上 下
31 / 73
第1章

29.湯浴み2

しおりを挟む
次は体洗ってもらう!

すると、


「はぁ...終わった。ねね、今ランスどこまでいった?」

「メル兄様!早かったねぇ?」

「ふふ、早く終わらせたんだ」

「ちぇっ、もっと遅くてよかったのに」

「残念でしたー!」

「今からランスの体洗うとこ。
別にメルとフランはお風呂浸かってていいけど?」


あ、ちなみにフラン兄様はと言うと僕とお手手にぎにぎして遊んでました。


「わぁ、お気遣いどーもぉ、でも大丈夫だよぉ」

「あーあー、そうですかっ!」

「ほらちゃっちゃっと洗っちゃお!ランス~おいで!」

「はーい!」

「あ、ちょっと!メル!」


メル兄様は手に泡を出して、体をなぞるように触っていく。


「ふふっ、くすぐったいよぉ!」

「ちょーっと我慢ね~」

「はぁ、もうじゃあ洗うのは2人に任せるから湯船の時は僕ね!」

「「はーい」」

「ヴィンス兄様どこ行くのぉ?」

「湯船浸かってるから洗ってもらったらおいでね?」

「うんっ!」


そう言ってヴィンス兄様は先に湯船に行ってしまった。


「ふふっ、こしょこしょしないれぇ!!」

「なぁに、ランス脇と腰弱いのぉ?」

「あははっ!そこだめ!」


そうこうしているうちにいつの間にか終わっていて、


「ほら、流すよ!」

「はーい!」


体の泡を流してくれる。


「はーい、すっきり!」

「ヴィンス兄様のとこに行こっか。」

「うん!」


僕はフラン兄様に抱っこしてもらい、湯船へ向かった。


「にぃさま!」

「ふふ、綺麗にしてもらった?」

「うん!」

「ほら、おいで」


そう言われたので手を伸ばして、ヴィンス兄様の腕に抱かれる。


「ふわぁ...あったかい...」

「ランス~?お風呂で寝ちゃダメだよ?」

「んにゅ...ねない...ふわぁ...」

「もう欠伸いっぱいしてるじゃん、
もう上がる?」


いや、もうちょっと...


「まだぁ」

「じゃあ後5分ね?」

「はぁい」


すると、脱衣所の方からリコスさんの声がして

「皆様のお召し物ここに置いておきますね!」

「うん!ありがとう!」

「ランス様は、夜着の方はお昼寝前に着替えるようにしますか?
リースによると、今日までは大事をとってベッドの上が基本と言っていたので、」

「うん、そうだね。汗もかくだろうし。そうする。」

「承知しました。では失礼します。」

「うん、ありがとう!」


僕の夜着...?うーん、なんのことだぁ?


「ランス~?」

「ふにゅぅ...」

「まだ5分経ってないけど、上がろうか。」

「ぅん」


ザッパーンと兄様が湯船から立つ音がする。


「あれ?兄様もう上がるの?」

「うん、ランスがまたおねむになりそうだから」

「じゃぁ、僕たちもあがる...」


あれ?結局みんな上がった...?


「ほら、ランス?ばんざいして、体ちゃんと拭くから。」

「ばんじゃーい...」

「はい、良く出来ましたぁ」


その後はちゃっと兄様達がしてくれたから覚えてないけど...

お風呂から上がると、


「まぁ!可愛いですわね、ランス様!」

「ふぇ...?」

「似合ってるよね、キュクルさんが選んでくれたんだって」

「まぁ!キュクルが!」

「お、奥様が素晴らしいんです!!」


何の話か気になって、ヴィンス兄様の服をつんつんと摘む。


「ん?どうした?」

「なんのおはなし...?」

「ランスの服装が可愛いって話だよ!」

「えぇ!とっても似合っておりますわ!」

「僕の...?」


見てみると、ふりふりのレースが施された女の子が着るようなものだ。


「ふぁ...!?もったいないよぉ...
こんなの僕の似合わないよ...」

「何言ってるの、とっても似合ってるよ?」

「そう...?」

「うん!」


じゃあいいかな...なんて思った僕は単純すぎる。


「お食事はどちらで?」

「今日まで部屋でいいかな?」

「かしこまりました。ご用意いたしますね、」

「うん!ありがとう。」


ベッドの上に戻されると可愛い可愛いと兄様達からべた褒めだった。

可愛いよりかっこいいだけど、嬉しいなんて思ったのは内緒だ。






✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――

後に兄は語る、

「あそこで勃たなかった僕達を褒めて欲しい」と。











┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

湯浴みだからといってえちえちが出てくるとも限らなくもない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!

Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。 pixivの方でも、作品投稿始めました! 名前やアイコンは変わりません 主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!

悪の皇帝候補に転生したぼくは、ワルワルおにいちゃまとスイーツに囲まれたい!

野良猫のらん
BL
極道の跡継ぎだった男は、金髪碧眼の第二王子リュカに転生した。御年四歳の幼児だ。幼児に転生したならばすることなんて一つしかない、それは好きなだけスイーツを食べること! しかし、転生先はスイーツのない世界だった。そこでリュカは兄のシルヴェストルやイケオジなオベロン先生、商人のカミーユやクーデレ騎士のアランをたぶらかして……もとい可愛くお願いして、あの手この手でスイーツを作ってもらうことにした! スイーツ大好きショタの甘々な総愛されライフ!

悪逆第四皇子は僕のお兄ちゃんだぞっ! ~商人になりたいので悪逆皇子の兄と組むことにします~

野良猫のらん
BL
剣と魔法の世界で異端扱いされてきた科学者お兄ちゃん×この世界で唯一科学を理解できる異世界転生者弟! 皇子様からそこら辺の農夫までほとんど攻略可能のオープンワールドBLゲー『黄昏の刻を歩んで』に転生した僕。僕は何を隠そうそのゲームで行商人プレイを何より愛する行商依存症だった。第五皇子という身分にありながら行商人になることを目指す僕は誰からも煙たがられ疎まれている悪逆皇子に媚びを売ることにし――――悪逆マッドサイエンティスト皇子と行商依存症ショタの最強コンビが誕生することになった! ※第二部は5/1より更新開始です。

謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません

柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。 父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。 あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない? 前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。 そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。 「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」 今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。 「おはようミーシャ、今日も元気だね」 あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない? 義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け 9/2以降不定期更新

BLゲーに転生!!やったーーー!しかし......

∞輪廻∞
BL
BLゲーの悪役に転生した!!!よっしゃーーーー!!!やったーーー!! けど、、なんで、、、 ヒロイン含めてなんで攻略対象達から俺、好かれてるんだ?!? ヒロイン!! 通常ルートに戻れ!!! ちゃんとヒロインもヒロイン(?)しろーー!!! 攻略対象も! ヒロインに行っとけ!!! 俺は、観セ(ゴホッ!!ゴホッ!ゴホゴホッ!! 俺はエロのスチルを見てグフグフ言うのが好きなんだよぉーー!!!( ̄^ ̄゜) 誰かーーー!!へるぷみぃー!!! この、悪役令息 無自覚・天然!!

運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました

十夜 篁
BL
 初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。 そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。 「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!? しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」 ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意! 「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」  まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…? 「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」 「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」 健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!? そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。 《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》

無自覚主人公の物語

裏道
BL
トラックにひかれて異世界転生!無自覚主人公の話

処理中です...