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第2章
1.ヴィンスの思い
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「・・・っ、にぃさまぁ?なにしてるんですかぁ?」
僕は兄様の机に手をかけて、一生懸命背伸びをして兄様に問いかける。
兄様がずっと何か書いているのだ。
メル兄様とフラン兄様が家庭教師さんを招いてのお勉強があるからと今日はヴィンス兄様のお部屋で遊んでる。
兄様の机の近くに敷いてあるカーペットで本を読んでいた。
兄様から譲ってもらった本でここの所ずっと没頭していたのだ。
区切りのいいところでぱっと兄様を見ると何かを真剣に書いている。
ちょっと気になってしまったのだ。
気になって机に手をかけたはいいものの、身長が全然足りない。
僕の背は5歳児の平均よりも小さいみたい。
ご飯とかはちゃんともらってるよ!?
まぁ、あんまり食べれてないかもしれないけど。
でもでも、兄様たちはいっぱい食べたねって言ってくれるし、最初の頃よりは食べれる量増えたもん。
一生懸命背伸びをして、首もあげて、かろうじて見えるのは目と鼻先だけ。
喋るのもちょっと苦しい。
そんな様子の僕を見て、兄様はくくっと笑い
僕を膝に抱えた。
「これは、学園入学への申請書を書いているんだ。
試験はもう終わったんだが、学園へ入学してどんなことに専念するか、文に纏めなくてはいけないんだ。
寂しい思いをさせてしまったか?」
「ううん、大丈夫だよ!
いっぱい書いてるのね!」
「あぁ、ランスとは離れたくないが宰相の代を継がねばいけないらしくてな。
ランスにこんな話をするのはなんだが、父様の前の宰相は爵位も剥奪になったらしくて、宰相の座はバーネット家が継いでいくらしいんだ。
そのために学園へ行ってよりレベルの高い、質の高いものを学びたいんだ。」
僕は兄様が話す内容を膝の上から見上げて聞いていた。
生半可な気持ちじゃない、心からの思いが伝わってくる。
確かに兄様が行く国内最大の魔術学園で学べるものは多いと思う。
魔術学園は13歳から。
兄様は僕の事件のせいで入学を見送っていたのだ。
その事もランスのせいじゃないよって言ってくれた。どこまでも優しい兄様だ。
「僕の夢なんだ、父様の後を立派に継ぐのが。
僕も寂しくなるが、応援してほしいな」
「うん!僕応援する!!
――僕も兄様に会えない時間が多くなるのは…寂しいけど…。
帰ってくるでしょ?」
「うん、帰る時間は遅くなるが毎日帰ってくるつもり。
ランスは寝てるかもしれないけどちゃんと一緒に寝るよ」
「ふふ、それなら良かったです・・・。」
ペタっと兄様の胸に頭を預けると、頭を優しく撫でられた。
本の続き読む?と言われたが、このままでいい?と甘えてしまった。
もうランスはどこまで可愛いの?とぎゅっとされた。
そのまま兄様の胸で眠ってしまったのは内緒だよ?
僕は兄様の机に手をかけて、一生懸命背伸びをして兄様に問いかける。
兄様がずっと何か書いているのだ。
メル兄様とフラン兄様が家庭教師さんを招いてのお勉強があるからと今日はヴィンス兄様のお部屋で遊んでる。
兄様の机の近くに敷いてあるカーペットで本を読んでいた。
兄様から譲ってもらった本でここの所ずっと没頭していたのだ。
区切りのいいところでぱっと兄様を見ると何かを真剣に書いている。
ちょっと気になってしまったのだ。
気になって机に手をかけたはいいものの、身長が全然足りない。
僕の背は5歳児の平均よりも小さいみたい。
ご飯とかはちゃんともらってるよ!?
まぁ、あんまり食べれてないかもしれないけど。
でもでも、兄様たちはいっぱい食べたねって言ってくれるし、最初の頃よりは食べれる量増えたもん。
一生懸命背伸びをして、首もあげて、かろうじて見えるのは目と鼻先だけ。
喋るのもちょっと苦しい。
そんな様子の僕を見て、兄様はくくっと笑い
僕を膝に抱えた。
「これは、学園入学への申請書を書いているんだ。
試験はもう終わったんだが、学園へ入学してどんなことに専念するか、文に纏めなくてはいけないんだ。
寂しい思いをさせてしまったか?」
「ううん、大丈夫だよ!
いっぱい書いてるのね!」
「あぁ、ランスとは離れたくないが宰相の代を継がねばいけないらしくてな。
ランスにこんな話をするのはなんだが、父様の前の宰相は爵位も剥奪になったらしくて、宰相の座はバーネット家が継いでいくらしいんだ。
そのために学園へ行ってよりレベルの高い、質の高いものを学びたいんだ。」
僕は兄様が話す内容を膝の上から見上げて聞いていた。
生半可な気持ちじゃない、心からの思いが伝わってくる。
確かに兄様が行く国内最大の魔術学園で学べるものは多いと思う。
魔術学園は13歳から。
兄様は僕の事件のせいで入学を見送っていたのだ。
その事もランスのせいじゃないよって言ってくれた。どこまでも優しい兄様だ。
「僕の夢なんだ、父様の後を立派に継ぐのが。
僕も寂しくなるが、応援してほしいな」
「うん!僕応援する!!
――僕も兄様に会えない時間が多くなるのは…寂しいけど…。
帰ってくるでしょ?」
「うん、帰る時間は遅くなるが毎日帰ってくるつもり。
ランスは寝てるかもしれないけどちゃんと一緒に寝るよ」
「ふふ、それなら良かったです・・・。」
ペタっと兄様の胸に頭を預けると、頭を優しく撫でられた。
本の続き読む?と言われたが、このままでいい?と甘えてしまった。
もうランスはどこまで可愛いの?とぎゅっとされた。
そのまま兄様の胸で眠ってしまったのは内緒だよ?
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西条ネア
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