44 / 45
44話
しおりを挟む
浅井side
そして季節は流れ
桜が咲き誇るなか俺たちはついに卒業の日を迎える。
今までただなんとなく過ごしていた学生生活は月島先生と出会い刺激的で熱く、とても貴重なものなんだと教えられた。
悪ぶるのがカッコいいと勝手に勘違いしていた俺たちはいい事をするカッコ良さを知り…
反抗的な態度を取ることで存在の意味を示していた俺たちは、投げかけられた言葉を受け入れる事で自分達の経験値を上げることが出来ると知った。
不良だと色眼鏡で見られる事に慣れていた俺たちはあの夏の日、月島先生と出会い初めて1人の人間として向き合ってもらう喜びを知った。
月島先生…?
俺たち少しは成長したよね?
そんな事を思いながら卒業式に参加している俺は立ち上がり卒業生代表として答辞を述べる。
まさか、俺がこんな式典で答辞を読む日がくるなんて思っても見なかったけど、これもいい経験の一つだよな…と思った俺は全力を尽くし言葉にした。
無事、卒業式を終えた俺たちはクラス全員で足早にグラウンドに向かう。
凸「ほら早く行くぞ。待たせてるんだから。」
俺の言葉にクラスメイトたちはソワソワしながらついてきて、頬を桜色に染めながら俺たちを待っている健気なその姿を捉えると野郎どもの声が色めき立つ。
あちこちで月島ちゃ~ん!や月島ちゃんにまじで会いたかった~!などと言われている月島先生もとても嬉しそうでその目には薄らと涙が滲んでいた。
俺は月島先生に卒業式くらい保護者として参加すればいいのにと言ったが、教師として途中で辞めて君たちを最後まで見守ることができなかったのに卒業式だけ出るなんて出来ないだろ…なんてまた、真面目ちゃんが発令されてしまい、俺が卒業式を終えてからクラスメイトと月島先生が会えるようにグラウンドで待ち合わせをしたのだ。
みんなも月島先生と会うのが本当に嬉しそうで表情に溢れている。
すると、月島先生は腕に抱えていた沢山の一輪の花を一本ずつ俺たちの制服のポケットに入れていく。
一人一人の目を見て話をしながら祝福し、そこに花を添える月島先生。
この人は本当に素敵な先生だな…と思いながら少し俺は自慢気に月島先生のそんな姿を見つめる。
すると、三木が俺の横にニコニコとしながら立った。
M「さすが月島先生だよな…俺たち不良までメロメロにしちゃうんだもん。」
凸「まぁ…そんな月島先生も今では俺のモノだけどな。」
ドヤ顔でそう三木に言うと、三木はそんな俺を見て笑う。
M「俺のモノとか言いながら月島先生って呼んでる時点で俺たちと同じレベルじゃん。ププなんて月島ちゃ~んって呼んでたぞ?他の人が見たらププとつき合ってるかと思うわ。」
凸「んだと!?」
三木と殴り合いの喧嘩をするのもこれが最後かなと思いながら拳を振り上げると、三木が俺の方ではなく全く別の方を見て驚いた顔をして指を差し俺にアピールする。
俺は三木に向けて振り上げていた拳を下ろし、そちらの方をみるとププが月島先生の肩を抱き頬を寄せて、今にもキスをしてしまいそうな勢いで写真を撮っていた。
凸「こらぁ~!!ププ!!誰の肩を抱いとるじゃーーーい\\٩(๑`^´๑)۶////」
そう叫びながら月島先生の元に飛んでいくと、月島先生が俺とププの間に入り仲裁する。
しかし、ププは気にする事なく口笛を吹きルンルンで月島先生との写真を俺に見せつけた。
俺と月島先生の関係を知らないそれを見た他の奴らは月島先生とププはお似合いだの、ラブラブだの好き勝手な事を言い我慢の限界で震えていると…
突然、月島先生が俺の方にクルッと振り返り優しく微笑むと、俺の首に腕を回した。
凹「やっと言えるね…」
凸「え…?」
凹「浅井くん…愛してるよ。」
月島先生は俺にそう言うと俺のネクタイをグイッと引っ張り引き寄せると、みんなの前でチュウと俺の唇にキスをした。
突然のことで驚き固まっている俺やクラスメイト達をよそに月島先生はえへへ~と笑いながら肩をすくめてみんなに言った。
凹「実は浅井くんと付き合うと事になったんだ。俺の恋人は浅井くん…だよね?」
月島先生はニコッと微笑み俺にそう問いかけると俺はコクンと頷き、みんなの祝福の声や冷やかし声がグラウンドに響く中、俺は月島先生の腰を抱き寄せみんなに見せつけるようにまた、唇を塞いだ。
つづく
そして季節は流れ
桜が咲き誇るなか俺たちはついに卒業の日を迎える。
今までただなんとなく過ごしていた学生生活は月島先生と出会い刺激的で熱く、とても貴重なものなんだと教えられた。
悪ぶるのがカッコいいと勝手に勘違いしていた俺たちはいい事をするカッコ良さを知り…
反抗的な態度を取ることで存在の意味を示していた俺たちは、投げかけられた言葉を受け入れる事で自分達の経験値を上げることが出来ると知った。
不良だと色眼鏡で見られる事に慣れていた俺たちはあの夏の日、月島先生と出会い初めて1人の人間として向き合ってもらう喜びを知った。
月島先生…?
俺たち少しは成長したよね?
そんな事を思いながら卒業式に参加している俺は立ち上がり卒業生代表として答辞を述べる。
まさか、俺がこんな式典で答辞を読む日がくるなんて思っても見なかったけど、これもいい経験の一つだよな…と思った俺は全力を尽くし言葉にした。
無事、卒業式を終えた俺たちはクラス全員で足早にグラウンドに向かう。
凸「ほら早く行くぞ。待たせてるんだから。」
俺の言葉にクラスメイトたちはソワソワしながらついてきて、頬を桜色に染めながら俺たちを待っている健気なその姿を捉えると野郎どもの声が色めき立つ。
あちこちで月島ちゃ~ん!や月島ちゃんにまじで会いたかった~!などと言われている月島先生もとても嬉しそうでその目には薄らと涙が滲んでいた。
俺は月島先生に卒業式くらい保護者として参加すればいいのにと言ったが、教師として途中で辞めて君たちを最後まで見守ることができなかったのに卒業式だけ出るなんて出来ないだろ…なんてまた、真面目ちゃんが発令されてしまい、俺が卒業式を終えてからクラスメイトと月島先生が会えるようにグラウンドで待ち合わせをしたのだ。
みんなも月島先生と会うのが本当に嬉しそうで表情に溢れている。
すると、月島先生は腕に抱えていた沢山の一輪の花を一本ずつ俺たちの制服のポケットに入れていく。
一人一人の目を見て話をしながら祝福し、そこに花を添える月島先生。
この人は本当に素敵な先生だな…と思いながら少し俺は自慢気に月島先生のそんな姿を見つめる。
すると、三木が俺の横にニコニコとしながら立った。
M「さすが月島先生だよな…俺たち不良までメロメロにしちゃうんだもん。」
凸「まぁ…そんな月島先生も今では俺のモノだけどな。」
ドヤ顔でそう三木に言うと、三木はそんな俺を見て笑う。
M「俺のモノとか言いながら月島先生って呼んでる時点で俺たちと同じレベルじゃん。ププなんて月島ちゃ~んって呼んでたぞ?他の人が見たらププとつき合ってるかと思うわ。」
凸「んだと!?」
三木と殴り合いの喧嘩をするのもこれが最後かなと思いながら拳を振り上げると、三木が俺の方ではなく全く別の方を見て驚いた顔をして指を差し俺にアピールする。
俺は三木に向けて振り上げていた拳を下ろし、そちらの方をみるとププが月島先生の肩を抱き頬を寄せて、今にもキスをしてしまいそうな勢いで写真を撮っていた。
凸「こらぁ~!!ププ!!誰の肩を抱いとるじゃーーーい\\٩(๑`^´๑)۶////」
そう叫びながら月島先生の元に飛んでいくと、月島先生が俺とププの間に入り仲裁する。
しかし、ププは気にする事なく口笛を吹きルンルンで月島先生との写真を俺に見せつけた。
俺と月島先生の関係を知らないそれを見た他の奴らは月島先生とププはお似合いだの、ラブラブだの好き勝手な事を言い我慢の限界で震えていると…
突然、月島先生が俺の方にクルッと振り返り優しく微笑むと、俺の首に腕を回した。
凹「やっと言えるね…」
凸「え…?」
凹「浅井くん…愛してるよ。」
月島先生は俺にそう言うと俺のネクタイをグイッと引っ張り引き寄せると、みんなの前でチュウと俺の唇にキスをした。
突然のことで驚き固まっている俺やクラスメイト達をよそに月島先生はえへへ~と笑いながら肩をすくめてみんなに言った。
凹「実は浅井くんと付き合うと事になったんだ。俺の恋人は浅井くん…だよね?」
月島先生はニコッと微笑み俺にそう問いかけると俺はコクンと頷き、みんなの祝福の声や冷やかし声がグラウンドに響く中、俺は月島先生の腰を抱き寄せみんなに見せつけるようにまた、唇を塞いだ。
つづく
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【BL】花様年華〜僕たちの青春日記〜
樺純
BL
「花様年華」
意味:花の様にとても美しい時期、又は青春時代
あらすじ
テイヤの通う高校にジュンサクが入学したところから始まる2人の青春物語。
学生時代の甘酸っぱさと切なさ、もどかしさそして…そして見え隠れする心の傷。
ふたりを襲う幾つもの困難…
お互いを信じ乗り越えることが…
彼らに出来るのだろうか?
登場人物
*テイヤ
高校三年生。両親の再婚によりマモルと義兄弟になる。校内や街の中でも美しい男として有名。本人は前向きで友人も多く明るい性格だがそんな生活に少し息苦しさを感じている。ため息が出るほどの容姿端麗だが勉強は普通。
*ジュンサク
高校一年生。進学のつもりはなかったが両親の説得により高校へ進学。両親からの監視を免れたいが為に高校進学を条件に地元から離れ一人暮らしを両親に取り付ける。容姿とスタイルはズバ抜けて良いが勉強は苦手で出来ない。
*マモル
高校三年であり生徒会長。テイヤに過保護でむやみにテイヤに近づこうものならばマモルの権力によって圧力をかけられるほどの校内での権力者。優等生から絶大な人気を誇り勉強も校内ナンバー1。そして女子からの歓声に満更でもない。
*セイジ
ジュンサクの担任。高い身長に眼鏡を光らせ生徒からはイケメンだが怖いことで有名な先生。しかし、テイヤにはメロメロで甘い。
テイヤが卒業したらあわよくば…と思っているが心の中にいるのは本当は…?
*イズミ
スクールカウンセラー。テイヤと仲良くなんでも話し合える仲でテイヤもイズミを信頼。ジュンサクの顔がどタイプ。セイジに片想い中で数回、告白をしているが連敗中。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
いつかコントローラーを投げ出して
せんぷう
BL
オメガバース。世界で男女以外に、アルファ・ベータ・オメガと性別が枝分かれした世界で新たにもう一つの性が発見された。
世界的にはレアなオメガ、アルファ以上の神に選別されたと言われる特異種。
バランサー。
アルファ、ベータ、オメガになるかを自らの意思で選択でき、バランサーの状態ならどのようなフェロモンですら影響を受けない、むしろ自身のフェロモンにより周囲を調伏できる最強の性別。
これは、バランサーであることを隠した少年の少し不運で不思議な出会いの物語。
裏社会のトップにして最強のアルファ攻め
×
最強種バランサーであることをそれとなく隠して生活する兄弟想いな受け
※オメガバース特殊設定、追加性別有り
.
ほだされ兄貴とわんこ舎弟。
有村千代
BL
<あらすじ>
コワモテだけど、不破龍之介はごく普通の男子高校生…だったはずなのに。
新入生の犬塚拓哉との出会いから一変? 犬塚は不良に絡まれていたところを助けてくれた恩義に、不破の舎弟になりたいと申し出たのだった!
まるで子犬のように慕ってくる犬塚。「シモの世話でもしてもらうか」と意地悪に言ったって受け入れる始末で――って! なにドキドキしてんだ、俺!?
受けへの溺愛が止まらない☆とびきりキュートな甘々ラブ!!
【ほだされコワモテ男×健気なラブリーわんこ(高校生/先輩×後輩)】
※『★』マークがついている章は性的な描写が含まれています
※ストーリーを味わうというより、萌え・癒しを感じたい人向けです(ひたすらピュアで甘々)
※全30回程度(本編5話+番外編1話)、毎日更新予定
※作者Twitter【https://twitter.com/tiyo_arimura_】
※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】
※掲載箇所【エブリスタ/アルファポリス/ムーンライトノベルズ/BLove/fujossy/pixiv/pictBLand】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
時々おまけのお話を更新しています。
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる