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第1章
19.おはよう
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母様に見送られたからには目を覚まさなければ。
でもやっぱり、怖いな。
目が覚めたら誰もいなくて・・・。
ううん、絶対にそんな事はない。
大丈夫
そんな気がする。
ほら、だって今も手に温もりが伝わってくるんだもん。
これはきっと兄様の手だ。
いつも助けてくれて、頭を撫でてくれる大きな手。
大丈夫。兄様を、母様を、そして自分を信じて。
僕は目を開いた。
目を開くと、涙で霞んで周りがよく見えなかった。
「んぅ...に、さまぁ...」
周りからばっと音がする。
「ランス!?聞こえる!?」
うんうん、聞こえるよ。だから泣かないでよ。
「だぃ...じょぉぶ...だい...じょぶ」
泣き止んでほしくて兄様みんなの頭をぽんぽん撫でていく。
「…ね?ランスと母様を信じてよかったでしょ?」
「「うん」」
なぁに?母様に会ったの...?
だめだぁ...全然話せない。
言いたいことが言えないよ
「かぁ...さ...まね、」
「うん、いいよ。ゆっくりで」
「ば...いばぃした...」
「そっかそっか、」
「ぅん、」
「疲れちゃった?お熱まだちょっとあるから楽にしてね。」
「あ、そう言えばランス」
なぁに?
おはよう
いつものように接してくれる兄様達にまた涙が出てきちゃう。
僕はそっからまたヴィンス兄様の手を掴みながら目を閉じた。
遠くに聞こえるのは、メル兄様とフラン兄様に指示を出すヴィンス兄様の声。
その直後に廊下が少し騒がしくなったと思う。
見える。
聞こえる。
触れる。
話せる。
思いが届く。
全部全部、母様が生かしてくれたんだ。
ありがとう。
大事にして生きるね。
『ねぇ、大丈夫だったでしょ?』
うん、
『兄様達がいたでしょ?』
うん、待っててくれた。
『これからもきっとそうだから』
そうなの?それは僕...嬉しいな
『だからこれからみんなで仲良くね』
うん、約束する。
ありがとう母様。
でもやっぱり、怖いな。
目が覚めたら誰もいなくて・・・。
ううん、絶対にそんな事はない。
大丈夫
そんな気がする。
ほら、だって今も手に温もりが伝わってくるんだもん。
これはきっと兄様の手だ。
いつも助けてくれて、頭を撫でてくれる大きな手。
大丈夫。兄様を、母様を、そして自分を信じて。
僕は目を開いた。
目を開くと、涙で霞んで周りがよく見えなかった。
「んぅ...に、さまぁ...」
周りからばっと音がする。
「ランス!?聞こえる!?」
うんうん、聞こえるよ。だから泣かないでよ。
「だぃ...じょぉぶ...だい...じょぶ」
泣き止んでほしくて兄様みんなの頭をぽんぽん撫でていく。
「…ね?ランスと母様を信じてよかったでしょ?」
「「うん」」
なぁに?母様に会ったの...?
だめだぁ...全然話せない。
言いたいことが言えないよ
「かぁ...さ...まね、」
「うん、いいよ。ゆっくりで」
「ば...いばぃした...」
「そっかそっか、」
「ぅん、」
「疲れちゃった?お熱まだちょっとあるから楽にしてね。」
「あ、そう言えばランス」
なぁに?
おはよう
いつものように接してくれる兄様達にまた涙が出てきちゃう。
僕はそっからまたヴィンス兄様の手を掴みながら目を閉じた。
遠くに聞こえるのは、メル兄様とフラン兄様に指示を出すヴィンス兄様の声。
その直後に廊下が少し騒がしくなったと思う。
見える。
聞こえる。
触れる。
話せる。
思いが届く。
全部全部、母様が生かしてくれたんだ。
ありがとう。
大事にして生きるね。
『ねぇ、大丈夫だったでしょ?』
うん、
『兄様達がいたでしょ?』
うん、待っててくれた。
『これからもきっとそうだから』
そうなの?それは僕...嬉しいな
『だからこれからみんなで仲良くね』
うん、約束する。
ありがとう母様。
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