上 下
30 / 73
第1章

28.湯浴み

しおりを挟む
うぅ...

はっ!寝てた?!一番乗りしたはずなのに...


「にぃさま...」


自分の周りをぽんぽんと触り、兄様たちを探す。


「おはよー、よく眠れたか?」


兄様いたぁ、
兄様は僕の体をゆっくり起こし、だっこしてくれる。


「ぅん、ランスの一番乗りはぁ?」

「ランスは一番乗りだったぞ~?早起きさんだったな!」

「うん!」


あれ、兄様たちは?


「メルにぃさまぁ?にぃさまたちはぁ?」

「あぁ、今から湯浴みするから先に行ってるよ、」

「ゆあみ...?」

「そ、久々だろぉ?」

「うん!」

「行くぞー!」

「おー!」









「あ!ランスおはよぉ!」


フラン兄様だぁ!


「おはよぉ!」

「あら兄様は?」


メル兄様が聞く。
確かに、ヴィンス兄様いない...


「あぁ、兄様なら僕達が体洗ってる間にランスのことできるように先に入って自分の事してるって」

「なるほどな、」


???
よく分からない!でも僕がどうとか言ってたね...


「ほら、ランス脱ぐよぉ、ばんざーい」


まぁいいや!僕はばっと手を上げる。


「ばんざーい!!」


兄様たちとキャッキャッしながら脱いでいたら、
ガチャと風呂場のドアが開いて、


「おーい、何してんの。早くランス連れてきてよ!
そんなとこに裸ん坊でずっといたらみんな風邪引くよ」

誰かと思えば、ヴィンス兄様だった。
イケメンさんが出てきてびっくりしちゃった。


「さ、おいで。」


兄様に抱えあげられる。


「兄様かっこいいですねぇ...」

「ふふ、急にどうしたのさ...」

「だ、だって!なんかいつもの兄様と感じが違ったから...」

「ランスは可愛いねぇ」

「僕は可愛いじゃなくてかっこいいがいいですぅ!!!」

「それは無理かなぁ?」

「むぅ...兄様の意地悪...」


僕男の子だからかっこいいがいいもん。


「まぁランスは可愛いだよねぇ、」

「うんうん、同感だわ。」

「僕男の子だもん...」


僕はなんで、兄様みたいにかっこよくないんだろう...
ちょっと悲しくなって、ヴィンス兄様の首にぎゅっとする。


「ごめんね、、元気だして?」

「別になんともないもん...」

「そっかそっか。ほらここに座って?髪の毛と体洗っちゃうよ」

「はーい」

「ランスは僕に任せて2人は自分の事してていいからね、」

「「いや、なるべく急ぐ。」」

「あはは、そう?じゃあ僕はお先に~」


ゆっくりでいいのに、なんで急ぐのかなぁ


「なんで、にぃさまたち急ぐのぉ?」

「うーん、ランスとお風呂に入りたいからじゃない?ほらほらー前向いて」

「はーい」


兄様はそう言ったけど、今まさに入ってるじゃないか。なんで??

そんな考えてると、


「お湯かけるよ~、目閉じて?」

「わ、うん!」

上から兄様の声がふってくる。

お水が目に入ると痛いんだよぉ...

僕は目をぎゅっと瞑って、手で目を覆った。

バッシャーンとお湯が僕の頭にかける。

頭を兄様がわしゃわしゃしてる、


「ランス、気持ちい?」

「うん、きもちい!お風呂久しぶり!」

「そうだね、お湯またかけるよ~?」

「はぁい」


そしてまたバッシャーンとお湯がかけられる。

ふぁぁ、僕はぱっと顔をあげてぷるぷると水を切るように首を振る。


「はーい、気持ちよかったね!」

「うん!」

「よしじゃあ体洗おっか~」

「はーい!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

悪の皇帝候補に転生したぼくは、ワルワルおにいちゃまとスイーツに囲まれたい!

野良猫のらん
BL
極道の跡継ぎだった男は、金髪碧眼の第二王子リュカに転生した。御年四歳の幼児だ。幼児に転生したならばすることなんて一つしかない、それは好きなだけスイーツを食べること! しかし、転生先はスイーツのない世界だった。そこでリュカは兄のシルヴェストルやイケオジなオベロン先生、商人のカミーユやクーデレ騎士のアランをたぶらかして……もとい可愛くお願いして、あの手この手でスイーツを作ってもらうことにした! スイーツ大好きショタの甘々な総愛されライフ!

謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません

柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。 父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。 あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない? 前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。 そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。 「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」 今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。 「おはようミーシャ、今日も元気だね」 あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない? 義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け 9/2以降不定期更新

孤独なまま異世界転生したら過保護な兄ができた話

かし子
BL
養子として迎えられた家に弟が生まれた事により孤独になった僕。18歳を迎える誕生日の夜、絶望のまま外へ飛び出し、トラックに轢かれて死んだ...はずが、目が覚めると赤ん坊になっていた? 転生先には優しい母と優しい父。そして... おや?何やらこちらを見つめる赤目の少年が、 え!?兄様!?あれ僕の兄様ですか!? 優しい!綺麗!仲良くなりたいです!!!! ▼▼▼▼ 『アステル、おはよう。今日も可愛いな。』 ん? 仲良くなるはずが、それ以上な気が...。 ...まあ兄様が嬉しそうだからいいか! またBLとは名ばかりのほのぼの兄弟イチャラブ物語です。

【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが

BL
 俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。  ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。 「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」  モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?  重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。 ※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。 ※第三者×兄(弟)描写があります。 ※ヤンデレの闇属性でビッチです。 ※兄の方が優位です。 ※男性向けの表現を含みます。 ※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。 お気に入り登録、感想などはお気軽にしていただけると嬉しいです!

転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!

Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。 pixivの方でも、作品投稿始めました! 名前やアイコンは変わりません 主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!

弟は僕の名前を知らないらしい。

いちの瀬
BL
ずっと、居ないものとして扱われてきた。 父にも、母にも、弟にさえも。 そう思っていたけど、まず弟は僕の存在を知らなかったみたいだ。 シリアスかと思いきやガチガチのただのほのぼの男子高校生の戯れです。 BLなのかもわからないような男子高校生のふざけあいが苦手な方はご遠慮ください。

愛され末っ子

西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。 リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。 (お知らせは本編で行います。) ******** 上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます! 上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、 上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。 上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的 上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン 上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。 てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。 (特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。 琉架の従者 遼(はる)琉架の10歳上 理斗の従者 蘭(らん)理斗の10歳上 その他の従者は後々出します。 虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。 前半、BL要素少なめです。 この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。 できないな、と悟ったらこの文は消します。 ※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。 皆様にとって最高の作品になりますように。 ※作者の近況状況欄は要チェックです! 西条ネア

処理中です...