兄たちが溺愛するのは当たり前だと思ってました

第1章

45.お披露目会

5歳になりました！と言いたいところだけど
お誕生日は明日です！

お誕生日は屋敷のみんなで過ごしたいからね。

知らない人がいっぱい居るって考えるとドキドキして泣きそう･･･。

僕は自分の頬をぱちんと叩き、


｢みんな僕の為に来てくれてるんだ、主役がこんなのでどうなる！！｣


と言うと


｢ふふ、5歳児が随分強気な事を言うねぇ｣


とメル兄様が後ろから茶々を入れてきた。


｢むぅー！文句言わないで！まだ4歳だもーん！｣

｢あーあー、そうですかぁ！
そう言えばヘアメイクはまだなの？｣

｢うん、後ちょっとで来るって｣

｢そっかー、可愛くなれよ！！｣

｢かっこよくなるもんねー！！｣


あれ、この会話...デジャブ？

そう思ってるとコンコンとノックの音がして


｢身支度のお手伝いをしに参りました。｣

｢うん、どうぞ！お願いします｣


部屋に入ってきたのはリコスさんで去年もしてもらったなぁなんて思っていた。


｢メル様、ヴィンス様の身支度が終わりましたので呼んできて欲しいと言っておられました。｣

｢わ！ほんと？急いで行かなきゃ！
じゃあね、ランス！
僕はかっこよくなってくるよ！｣


なんだって！！


｢僕もかっこよくなるもん！！｣

｢ふふ、なれるといいねぇ、
じゃあリコスさん、お願いします！｣


そういい、僕をリコスさんに預けメル兄様は自分の身支度へと行ってしまった。

ぷんすかぷんすか怒っている僕を見てリコスさんが微笑んでいた。


｢どうしたの？リコスさんまでメル兄様みたいに僕を可愛いだとかバカにするの！！？？｣

｢ふふ、決してバカになどしてないと思いますよ、事実ランス様はとびきり可愛いのですから。｣

｢かっこいいがいいなぁ...｣

｢では今回もなるべくかっこよくなれるように致しますね。｣

｢うん！！お願いします！！｣