足する事を私は選んだ。
ココの身体をゆっくりと仰向けに押し倒した私は、長い足を優しく開いた。
使い込まれていない綺麗な色のペニスは、色こそ可愛らしいが、立派な男のものだ。決して小さくはない。
ココなら、おそらく素敵な女性と縁があったに違いない。
(だが、もう私の物だ……っ)
「痛かったら言うんだぞ?」
私の言葉に頷いたココは、覚悟を決めたように頷くと、力を抜いた。
「ココ……、息をゆっくり吐くんだ」
私は優しくココの名前を呼びながら、正常位でゆっくりとココの中に挿入して行く。
初めて男を受け入れたであろうそこは、かなりきつかった。
力を抜いてはいるのだが、それでもやはり若干の異物感はあるに違いない。
ココの僅かな眉間のしわがその証拠だ。
私は今までにない慎重さで、ゆっくりと中に押し進んだ後、ココの身体が慣れるまでじっと動かない様に意識を集中した。
本音を言えば、思い切り突き上げたいのだが、どうしてもココの苦しむ顔は見たくなかった。
「……辛くないか?」
ココが落ち着いた頃、私は出来る限りの穏やかさでそう尋ねた。
ココは、少しだけはにかんだ後に小さく頷くと私へと両腕を伸ばした。
恐る恐るではあるが、私の腰に足を絡め、誘う様に尻を動かす様は、とても色っぽかった。
何よりも、ココが私を見る目が、どこまでも優しく、そして私が欲しいのだと告げているのだと分かり、私は心の底から歓喜した。
結婚式を挙げるまでは、ココの中には恋情は確かにあったものの、どちらかと言えば性的な感情はあまり持ち得ていなかったのだと思う。
好意は伝わって来たが、その好意には狂おしいような色は無く、ただただ穏やかだったからだ。
けれど、今のココは私の事を本当に欲しいのだと、そう言っているのだから、私が喜ぶのも当然だ。
「……んっ! テオドシウス様っ」
名前を呼ばれた私のペニスが、ココの中で膨張する。
私の腰の動きは徐々に速くなるが、ココの目尻に浮かんだ涙が、決して苦痛の涙ではない事を、濡れるココのペニスが証明していた。
その涙を舐めながら、私は愛する妻に心から感謝をしていた。
「……ココも気持ち良いかっ?」
「う……んっ! 気持ちよいですっ」
私に応えてくれた優しいココ。
(私は君にとって、良い夫となれるだろうか……っ)
正直、私は色々と駄目な男だと思うし、私などより、良い男は他にもいると思っている。
だが、ココを想う気持ちだけは誰にも負けていないと、そう思っている。
これから、色々な事があるだろう。
辛い事も、悲しい事も、嬉しい事もきっとたくさんある。
将軍という立場は、人から恨まれることも多く、妻であるココにその火の粉が降り掛かる可能性はある。
その結果、もしかしたら君は傷つき、君が私を恨む日が来るかもしれない。
――だが、日々を君の隣で過ごせるというその幸運を、決して私は手放したくない。
ココに口付けた私は、最奥に精を放ちながら、君に許しを請う。
たとえどんな相手だったとしても、必ず君を守るから。
だからずっと、側にいて欲しい。
◆◆◆
ありがとうございました!
次の番外編でいったん完結となります。
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