タコぴよ2

秋月 桜

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バレンタインって……

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2月14日はバレンタインというもので、このストーリーの主人公もそんなバレンタインに悩まされている1人である。

「どうしよう!もうすぐじゃん!今年こそは渡さないと~!もう今年で卒業しちゃうし!」

さてさて、今回の主人公は森本 美咲(もりもと みさき)は、同じクラスの男子、神村 陽平(かみむら ようへい)に恋をしている高校3年生だ。

「もう!私のバカ!たこ焼きなんて食べてる暇有ったらもっと真面目にバレンタインの事考えなさいよ!」

と、言いながらさっきからたこ焼きを食べているのであった。

「言ってることとやってる事がかみ合ってないチチッ!」

「はっ!?なに今の声!?」

美咲が混乱していると、たこ焼きのパックの中から1個のたこ焼きが飛び出してきた!
そのたこ焼きの色は明らかにたこ焼きでは無い抹茶の様な色をしていた。

「ちょちょちょ!!何このたこ焼き!?」

「タコぴよチチッ!たこ焼きメジロチチッ!」

「は?タコぴよ!?たこ焼きメジロ!?いやいや、たこ焼きが空を飛んだり喋ったりするとか怪奇現象じゃん!ポルターガイスト?」

「チチッ…失礼チチッね?メジロは恋愛のエキスパートチチッ!今、美咲はバレンタインで悩んでたチチッ!バレンタインと言えば恋愛のイベントチチッ!」

「私の名前…何で知ってるの?しかもバレンタインで悩んでる事まで知ってるとか!」

「全てお見通しチチッ!」

「怖っ……」

「怖くないチチッ!バレンタインはどうするチチッ?勿論手作りチチッ?」

「手作り?無理でしょ作ったことないし…」

「やった事がなくてもやってみるチチッ!メジロが教えてあげるチチッ!」

「たこ焼きのくせにチョコレート作れるの?」

「甘く見たら痛い目を見るチチッ!チョコレートはどんなのを渡したいチチッ?」

「ハート型だけど子供っぽくない感じ?」

「ならば丸くないハート型トリュフに挑戦してみるチチッ!」

「え?丸くないトリュフなんてすでにトリュフじゃないじゃん!」

「じゃあ、ハート型の生チョコっていい直すチチッ?」

「何でも良いけど…本気で作るの?」

「練習するチチッ!本番に向けて練習有るのみチチッ!」

「練習って…どうするの?」

「明日、学校の帰りにチョコの材料買ってくるチチッ!近くのスーパーに立ち寄るチチッ!」

「明日って、気が早っ…でもまあ、失敗したくないしな~やるか!」

なんとなく話がまとまれば美咲は明日に向けてトリュフや生チョコの作り方をネットで検索するのだった。
その日はチョコの作り方をメモするだけで終り、次の日の朝を向かえた。
美咲はいつも通り学校に登校した。

「おはよう!」

「おはよう美咲!」

と、いつも通り友達と挨拶を交わし学校は始まる。
勿論、陽平も同じクラスだったので美咲はどこか恥ずかしそうに目線だけで陽平を追ってしまったりしていた。
友達も美咲が陽平の事が好きなのは知っているのでボーッとしているとよくからかわれていた。

「美咲?また見てるの?」

「なっ、そ、そんなんじゃないし!」

「そう?でも、今年こそ渡すんでしょ?」

「えぇっ!?う…うん…まあ…渡せたら良いかな…とか…」

「もう卒業だしね~気持伝えるなら今回のバレンタインしかないじゃん?」

「そうなんだけど…はぁ…」

渡したい気持ちはあるが、本人を前にすると自信をなくしてしまうのであった。
そして、話し掛けたくても話し掛けられず今日も学校は終わっていくのであった。

そして美咲は学校帰りにスーパーに立ち寄ると生クリームと板チョコとココアパウダーを買ってから帰宅した。

「揃った!けど絶対に渡せる気がしない!」

「ダメチチッ!そんな弱気じゃダメチチッ!チャンスは今年だけチチッよ!」

「出たよ…言われなくても分かってるし。チャンスは今回だけ…3月には卒業だし。」

「悔いのないように完璧なチョコレートを作るチチッ!」

そんな話しをしつつも、一先ずはチョコレート作りをしなければならないので美咲は板チョコを出すと細かく刻み始めた。

「こんな感じ?」

「そんな感じチチッ!」

チョコレートを刻み終えると今度は生クリームを火に掛け沸騰しすぎないぐらいまで温め刻んだチョコと合せた。

「凄い、生チョコだ……」

「一回一回驚き過ぎチチッ!」

「だって、本当に初めて作ったもん!」

「もう、何でも良いチチッ…続けるチチッ。」

美咲は次に外側に絡めるためのチョコレートを作り始めた。

「またチョコレート刻むの?なんか手間が掛かる…」

「手作りチョコレートは愛だチチッ!愛情を込めるから手間も掛かるチチッ!」

「なんか恥ずかしい事言ってるし…」

「恥ずかしくないチチッ!」

文句を言いつつもコーティング用のチョコレートを作ると、今度は生チョコをハート型にしてコーティング用のチョコレートを絡めココアパウダーを眩してみた。

「なんか、上手く絡めれない…不格好なハート型になったよ!?」

「これは……ハート型に見えなくもないけどやっぱり丸が良いかもしれないチチッ。」

「そうだよね…丸で行こう……」

結局ハート型はいまいち上手く行かず何個かチャレンジはしたものの丸のほうが見栄えは良いので丸で行くことになった。

「よし!出来た!」

「完璧チチッ!」

「味見してみよ…不格好なハート型……ん……美味しいかも!」

「形はともかくチョコレートの味は市販のチョコレートだから美味しいチチッ!」

「なんか、その言い方トゲがあるけど?」

「バレたチチッ!美咲は文句ばかりで愛情が足りないチチッ!本番では好きな人のことを考えながら作るチチッ!それだけでも味は変わるチチッ!」

「また愛情とか恥ずかしすぎでしょ……」

「煩いチチッ!とにかく愛情は最強の隠し味チチッ!」

「分かった分かった。」

メジロの話しが少し恥ずかしかったのか美咲は早々に話しを終わらせチョコレートを食べるのだった。

「美味しい~!」

「あまり食べ過ぎると太るチチッ。」

「食べ過ぎたりはしませんよ~だ。」

そんなこんなで初チョコレート作りは上手く行ったのだが……

「ヤバイ…やっぱり告白とか恥ずかしすぎっしょ!」

美咲が部屋に戻ると今度は一人でブツブツと呟き始めた。

「無理無理!好きだけど告白とか無理!」

「独り言はあぶない子チチッ!」

「え?なんなの?まだ何か用?」

「美咲が告白出来ずに悩んでいるから心配になったチチッ!チョコレート作る練習までしたのに作らないとか告白しないって話しは無しだチチッ!」

「うっ……渡す渡さないは自由でしょ?」

「自由でもチャンスはもう無いチチッ!卒業したらそこまでチチッ!」

「そんな事分かってるよ。」

美咲は自分でも分かっている卒業という言葉を改めてツバメに言われると時間がないという事を思い知らされてしまうのだった。

「もう!つくってやるんだから!本命チョコ!」

さてさて、そんなこんなで時間は過ぎて行きバレンタイン前日のこと。
美咲はチョコレートを買いにスーパーに出掛けた。
だが……

「えっ?神村くん?何でこのタイミングでスーパーに居るの!」

なんと、スーパーに着くとそこには美咲がチョコレートを渡そうと思っていた陽平の姿が有ったのだ。

「ヤバイ、なんかはずいしバレないようにしないと!」

美咲は陽平にバレないようにスーパーに入ると逃げるようにお菓子売り場に移動してチョコレートを買った。

「後は生クリーム、ココアパウダーはまだ有るから良いよね。」

そして、周りを警戒しながら乳製品売り場に移動して生クリームを買ったのだった。
美咲は目的のものを揃えるとレジに向った。

「神村くんに会いませんように…チョコレート作りとかバレたくないし!」

美咲は心でそんな事を呟くとレジに並びお会計を済ませた。
幸いなことに、レジでも陽平に会うことは無かった。
そして、バレること無くスーパーを出るとさっそくメジロが現れた。

「運命チチッ!」

「なに?運命とか意味わからないんだけど?」

「バレンタイン前日のスーパーでまさかの本命に出会えるなんて運命以外の何ものでもないチチッ!渡すチチッ!」

「いや、だから渡すために買ってきたんだけど?」

「早く帰って作るチチッ~!」

メジロとそんな他愛もない話しをしながら家に帰ると、美咲はさっそくチョコレート作りを始めた。
チョコの作り方はすでに暗記済みだったためスムーズに作ることが出来た。

「よし、後は丸めてチョコレートくぐらせてココアパウダーだね!」

「順調チチッ!やっぱり事前に作る練習をしたのは正解だったチチッ!前より表情も明るいし愛情こもってるチチッ!」

「なっ、恥ずかしい事言わないで!」

愛情と言われ恥ずかしくなれば使ってないボールをメジロに被せ。

「恥ずかしいからお仕置き!」

「何するチチッ!まったく、料理道具の使い方間違ってるチチッ!」


ボールを被されようが通り抜けれるのかボールから出てこればムスッとした顔をするのだった。

「げっ、簡単に出てくるし…」

「当たり前チチッ!」

「とにかくメジロが言う事は恥ずかしいから大人しくしてて!」

それだけ言うと美咲は黙々とチョコレートを作った。

「よし!出来た!後は固めたら箱に詰めるだけ!」

「上手く出来てるチチッ!ん?1つだけハート型作ったチチッ?」

「うん、まだ少し不格好かもだけどハート型はやっぱり作りたかったから1つだけチャレンジしたんだ!」

「不格好ってほどでもないチチッ!ハート型にちゃんと見えてるチチッ!」

「そ、そうかな?なんかありがとう。」

チョコレートをメジロに褒められると美咲は少し恥ずかしそうにした。
でも、嬉しかったのかお礼を言ってチョコレートを冷蔵庫に入れた。
それから1時間ぐらい固めてから美咲はラッピング様に100円ショップで買った箱の中へチョコを詰めた。
6粒ぐらいは入る箱だったのでそのうちの1つだけはハート型にしたのだった。

「ハート型チョコは真ん中に入れて…よし!完成!」

「可愛いチチッ!これで陽平もメロメロチチッ!」

「な、名前言わないでよ!」

「何でチチッ?陽平が好きなら名前聞くのは嬉しくないチチッ?」

「だ、だから!何でメジロは恥ずかしいとかいう気持ちが分からないのよ!」

「恥ずかしいチチッ?」

「当たり前でしょ!」

そんな天然なメジロとの会話をしつつもラッピングし終えれば再びそのチョコレートを冷蔵庫にしまうのだった。
箱には誰に書いたのか『食べるな!』と書かれた紙が貼ってあった。

「誰宛ての手紙チチッ?」

「そんなの家族に向けてに決まってるじゃん!」

「なるほどチチッ。」

チョコレートの準備を無事に終えた美咲は食事をしたりお風呂に入ったりとやることだけ済ませ明日に備えて眠るのだった。
翌朝、美咲はチョコレートを学校の鞄の中にしまい家を出た。

「緊張する…」

「ファイト~美咲チチッ!」

「しっ!静かにして。」

「せっかく応援に来たのに酷いチチッ!」

「とにかく大人しくしててよ?」

そう言うと足早に学校へ向った。
学校に着くと陽平の姿を見付けたが朝は声が掛けられずに終った。

「美咲、どうすんの?チョコ持ってきたんでしょ?」

「持っては来たけどさ…やっぱり声掛けられなくて……」

「これはもう下校途中しか無いっしょ?」

「うっ、わ、分かってるよ。はぁ…渡せるかな……」

友達に応援され、その日もいつも通り授業は終わって行き、ついに下校時間になった。

「ヤバイ、緊張ヤバイ!」

「頑張れ美咲!」

「明日、結果聞かせなさいよ?」

校門で友達2人と別れれば美咲は一先ず陽平が出てくるのを待った。
暫く待っていると陽平が出て来た。
陽平は美咲がチョコレートを渡すなんて知らないため普通に歩いて行ってしまった。
美咲は急いで追いかけると、勇気を出して声を掛けた。

「神村くん!あの………」

「森本?なに?」

「うっ、こ、コレ良かったら食べて下さい!じゃあ、そのまた明日!」

美咲は恥ずかしさで何も言えずチョコレートだけを渡して走って帰宅した。

「やっぱり無理~!渡すだけで精一杯!」

美咲は家まで激走すると部屋のドアをバタンと締め、その場にへたり込むのだった。

「なんとか……渡せた……昨日の夜カード書いといて良かった……やっぱり話せなかったし。」

昨夜のこと___

「チチッ!美咲、メッセージカード書くチチッ!そうすれば万が一告白できなくてもカードが美咲の気持ち伝えてくれるチチッ!」

「メッセージカード?なんかそれも恥ずかしいけど…確かに何もいえない可能性はゼロじゃないし……カードか……」

と、こんなやり取りをメジロとした美咲は小さなメッセージカードに『好きです』と書いてチョコレートのリボンの所に挟んでおいたのだった。


「気持ち…伝わったかな……」

「大丈夫チチッ!後は陽平の返事を待つだけチチッ!」

「うん……そうだよね。」

ドキドキしながらもなんとか陽平にチョコレートを渡せた美咲は陽平の反応を気にしつつも、考え続けていても仕方がないと自分に言い聞かせその日も眠りに就くのであった。

翌朝____

美咲が家を出ると、なんとそこには陽平の姿があった。

「え?」

「お、おはよう。昨日はその、ありがとな?」

「えぇ!?あ、うん。」

「で、このカードのことなんだけど……嬉しかったよ。ありがとう。」

「嬉しかったって…………」

「俺も森本の事、好きだよ。ホワイトデーなんて待ってたら時間なくなるからさ。返事返しに来た。」

「えっと…あ、ありがとう!嬉しい!」

「そ、そっか。喜んでもらえてよかったよ。えっと、良かったら一緒に行かないか?学校。」

「行きたい!なんか本当にありがとう!」


と、この後の2人は見ているあなたが現実で体験してみて下さいね!
なんちゃって
さて、今回のタコぴよチェックは~?


「メジロチチッ!」

タコぴよチェック!
普段、告白をためらってる時は恋愛イベントを利用して告白するチチッ!
手作りチョコレートで愛情込めて彼?彼女?にアタックするチチッ!


当たり前だけど改めて恋愛イベントの事を考えてみるのも良いかもですね?
美咲みたいに話せない人はメッセージカード使うのも良いかもですね?
では、次回のタコぴよでお会いしましょう。
次回はちょっと流行りのストーリーみたいな感じで攻めるかな~?

END
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