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第1章
27.朝 -フランside-
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僕の...あ、僕のって言ったら兄様達に怒られちゃうんだった...
僕達のランスは、早起き一番乗りは取ったもののまた寝てしまったのだ。
今は僕の腕からベッドに降ろしてすやすや寝ている。
兄様達はというと、今は1度自分の部屋へ戻り、湯浴みの為の準備をしているのだ。
僕は兄様達が帰ってきたら、リコスさんの後輩さんと、キュクルさんと一緒に取りに行くのだ。
ランスの分も一緒に。
僕達は一応メイドさんがついてくれているが、服の着付けとかは自分たちでしているのだ。
父様と母様からの教えで、自分の事はある程度自分で出来るようにしなさい。と教えられたのだ。
比べるのはいけないことだが、上という立場を使い人を私情で振り回すものがいるのだとか。
僕はその話を聞いて驚いてしまった。
お父様は、人に物を頼む時には最後にはしっかり感謝しろと。
決して上の立場だからと言って、人が必ず動くものだと認識しないように、と。
僕はしっかりそれを守っているつもりだ。
なので、朝の支度は大体自分でするようにしているのだ。
ランスのは、悔しいが僕よりメイドさんの方が分かっていると思う。
でも、リコスさんは僕達の湯浴みの準備をしてくれているので、弟子入りしているらしいキュクルさんにお願いしてもらった。
キュクルさんは、
「が、がんばります!!」と言っていたので、
頼りになりそうだ。
僕は、ちょっと微笑み
「ふふ、ありがとうございます。頼みました。」
と言った。
すると、ヴィンス兄様が先に帰ってきた。
そのドアの開く音でランスが、
「んぅ...にぃに...」
と言ったので目が覚めたのかと驚いたが、
ただの寝言だった。
愛らしいなぁと思い、頭をポンポンと撫でる。
「ごめん、起こしちゃった?」
と兄様が囁き声で聞く。
「ううん、寝言だった。」
「そっか、、よかった...」
そこに、
「フラーン、お前の分も持ってきてやったから、ランスのやついいの選んでやれよぉ」
と言いながらメル兄様が入ってきた。
僕とヴィンス兄様は、慌てて
「「しぃぃーーーー」」
「うぉ!?ご、ごめん」
僕とヴィンス兄様はそっーとランスの方を見ると、
すやすやと眠っていた。
ほっとして、僕は
「じゃあ、兄様お願いします。」
そう言って、僕は部屋を出た。
ドアを開け、外に出るとキュクルさんがいた。
「お願いしますねぇ」
すると、
「は、はい!!おまかせください!」
と緊張の交じった声が返ってきた。
僕らはランスの部屋へ向かう途中、静かだった。
なので、
「キュクルさん、緊張してますか?」
と問いかけてみた。
「え、どうしておなまぇ...、ああ、し、してます!してます!」
「なぜですか?」
「わ、私なんて、半人前なので!!」
「今はリコスさんの所へ弟子入りしていたんですよね?」
「そ、そうなんです!!あ、どうぞ...」
「ありがとうございます」
歩きながら話しているとランスの部屋についたので、ドアを開けてくれた。
「ランスの可愛い服はないかなぁ...」
「こ、これなんてどうですか!」
キュクルが渡してきたのは、女の子が着るようなものだった。
「こ、これは奥様が可愛いお召し物もと言われて...」
「ふふ、絶対可愛い、似合うと思うなぁ、」
「あ、どうせベッドだよね...夜着みたいなものも持っていった方がいいかなぁ?」
「い、一応持っていきましょうか...?」
「うん、そうですね、夜着も可愛いのがいいかなぁ?ありますか?」
「これなんて、どうでしょう...」
そう言って渡したのはネグリジェのようなものとパンツのセットでフリルが多かった。
パンツなくても、上だけでワンピースになるのでは...
「これもお母様が?」
「そ、そのようです。」
「じゃあこの2つ持っていきましょうか」
「し、承知しました!お持ちいたします!」
「ありがとうございます。」
「今、ドアお開けしますね...!」
「うん、ありがとうございます。」
そうして、病室に帰る時にもまたさっきの話を続けた。
「そういえば、初めキュクルさんのお名前呼んだら、どうして...って言いましたよね?なにかあったんですか?」
「あ、そ...それは」
「急に聞かれてもですよね、、すみません」
「い、いえ!あの、バーネット家に拾ってもらうまでは...や、約立たずと言われて仕えていた方にも名前を呼ばれなかったので...」
「仕えていない僕が何故名前を覚えているのか、と思ったんですね?」
「は、はい...」
「それは、僕達の大切なランスに仕えてくれているからですよ、たとえ見習いだとしてもです。」
応答がなかったので、後ろを振り返ると
ポロポロとキュクルが涙を流していた。
「キュ...キュクルさん?どうしました?
僕、何か失礼な発言を...?」
「い、いえ...私なんかがこんな場所に来ていいのかと...
あ、あの...!こんな場所というのは、悪い意味ではなくて!!こんなに幸せな職場はないと思いまして...」
「ふふ、そう思って頂けるとこちらとしてもとても嬉しいです。いつもありがとうございます。
ほらほら、目を腫らしているとランスが心配しますよ、、」
話している間にドアの前についたので、キュクルを落ち着かせる。
「申し訳ありませんでした...お、お見苦しいところを見せてしまいました」
「大丈夫ですよ、ありがとうございました。可愛いもの選んで頂いて。」
「い、いえ!また何かあればベルを鳴らしてお呼びください!」
「はい。」
「ど、どうぞ!」
最後まで緊張していたキュクルさんはドアを開けてくれる。
「見習い頑張ってくださいね、応援しています。」
そう言い、僕は部屋へ入った。
後ろでキュクルが顔を赤くしていたのは知らない。
僕達のランスは、早起き一番乗りは取ったもののまた寝てしまったのだ。
今は僕の腕からベッドに降ろしてすやすや寝ている。
兄様達はというと、今は1度自分の部屋へ戻り、湯浴みの為の準備をしているのだ。
僕は兄様達が帰ってきたら、リコスさんの後輩さんと、キュクルさんと一緒に取りに行くのだ。
ランスの分も一緒に。
僕達は一応メイドさんがついてくれているが、服の着付けとかは自分たちでしているのだ。
父様と母様からの教えで、自分の事はある程度自分で出来るようにしなさい。と教えられたのだ。
比べるのはいけないことだが、上という立場を使い人を私情で振り回すものがいるのだとか。
僕はその話を聞いて驚いてしまった。
お父様は、人に物を頼む時には最後にはしっかり感謝しろと。
決して上の立場だからと言って、人が必ず動くものだと認識しないように、と。
僕はしっかりそれを守っているつもりだ。
なので、朝の支度は大体自分でするようにしているのだ。
ランスのは、悔しいが僕よりメイドさんの方が分かっていると思う。
でも、リコスさんは僕達の湯浴みの準備をしてくれているので、弟子入りしているらしいキュクルさんにお願いしてもらった。
キュクルさんは、
「が、がんばります!!」と言っていたので、
頼りになりそうだ。
僕は、ちょっと微笑み
「ふふ、ありがとうございます。頼みました。」
と言った。
すると、ヴィンス兄様が先に帰ってきた。
そのドアの開く音でランスが、
「んぅ...にぃに...」
と言ったので目が覚めたのかと驚いたが、
ただの寝言だった。
愛らしいなぁと思い、頭をポンポンと撫でる。
「ごめん、起こしちゃった?」
と兄様が囁き声で聞く。
「ううん、寝言だった。」
「そっか、、よかった...」
そこに、
「フラーン、お前の分も持ってきてやったから、ランスのやついいの選んでやれよぉ」
と言いながらメル兄様が入ってきた。
僕とヴィンス兄様は、慌てて
「「しぃぃーーーー」」
「うぉ!?ご、ごめん」
僕とヴィンス兄様はそっーとランスの方を見ると、
すやすやと眠っていた。
ほっとして、僕は
「じゃあ、兄様お願いします。」
そう言って、僕は部屋を出た。
ドアを開け、外に出るとキュクルさんがいた。
「お願いしますねぇ」
すると、
「は、はい!!おまかせください!」
と緊張の交じった声が返ってきた。
僕らはランスの部屋へ向かう途中、静かだった。
なので、
「キュクルさん、緊張してますか?」
と問いかけてみた。
「え、どうしておなまぇ...、ああ、し、してます!してます!」
「なぜですか?」
「わ、私なんて、半人前なので!!」
「今はリコスさんの所へ弟子入りしていたんですよね?」
「そ、そうなんです!!あ、どうぞ...」
「ありがとうございます」
歩きながら話しているとランスの部屋についたので、ドアを開けてくれた。
「ランスの可愛い服はないかなぁ...」
「こ、これなんてどうですか!」
キュクルが渡してきたのは、女の子が着るようなものだった。
「こ、これは奥様が可愛いお召し物もと言われて...」
「ふふ、絶対可愛い、似合うと思うなぁ、」
「あ、どうせベッドだよね...夜着みたいなものも持っていった方がいいかなぁ?」
「い、一応持っていきましょうか...?」
「うん、そうですね、夜着も可愛いのがいいかなぁ?ありますか?」
「これなんて、どうでしょう...」
そう言って渡したのはネグリジェのようなものとパンツのセットでフリルが多かった。
パンツなくても、上だけでワンピースになるのでは...
「これもお母様が?」
「そ、そのようです。」
「じゃあこの2つ持っていきましょうか」
「し、承知しました!お持ちいたします!」
「ありがとうございます。」
「今、ドアお開けしますね...!」
「うん、ありがとうございます。」
そうして、病室に帰る時にもまたさっきの話を続けた。
「そういえば、初めキュクルさんのお名前呼んだら、どうして...って言いましたよね?なにかあったんですか?」
「あ、そ...それは」
「急に聞かれてもですよね、、すみません」
「い、いえ!あの、バーネット家に拾ってもらうまでは...や、約立たずと言われて仕えていた方にも名前を呼ばれなかったので...」
「仕えていない僕が何故名前を覚えているのか、と思ったんですね?」
「は、はい...」
「それは、僕達の大切なランスに仕えてくれているからですよ、たとえ見習いだとしてもです。」
応答がなかったので、後ろを振り返ると
ポロポロとキュクルが涙を流していた。
「キュ...キュクルさん?どうしました?
僕、何か失礼な発言を...?」
「い、いえ...私なんかがこんな場所に来ていいのかと...
あ、あの...!こんな場所というのは、悪い意味ではなくて!!こんなに幸せな職場はないと思いまして...」
「ふふ、そう思って頂けるとこちらとしてもとても嬉しいです。いつもありがとうございます。
ほらほら、目を腫らしているとランスが心配しますよ、、」
話している間にドアの前についたので、キュクルを落ち着かせる。
「申し訳ありませんでした...お、お見苦しいところを見せてしまいました」
「大丈夫ですよ、ありがとうございました。可愛いもの選んで頂いて。」
「い、いえ!また何かあればベルを鳴らしてお呼びください!」
「はい。」
「ど、どうぞ!」
最後まで緊張していたキュクルさんはドアを開けてくれる。
「見習い頑張ってくださいね、応援しています。」
そう言い、僕は部屋へ入った。
後ろでキュクルが顔を赤くしていたのは知らない。
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