36 / 45
36話
しおりを挟む
月島side
俺の担当医は暫くて病室を出て行ったがカウンセラーの長谷川先生は俺が泣き止むまでずっとそばにいてくれた。
涙が止まり、我に返った俺は長谷川先生に問いかける。
凹「あの…今日は何月何日ですか?」
「月島さんがこの病院に運ばれたのが8月30日で今日は9月1日ですよ。」
それを聞かされた俺は学校に行かなきゃ、浅井くんの所に行かなきゃという事で頭がいっぱいになり、立ちあがろうとするとそれを長谷川先生に止められた。
「今はちゃんと治療しなきゃ。あと少し遅かったら命にも関わってたんだよ?」
凹「でも…学校に行かなきゃ…」
「学校?」
凹「僕…教師なんです…今日から始業式で学校が始まるんです…」
「分かった。あとで学校の連絡先教えてくれたら僕の方からちゃんと事情を説明するから安心して。今はちゃんと体を治すことを考える。ね?」
長谷川先生はそう言いながら俺を寝かせると布団を肩までかけなおした。
それと同時に不安になるのは佐々木先生のこと。
佐々木先生は俺がコンテストから帰った日から毎日、俺の家で過ごし自分の用がある時だけ俺を寝室に閉じ込めるようにして家を留守にした。
佐々木先生の目を盗んで病院に運ばれた俺のことがバレるのも時間の問題…いやもうバレているかもしれない。
そう不安が押し寄せてきた俺は長谷川先生に問いかけた。
凹「あの…僕が眠っている間にここに佐々木英二という人が来たりしませんでしたか?」
「月島さんが運ばれてから1人、男性は来たけど月島さんの状態からして暴力を受けてる可能性があるから、キミを助けたお隣に住んでる中野さん以外は意識が戻るまで面会謝絶にしてたんだ。中野さん以外で来たのは確か背は小柄で色白な人だったけど…帰っていったよ。」
その特徴を聞いて間違いなくそれは佐々木先生だと気づいた俺は、この病院にいることがもう既に佐々木先生にバレていると思うと怖くて堪らなかった。
「もうしばらく面会謝絶にしておこうか?」
突然、長谷川先生はそう言って俺にニコッと微笑む。
凹「え?」
「月島さんがなんでこんな事になったのか話せるようになるまで…面会謝絶にしてる方が安心かなと思って?」
凹「…可能なら…そう…してください……」
俺は佐々木先生からの恐怖を断ち切るために意識が戻ってからも暫くの間、面会謝絶にする事にしこれからどうすればいいのか考えることにした。
つづく
俺の担当医は暫くて病室を出て行ったがカウンセラーの長谷川先生は俺が泣き止むまでずっとそばにいてくれた。
涙が止まり、我に返った俺は長谷川先生に問いかける。
凹「あの…今日は何月何日ですか?」
「月島さんがこの病院に運ばれたのが8月30日で今日は9月1日ですよ。」
それを聞かされた俺は学校に行かなきゃ、浅井くんの所に行かなきゃという事で頭がいっぱいになり、立ちあがろうとするとそれを長谷川先生に止められた。
「今はちゃんと治療しなきゃ。あと少し遅かったら命にも関わってたんだよ?」
凹「でも…学校に行かなきゃ…」
「学校?」
凹「僕…教師なんです…今日から始業式で学校が始まるんです…」
「分かった。あとで学校の連絡先教えてくれたら僕の方からちゃんと事情を説明するから安心して。今はちゃんと体を治すことを考える。ね?」
長谷川先生はそう言いながら俺を寝かせると布団を肩までかけなおした。
それと同時に不安になるのは佐々木先生のこと。
佐々木先生は俺がコンテストから帰った日から毎日、俺の家で過ごし自分の用がある時だけ俺を寝室に閉じ込めるようにして家を留守にした。
佐々木先生の目を盗んで病院に運ばれた俺のことがバレるのも時間の問題…いやもうバレているかもしれない。
そう不安が押し寄せてきた俺は長谷川先生に問いかけた。
凹「あの…僕が眠っている間にここに佐々木英二という人が来たりしませんでしたか?」
