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閑話休題1

③クリスマス?2

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――クリスマスかぁ・・・。


「何でもその地では、大切な人と過ごすらしいですよ、ヴィンス様たちのようですね。」

「ふふ、もちろんだよ。じゃあ今日はこの服にしようか。」

「はい!お揃い楽しみです!」


僕は抱っこから下ろしてもらい、洋服を持ち、着替えに行こうとした。


「あ、お手伝いは・・・、」

「ランスはもう立派だから大丈夫だよ、ね?ランス」

「はい!!」


ただただ嬉しかった。
立派だなんて言われて僕の心には羽が生えていた。

パッと着替えた。
その服は僕にぴったりで
ふわふわの袖口、後ろに長いパンツ、ニーハイソックスはちょっとお気に入り。

すぐ兄様に見せに行く。


「兄様どうかなぁ?」


くるっとその場で1周回る。
パンツの後ろの装飾がふわっと揺れてとても綺麗だった。


「うん、最高に似合ってるよ!
ありがとう、キュクル」


その後編み込みもしてもらった。
赤色のリボンも編み込みに混ぜてもらってもっと可愛く、ううん、かっこよくなったと思う。


「ありがとう!キュクルさん」

「喜んでもらえて何よりです。
良い1日をお過ごしください」


そう言い、お辞儀をして出ていった。


「さっ、次は僕が着替えに行く番だね。」


手を繋いでドアを出る。


「ねぇねぇ、見てみて!今日はね、くりすますなんだってぇ!」


ラースさんとファルさんに見せるように、兄様にしたようにくるっと回る。


「そうなんですね、ランス様は博識ですね」

「とても似合ってますよ!ランス様!!」


2人ともそれぞれの感想をくれる。
嬉しい!


「今から僕の部屋へ行くのだけど、まだメルとフランが眠っているんだ。
どちらか1人着いてきてくれないか?」

「「行きます!」」


俺が行くんだ、なんて2人が口喧嘩し始める。

すると兄様が呆れたように笑い、ここに誰か1人護衛をつけたらどうだい?と提案した。
あ、でも手隙の者が居たらだからね?居なかったらその時は諦めてね?と。


「「はい!」」


ラースさんは見てきますとメイド・執事・騎士さん達が休憩しているお部屋に向かった。

その間、ファルさんはしゃがんで僕に目線を合わせてとても似合ってますよ~なんて言ってくれた。

ラースさんはすぐにノアさんを連れて帰ってきた。
ノアが変わってくれて良かったなって笑っていて
すぐに帰ってこなきゃなって兄様は僕に言った。

パッと兄様に抱っこされてささっとお部屋に着いた。

兄様の部屋のクローゼットにも2色を基調とした洋服が掛かっていた。

兄様は、きっちりとした感じでかっこよさが引き立たされていて、ちょっと見蕩れちゃったのは秘密ね?


「兄様かっこいいです!!」

「ふふ、ありがとう」


兄様は言った通り、また僕の部屋にすぐ戻っていった。

僕の部屋の前でノアさんとまたバトンパスした。

僕らが部屋に入ると、ドアの外から感謝しろよ~なんて茶化すような話し声が聞こえる。

仲良しさんだねぇって僕らも話す。


「あ、ランスおはよ」

「おはようございますメル兄様!」

「お揃い?似合ってんじゃん」

「えへ、ありがとうございます!
メル兄様もお揃いにしましょうよ」

「おう、フラン起こしてくる。待ってて」


僕はこの普通の日常が嬉しくて、つんつんと兄様の肩をつつき、


「僕、今とっても幸せです」

「そうか、良かったな。これからもずっとそうだぞ」


――ありがとう兄様、とぎゅっと首に腕を回し抱きついた。






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