兄たちが溺愛するのは当たり前だと思ってました

第1章

3.王妃様とお母様

ん...ん？！
お姉様......？！
じゃ...じゃあ、お母様元王族？！？！


｢あ...ぅう...ぁ｣

｢あらあらなあに？気になるのかしら？？｣
そう！気になるの！！！

｢うぅ...ぁぁ｣

｢んふふ、わたしは元は別の王国の王女様だったのよ｣
すごい、僕の心読んでるみたい...

｢お父様との出会いはね...｣









元は別の王国の第三王女だったの
でも、あまり政治とかに興味がなくてただ他の外の世界に興味があった。
王妃様:エマ様は第一王女だったらしい

そんな時、王妃様と共にこの国に来る機会があったらしいのだ。
そこにいた宰相だったお父様に一目惚れしたらしい。
その時、お父様の爵位はもう公爵に陞爵しょうしゃくしていた後だった。

お母様は王国へ帰りついた後、お母様のお父様、その王国の王様だね。僕から見たらおじい様...？に当たる方。
王様の元へ一目散に走っていって、お父様に一目惚れした事など全てを話したらしい。
王妃様と第二王女様がほとんど公務をしてくれており、あまりお母様は公務に出ていくことがなかったのだとか...
なのでおじい様が僕の国の王様に連絡をとって、お父様にもう一度会うことが許されたらしい。

おじい様も娘の爵位が下がってしまう事を気にせず、応援してくれたらしい。
そして縁談は進み、こちらに嫁いで来たらしい...


その出会いの話を顔を赤らめ、惚気顔で話してくれるお母様はとても可愛らしかった。

ん...でも、同じ国に2人嫁いで来て良かったのか...

｢でもやっぱり姉妹って似るのね...お姉様も今の王様に一目惚れしたのよｸｽｸｽ｣
中身もだけど、きっと顔立ちもお母様に似て美しいんだろうな

｢お姉様達とお父様に感謝だわ...｣
んふふ...お母様幸せそう

｢ルーカスにヴィンスにメル、フランそしてランスに出会えたんですから！｣
そう言って母様は僕をぎゅっと抱きしめ、頬を擦り寄せた

うん、僕も幸せ
優しい両親に兄様達。この家族の元に生まれてよかった...

｢うへぇ...うぅ...｣

｢んふ、やっぱり可愛いわランスは！！｣
親バカだ…！でもそれが嬉しい


ｺﾝｺﾝ

｢はぁ～い｣

｢｢｢母様！！！｣｣｣

｢あらあら、可愛い子供たちが向こうから来てくれたわ...ｸｽｸｽ｣

｢どうぞ、入って｣

｢｢｢失礼します！！！｣｣｣

｢｢｢ランス！！！｣｣｣

｢ランスにだけ～？母様寂しいわ...｣

｢もちろん母様もです！！｣

｢あら嬉しい！！！｣
そう言って母様はみんなを抱きしめた






そんな仲睦まじい光景をドアの隙間から覗いていたルーカスもまた幸せだと感じていた。