58 / 73
閑話休題1
②クリスマス?
しおりを挟む
ふわぁ・・・。
昨日はいっぱい泣いちゃったから、直ぐに寝ちゃった…。
結局ウィネスはどんな認識だったっけ・・・?
まぁ、いっかぁ。
「ん、ランスもう起きたの?おはよう」
両サイドにフラン兄様とメル兄様が居て、がっちりガードされていた僕はその間から、ぬくぬくと這い出て、座った状態でうーんと考え事をしていた。
すると、端で寝ていたヴィンス兄様は、僕のもぞもぞに気づいたらしく起こしてしまったようだ。
「おはよう、兄様。」
「そこから抜ける?手伝うよ?」
「うん、起きようかな。お願いします・・・。」
すると、ヴィンス兄様はベッドから降りて足元の方に回ってきた。
そっとベッドに乗り、ほらと手を伸ばす。
その伸ばされた手に僕も手を伸ばし、抱きしめられるとその体に身を預けた。
「ほい、2人はまだ眠ると思うから。
僕らはお顔洗ってお着替えしようか」
「はーい!」
そう言うと兄様に手を引かれ、一緒にお顔を洗いに行った。
「目元が腫れていなくて良かったよ、可愛いお顔が腫れていたら僕は悲しいからね」
そう、僕の顔をタオルで優しくぽんぽんと拭く兄様は呟く。
――ごめんね。と言うと何謝ってるの?もうおあいこだよ。と言われてしまった。
僕がやっぱり兄様の事好きだなぁなんて思っていると隣の部屋のクローゼットの前に来ていて、ちょっと待っててと言われた。
兄様はドアの外で誰かと話していてすぐに戻ってきた。
「今日は特に来客もないみたいだよ。
ゆっくり過ごせるね。
あとここにある服なら何でも着ていいってさ!
今日は何着る?今日は可愛い感じがいいかなぁ?」
ふふふ、なんて言いながら楽しそうに僕の服を選んでいる。
僕はちょっと甘えたくなった。
ちょいちょいと服をつまんで引っ張り、
「・・・僕ね、兄様とお揃いがいいな…。
あ、あとねまたあの編み込みしてほしいな・・・。」
すると、兄様は破顔し
「ふふ、どんなのがあったかなぁ。
いいよ、お揃いにしちゃおうね。
編み込みは僕はまだ出来ないからリコスに任せようかな・・・。リコスに早いうちに習っちゃおう。」
兄様はそう言い、僕を抱っこした。
またドアの方へ向かう。
ドアを開くと、ラースさんとファルさんが居た。
ファルさんは兄様の専属なのかな・・・?
リコスかキュクルを呼んで欲しいって言っている。
するとすぐにキュクルさんが来て、
兄様が「僕とランス、お揃いの服って今日のクローゼットの中にある?」なんて無茶ぶりを言った。
流石に覚えてないでしょ・・・?
そう思っていたら、今日はこれとこれがありますよってすぐに答えた。
どっちも可愛いねぇなんて兄様は言う。
片方はベージュを基調とした落ち着いた服。
もうひとつは、対称的に赤と緑を基調としていて明るい印象を与える。
チェックに袖口はふんわりとなっていて
短いパンツに後ろだけスカートのように長くなっている。
これはあの貴婦人さんが作ってくれたものらしい。
また送ってくれていたんだね・・・、ありがとうございます!!
「でもこれは明るい色だね・・・。この2色を基調とするなんて珍しい。」
「はい、何でも異国の地では丁度この日がクリスマスという聖母の生誕を祝う日らしいです。
貴婦人様はそれをモチーフにしたと言っておられますよ。」
――クリスマスかぁ・・・。
昨日はいっぱい泣いちゃったから、直ぐに寝ちゃった…。
結局ウィネスはどんな認識だったっけ・・・?
まぁ、いっかぁ。
「ん、ランスもう起きたの?おはよう」
両サイドにフラン兄様とメル兄様が居て、がっちりガードされていた僕はその間から、ぬくぬくと這い出て、座った状態でうーんと考え事をしていた。
すると、端で寝ていたヴィンス兄様は、僕のもぞもぞに気づいたらしく起こしてしまったようだ。
「おはよう、兄様。」
「そこから抜ける?手伝うよ?」
「うん、起きようかな。お願いします・・・。」
すると、ヴィンス兄様はベッドから降りて足元の方に回ってきた。
そっとベッドに乗り、ほらと手を伸ばす。
その伸ばされた手に僕も手を伸ばし、抱きしめられるとその体に身を預けた。
「ほい、2人はまだ眠ると思うから。
僕らはお顔洗ってお着替えしようか」
「はーい!」
そう言うと兄様に手を引かれ、一緒にお顔を洗いに行った。
「目元が腫れていなくて良かったよ、可愛いお顔が腫れていたら僕は悲しいからね」
そう、僕の顔をタオルで優しくぽんぽんと拭く兄様は呟く。
――ごめんね。と言うと何謝ってるの?もうおあいこだよ。と言われてしまった。
僕がやっぱり兄様の事好きだなぁなんて思っていると隣の部屋のクローゼットの前に来ていて、ちょっと待っててと言われた。
兄様はドアの外で誰かと話していてすぐに戻ってきた。
「今日は特に来客もないみたいだよ。
ゆっくり過ごせるね。
あとここにある服なら何でも着ていいってさ!
今日は何着る?今日は可愛い感じがいいかなぁ?」
ふふふ、なんて言いながら楽しそうに僕の服を選んでいる。
僕はちょっと甘えたくなった。
ちょいちょいと服をつまんで引っ張り、
「・・・僕ね、兄様とお揃いがいいな…。
あ、あとねまたあの編み込みしてほしいな・・・。」
すると、兄様は破顔し
「ふふ、どんなのがあったかなぁ。
いいよ、お揃いにしちゃおうね。
編み込みは僕はまだ出来ないからリコスに任せようかな・・・。リコスに早いうちに習っちゃおう。」
兄様はそう言い、僕を抱っこした。
またドアの方へ向かう。
ドアを開くと、ラースさんとファルさんが居た。
ファルさんは兄様の専属なのかな・・・?
リコスかキュクルを呼んで欲しいって言っている。
するとすぐにキュクルさんが来て、
兄様が「僕とランス、お揃いの服って今日のクローゼットの中にある?」なんて無茶ぶりを言った。
流石に覚えてないでしょ・・・?
そう思っていたら、今日はこれとこれがありますよってすぐに答えた。
どっちも可愛いねぇなんて兄様は言う。
片方はベージュを基調とした落ち着いた服。
もうひとつは、対称的に赤と緑を基調としていて明るい印象を与える。
チェックに袖口はふんわりとなっていて
短いパンツに後ろだけスカートのように長くなっている。
これはあの貴婦人さんが作ってくれたものらしい。
また送ってくれていたんだね・・・、ありがとうございます!!
「でもこれは明るい色だね・・・。この2色を基調とするなんて珍しい。」
「はい、何でも異国の地では丁度この日がクリスマスという聖母の生誕を祝う日らしいです。
貴婦人様はそれをモチーフにしたと言っておられますよ。」
――クリスマスかぁ・・・。
30
お気に入りに追加
2,294
あなたにおすすめの小説
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!
Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。
pixivの方でも、作品投稿始めました!
名前やアイコンは変わりません
主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!
悪の皇帝候補に転生したぼくは、ワルワルおにいちゃまとスイーツに囲まれたい!
野良猫のらん
BL
極道の跡継ぎだった男は、金髪碧眼の第二王子リュカに転生した。御年四歳の幼児だ。幼児に転生したならばすることなんて一つしかない、それは好きなだけスイーツを食べること! しかし、転生先はスイーツのない世界だった。そこでリュカは兄のシルヴェストルやイケオジなオベロン先生、商人のカミーユやクーデレ騎士のアランをたぶらかして……もとい可愛くお願いして、あの手この手でスイーツを作ってもらうことにした! スイーツ大好きショタの甘々な総愛されライフ!
悪逆第四皇子は僕のお兄ちゃんだぞっ! ~商人になりたいので悪逆皇子の兄と組むことにします~
野良猫のらん
BL
剣と魔法の世界で異端扱いされてきた科学者お兄ちゃん×この世界で唯一科学を理解できる異世界転生者弟!
皇子様からそこら辺の農夫までほとんど攻略可能のオープンワールドBLゲー『黄昏の刻を歩んで』に転生した僕。僕は何を隠そうそのゲームで行商人プレイを何より愛する行商依存症だった。第五皇子という身分にありながら行商人になることを目指す僕は誰からも煙たがられ疎まれている悪逆皇子に媚びを売ることにし――――悪逆マッドサイエンティスト皇子と行商依存症ショタの最強コンビが誕生することになった!
※第二部は5/1より更新開始です。
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
BLゲーに転生!!やったーーー!しかし......
∞輪廻∞
BL
BLゲーの悪役に転生した!!!よっしゃーーーー!!!やったーーー!! けど、、なんで、、、
ヒロイン含めてなんで攻略対象達から俺、好かれてるんだ?!?
ヒロイン!!
通常ルートに戻れ!!!
ちゃんとヒロインもヒロイン(?)しろーー!!!
攻略対象も!
ヒロインに行っとけ!!!
俺は、観セ(ゴホッ!!ゴホッ!ゴホゴホッ!!
俺はエロのスチルを見てグフグフ言うのが好きなんだよぉーー!!!( ̄^ ̄゜)
誰かーーー!!へるぷみぃー!!!
この、悪役令息
無自覚・天然!!
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる