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第1章

34.会議-リースside-

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今、私は大広間で会議に参加している。
会議の内容は、ランス様のこと。

あ、ランス様めちゃくちゃ可愛いいいいとかの会議ではないです。
たまにそういうのありますけど、今回は真面目です。

話し合いは、ランス様の体調のこと。

気づいた事を述べていくのだ。


「ランス様は、治りがとても早いです。何らかの加護ついているのではないかと」


そう、めちゃくちゃ治りが早いのだ。

体調は崩しやすいものの、治りは早い。

喉を痛めていた時も、1日薬の服用をお願いしたが、すぐ治っていた。

これは他の力が加わっているのかも。


「それなら、思い当たりが。」


旦那様が発言する。


モニカお母様は上級の治癒魔法が使えたんだ。滅多に使わなかったが、最後にランスを守るために使ったんだと思う。」

「では、きっとモニカ様のおかげですね。」

「あぁ」


最後まで子供思いの方だったんだ...


「私もよろしいですか。ランス様の勉強を見ていた時なのですけど。」


家庭教師の方が発言する。


「ランス様は、初等部レベルの勉強が完璧に出来ていました。その時に、モニカ様に教わったと言っていたのですが、これは本当でしょうか...
もしかしたらの可能性があるのではと考えたのですが。」

「神還りなんて実際あるのか...起こったのは聞いたことないから空想なのかと...」


神還りとは、死者の願いに反応した現世の人の魂が1度死者の元に還るのだ。
その間、魂が還った現世の人間は深い眠りに落ち、魂が戻るまで目を覚まさないのだ。
長くて3日と言われている神還りだが、まさか1ヶ月間もしていたのか...
というか、そもそも旦那様の言った通り、神還りが起こったなんて滅多に聞かない。


「私が知る限り、ランス様は教わっていないと思われます。」

「リコスが言うんだったら正しいのか?」


リコスはランス様専属のメイドだ。
1番一緒にいるのはリコスだろう。


「聞いてみますか?ランス様ご本人に。」


リコスがそう言う。


「あぁ、ランスが無理しない程度でいいからお願いする。」


旦那様もやっぱ知りたいですよね...
正直僕も神還り自体に興味がある。知りたい。


「私からも良いですか。
ランス様なんですけど、先日過呼吸を起こされました。警備をしてくれていたラース様がおり、適切な処置を迅速にしてくれたおかげで悪化はしなかったのですが、雨がトラウマのようです。
雨が原因で過呼吸を引き起こしたと考えられます。」


雨...何かあったのか?


「それなら心当たりが。
事件が起きた日は雲行きが怪しくなっていて、最終的には雨が降ったんです。
雨が降った時に、賊に狙われたかと。」


事件の時にヴィンス様と救護に向かったノア様が述べる。

なるほど...。それじゃあ、怖いに決まっているな。
あ、じゃあ...


「あの、ランス様が眠られていた時には乾季でしたよね?大体1ヶ月の乾季が丁度眠っている時と被ったのでは?ここ最近、乾季が終わったのでもしかしたら事件後初めての雨かもしれません。」


まだ自分がトラウマと知らない雨が急に降り出したら、そりゃ過呼吸も起こっちゃうわな。


「確かに。そうかもな...」


ランス様について色々語った会議は段々と可愛いよねって言う話に変わっていった。













✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――


「...っ、くしゅんっ...」

「どうした!ランス!寒い?風邪?お熱は?」

「急にくしゅんってなっただけだからだいじょーぶっ!!」

「ほんとに?なんかあったら言ってよ?」


ランス様がくしゃみをしてメル様が大慌てしたのは私達は知らない。
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