「月島さんが運ばれてから1人、男性は来たけど月島さんの状態からして暴力を受けてる可能性があるから、キミを助けたお隣に住んでる中野さん以外は意識が戻るまで面会謝絶にしてたんだ。中野さん以外で来たのは確か背は小柄で色白な人だったけど…帰っていったよ。」
その特徴を聞いて間違いなくそれは佐々木先生だと気づいた俺は、この病院にいることがもう既に佐々木先生にバレていると思うと怖くて堪らなかった。
「もうしばらく面会謝絶にしておこうか?」
突然、長谷川先生はそう言って俺にニコッと微笑む。
凹「え?」
「月島さんがなんでこんな事になったのか話せるようになるまで…面会謝絶にしてる方が安心かなと思って?」
凹「…可能なら…そう…してください……」
俺は佐々木先生からの恐怖を断ち切るために意識が戻ってからも暫くの間、面会謝絶にする事にしこれからどうすればいいのか考えることにした。
つづく
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件
水野七緒
BL
一見チャラそうだけど、根はマジメな男子高校生・星井夏樹。
そんな彼が、ある日、現代とよく似た「別の世界(パラレルワールド)」の夏樹と入れ替わることに。
この世界の夏樹は、浮気性な上に「妹の彼氏」とお付き合いしているようで…?
※終わり方が2種類あります。9話目から分岐します。※続編「目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件」連載中です(2022.8.14)
【BL】花様年華〜僕たちの青春日記〜
樺純
BL
「花様年華」
意味:花の様にとても美しい時期、又は青春時代
あらすじ
テイヤの通う高校にジュンサクが入学したところから始まる2人の青春物語。
学生時代の甘酸っぱさと切なさ、もどかしさそして…そして見え隠れする心の傷。
ふたりを襲う幾つもの困難…
お互いを信じ乗り越えることが…
彼らに出来るのだろうか?
登場人物
*テイヤ
高校三年生。両親の再婚によりマモルと義兄弟になる。校内や街の中でも美しい男として有名。本人は前向きで友人も多く明るい性格だがそんな生活に少し息苦しさを感じている。ため息が出るほどの容姿端麗だが勉強は普通。
*ジュンサク
高校一年生。進学のつもりはなかったが両親の説得により高校へ進学。両親からの監視を免れたいが為に高校進学を条件に地元から離れ一人暮らしを両親に取り付ける。容姿とスタイルはズバ抜けて良いが勉強は苦手で出来ない。
*マモル
高校三年であり生徒会長。テイヤに過保護でむやみにテイヤに近づこうものならばマモルの権力によって圧力をかけられるほどの校内での権力者。優等生から絶大な人気を誇り勉強も校内ナンバー1。そして女子からの歓声に満更でもない。
*セイジ
ジュンサクの担任。高い身長に眼鏡を光らせ生徒からはイケメンだが怖いことで有名な先生。しかし、テイヤにはメロメロで甘い。
テイヤが卒業したらあわよくば…と思っているが心の中にいるのは本当は…?
*イズミ
スクールカウンセラー。テイヤと仲良くなんでも話し合える仲でテイヤもイズミを信頼。ジュンサクの顔がどタイプ。セイジに片想い中で数回、告白をしているが連敗中。
子悪党令息の息子として生まれました
菟圃(うさぎはたけ)
BL
悪役に好かれていますがどうやって逃げられますか!?
ネヴィレントとラグザンドの間に生まれたホロとイディのお話。
「お父様とお母様本当に仲がいいね」
「良すぎて目の毒だ」
ーーーーーーーーーーー
「僕達の子ども達本当に可愛い!!」
「ゆっくりと見守って上げよう」
偶にネヴィレントとラグザンドも出てきます。
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる